不妊治療-まとめ

2回目の採卵後から随分時間が経ってしまいました。なかなか治療が上手くいかない中で、不妊治療のことを書き記すのが苦しくなってしまっていました。現在、状況も自分の気持ちも落ち着いてきたので、不妊治療について振り返っていきたいと思います

2回目の採卵


2回目採卵の凍結結果は0個でした。採卵後、生理中の診察で卵巣もまだ腫れており、E2の数値も下がり切っていなかったため、一周期ピルを服用してお休みすることになりました。この時から抗酸化作用があり、良好胚獲得の可能性を上げるメラトニンというサプリを飲み始めました。丁度精神的にも辛い時期で、心も体も頑張ろうととする思いに追いついていない状況だったので、この時期にお休みができて良かったと思います。お休み中は好きなアイドルのライブにいったり、実家に帰省したり、義両親達と旅行に行ったりと、大分メンタルをリフレッシュすることがでしました。丁度この時期にコロナにかかってしまいましたが、幸い治療のお休み期間で良かったです。

3回目の採卵

3回目の採卵は、前回と同じ黄体ホルモン法で、投薬量が若干増えましたが、基本的なスケジュールは2回目と変わりませんでした。採卵時は今回も膀胱が少し邪魔だったようですが、ギリギリの所を穿刺してもらい、23個の卵をとることができました。精子についてはザイモート処理を行い、顕微受精を5個、体外受精を18個で受精処理をしていただきました。顕微授精についてはPICSIと卵子活性処理も行っています。
凍結できた胚盤胞は4つで、グレードは4BB、3BB、4BC(day6)、3BC(day6)でした。あまりグレードは良くないものの、1つでも凍結できた卵があってホッとしました。

2回目の移植

3回目の採卵後、生理が来たタイミングで2回目の移植周期に入ることになりました。これも前回の移植と変わらず、エストラーナテープ4枚を1日おきに貼り、約1週間後の診察で内膜の厚みとホルモンの数値を確認後、ルテウムを指定の時間に1日2回膣に挿入します。そしてルテウム開始から5日目に、1番グレードの良い4BBの卵を移植しました。
1週間後に血中のHCGを測って妊娠判定を行いましたが、結果は陰性でした。
2回良好胚を移植しても結果がでなかったため、着床不全のための血液検査と、TORIO検査を行うことになりました。

着床不全・TORIO検査

着床不全の血液検査は血液を採取するだけで終わりましたが、TORIO検査は普通の移植周期と同じスケジュールで行うため、1周期かかります。移植と同じタイミングで、子宮内膜を採取するのですが、これが結構な激痛で、採卵の次に痛かったです。自分ではなんとなく着床の窓ズレがあるのではないかと予想していたのですが、結果ズレはなく、TORIO検査では特に大きな問題はありませんした。ただラクトバチルスが88.30%と若干低かったため、ラクトレディースという経口サプリを膣内で就寝前1日1回投与することになりました。問題があったのは血液検査の方で、銅/亜鉛比率、プロテインS活性等の血液凝固系、免疫系のTh1/Th2比に引っかかってしまい、バイアスピリンとタクロリムスを投与して次の移植に臨むことになりました。
自分の不妊の原因が子宮側にもあるということが分かり、原因が分かって良かったと思う反面、ここまで検査してもダメだったら……と考えずにはいられませんでした。この血液検査で自身に着床不全があると分かり、色々調べ悩んだ結果、着床不全・不育症専門のクリニックで、もう一度検査を受けることにしました。というのも、着床不全関連の血液検査、実は採血後の処理が重要らしくほとんどの病院では正確な結果がでないようです。最初から専門のクリニックで採血しておけば…とも思いましたが、比較的早い段階で自分が着色不全であるということを知れたのは良かったと思っています。

着床不全・不育症専門クリニック受診

着床不全・不育症専門のクリニックは人気があり、予約を取れたのはTORIO検査の1ヶ月後でした。まず看護師さんとの面談があり、これまでの治療歴や投薬等に関してお話ししました。その後先生との診察にて、エコーで子宮の血流を確認してもらいましたが、こちらは特に異常はありませんでした。最後に採血をして、また1ヶ月後に結果を聞くために受診を行いました。

結果、やはり血液凝固系に異常があるということで、不妊治療のクリニックでは移植日からバイアスピリンを服用するように指示をうけましたが、私の場合それでは意味がないようで、良い内膜を作るために生理5日目からバイアスピリンを内服することになりました。タクロリムスの服用に関しては、検査結果からすると不要ではないかとのことでした。
結局異常があることは変わりませんでしたが、しっかり正確な検査結果が得られたこと、薬の服用に関しても納得のいく説明が得られたため、受診して本当によかったです。

3回目の移植

3回目の移植は生理5日目からバイアスピリン服用して臨みました。タクロリムスは専門クリニックでは必要ないとのことでしたが、やれることはやっておきたいと思い、移植2日前から服用を開始しました。今回は移植3日前に胚の培養液を注入するSEET法もオプションで行い、当日は3BBの卵を移植しました。
実は判定日の前日にフライング検査を行っておりその際真っ白だったため、期待せずに判定結果を待っていたのですが、HCGが18.6 mIU/mLで着床していることが判明しました。BT7でこの値なので妊娠継続率は約20%とかなり低かったのですが、やっと着床してくれたことが嬉しくて病院帰りについ涙してしまいました。結局この時の移植は化学流産に終わってしまいましたが、とてもショックだった反面、妊娠への糸口が見えた気がしてまた頑張ろうと思うことができました。

4回目の移植

4回目の移植は3回目と同じ投薬で、4BCと3BCの卵を2つ移植しました。元々可能性が低いとは分かっていましたが、このときは着床すらしませんでした。この時点で貯卵がゼロになってしまったため、また採卵を行わなければなりません。3回目の移植で投薬を適切に行えば着床自体は可能だと分かり、後は染色体異常のない胚盤胞を獲得する必要があったのですが、必要なサプリもすでに服用しており、もうこれ以上何もできない状況でした。クリニックによって胚盤胞作成の技術力に違いがあるのではないかと思い、他のクリニックへの転院も考えましたが、丁度その時にタイムラプスがオプションとして新たに導入されたため、今のクリニックで4回目の採卵を行うことを決めました。

4回目の採卵

4回目の採卵前にAMHを測定したのですが、7.21から4.04と大分下がっていました。ただここ1年ずっとホルモンを補充していたので、もしかしたらその影響があるのかもしれません。AMHが下がっていたため、投薬量を増やし、逆に排卵を抑制する経口のデュファストンは1日1錠に減量しました。投薬スケジュールの終盤にはかなりE2の値が高くなってしまい、最終成熟を点鼻薬のみで行うことを当初勧められたのですが、過去の採卵で未成熟卵が多かったため、HCG注射も1000単位に減らして追加することになりました。
結果22個採卵することができ、過去顕微授精の成績が悪かったためザイモート処理後、全て体外受精で受精を行っていただきました。今回は新たに導入されたタイムラプスのオプションもつけました。
凍結できた胚盤胞は4個と、採卵数の割に多くはなかったのですが、グレードは4AAが2つ、4ABが1つ、4CB(day6)1つと今までで1番いい胚盤胞を凍結することができました。

5回目の移植

3回目、4回目の移植同様、生理5日目からバイアスピリン服用、移植の3日前にSEET法、移植の2日前からタクロリムスを服用して、4AAの胚盤胞を移植しました。4AAの胚盤胞は2つあったのですが、そのうちタイムラプスのAIスコアが良い方を移植しました。グレードは良いけれどAIスコアはそこまで良くなかったため、移植後はもしこれで妊娠しなければどうしよう、とマイナスなことばかり頭をよぎりました。また着床した3回目の移植の際はお腹にチクチク感を感じていたのですが、今回は何も自覚症状がなく(おりものも私の場合は黄色いベタっとした感じで、着床サインと言われる水っぽいおりものは全くありませんでした)、今回とダメかもと落ち込んでいました。

5回目の判定

もし陰性だった場合、病院で泣くのを我慢できそうになかったので、今回も判定日前日にフライング検査を行いました。妊娠検査薬は最初真っ白でしたが、徐々に薄い線を確認することができました。翌日判定日での血液検査もHCG156.5 mIU/mLで陽性、妊娠継続率も今回のHCGの数値では約90%でした。

陽性確認後

判定日の1週間後に胎嚢確認、また1週間後に1回目の心拍確認、そのまた1週間後に2回目の心拍確認を行い、不妊治療のクリニックは卒業しました。投薬はクリニック卒業後も続き、9wでほぼ終了したのですが、現在もバイアスピリンは服用を続けています。陽性確認から卒業まで、文章にすれば短いですが、この間出血が毎日のように見られ、受診の日は毎回ドキドキで、どうか健康に元気に成長していてほしいと祈るような気持ちでした。1日1日が長く、また胎嚢確認後からはつわりも始まっていたため辛く苦しく、早く時間が過ぎて欲しいとばかり願っていました。今は安定期に入ってつわりも落ち着き、ようやく妊娠した喜びを感じています。

当初不妊治療を始めた頃は、自分がまさか体外受精まで進むなんて思ってもいなかったですし、こんなに辛く苦しい治療になるとも思っていませんでした。ただ比較的早い段階から検査を受け、原因を調べることができ、わたしの体質にしては随分早い段階で妊娠することができたのではないかと思います。
私はメンタルが弱い方で、身体的な辛さよりも、精神的な辛さの方が大きかった1年半でした。勝手に周りと比べ焦り羨み、妊娠していない自分が不幸で仕方なく思えたこともありました。母には不妊治療をしていることを話さないつもりでいましたが、先の見えない辛さに耐えられず、つい話をしてしまい、そこで母も人工授精を行っていたことを知りました。自分ばかりが不幸で思い通りにならないと思っていましたが、どんな人も表には見せないだけで様々な事情をかかえ、なんとか生きているのかもしれません。自分は本当に狭い視野で、世界をミニチュアで捉えていたなと気付かされました。
不妊治療は辛くきついものでしたが、未来が可変なように過去も可変で、この経験が必要だった、と綺麗事では語ることはまだまだできませんが、この辛い時期を何とか生き延びたのは事実ですし、不妊治療経験の位置付けは前とは少し変わったような気がします。無駄に未来を悲観せず、過去を暗く苦しい不変なものと固定的に考えず、自分にとって心地いいと思える人や場所、ことを大切にしながら、大丈夫、いつかきっとここを超える日が来ると強く信じていけば、意外とどうにかなっているのかもしれません。
そしてこれから訪れる出産、子育て。大変で愛おしい日々を楽しみにしながら、1日1日を大切に楽観して過ごしていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?