Substance Designer 木のマテリアル その1

僕の作り方はマテリアルの特徴を作るパートと、ノイズを足してリアルさを高めるパートの二段構成になっています

木材の特徴

木の特徴といえば

  • 年輪

  • 年輪の間の繊維部分

がメインとなります
木材は長さのあるものが多く、比較的まっすぐな幹の部分が用いられるので、使用するノードも直線やそれに準ずるものから始めると作りやすいです
今回は年輪にグラデーションの幅を持たせたかったのでグラデーションをタイリングしたものからスタートします
これに繊維の直線要素を追加するためにAnisotropic Noiseを追加します

Directional Warpで歪みの作成をしていきます
自然な歪みにしたいのでコントラストがきついノイズではなくなだらかな勾配のperlin noiseを使用しますが、このままでは白い部分も黒い部分も天のような状態なのでtransformノードで縦に引き伸ばします
Directional Warpは色の白い部分ほど大きくゆがむので、transformの引き伸ばし具合で木目の曲がり具合を調整できるようになります
大きなゆがみを付けた後、目の細かい歪みを追加するとリアリティが増します
大きなゆがみと同じように横方向にゆがませてもいいのですが、ここは縦方向に追加することでより複雑な印象にします
ノイズの白い部分を下から上方向に歪ませたいのですが、下端は動いた分画面外のものが入ってくることになるので、下端を固定する為に黒を追加しておきます

結果として図のような白黒イメージが出来上がりますのでこれをハイト(ノーマル)、ラフネス、カラーへと振り分けていきます
基本的に出っ張った部分はこすれたりかけやすかったりし、マテリアルの組成としても異なる材質だったりするので形状から作っていった方が情報が整理しやすくなります

色の濃い年輪部分は細胞の成長スピードが遅く密度の高い部分なので高さは低めであるとして、木材として程よい加減になるようにlevelで調整します

色の薄い繊維部分は密度が低いため加工の際圧縮されたり、カンナなどがかかりやすいと考えラフネス値としては低めであると想定して、これもlevelで調整します
色の濃い部分をラフネス値低めにしているので白黒逆転しています

gradient mapで色を付けます
gradient mapは白黒の度合いによって任意の色に置き換えるもので、基礎的な色付けによく使用されます
とても便利なノードですがsubstance painterに機能がないため、後から調整できるパラメーターとして外に出すことができません
今回はシンプルに一番濃い色と明るい色のみを指定しています

この段階でマテリアルとしては8割完成しているので、ノイズを足してリアルさを上げていきます
ミクロな視野(原子、分子レベル)でいえばどんな工業製品であっても完全に均一な状態というのはあり得ないですし、自然界にあるものであれば細胞レベルで組成のばらつきがあるはずで、そのばらつきは色味やラフネス値の差として出てくるはずです
どこに保管され、どのような歴史をたどってきたのかという情報もリアリティを付与するうえで重要になります
乾燥した場所なのか湿度の高い場所なのか、雨風は当たるのか、物はぶつかるのか、人が踏むのか、頻度はどれくらいなのか
傷や泥のような汚れであれば当然ハイトにも影響があるでしょうが、逆にうっすら積もったほこりなどは厳密には高さがあるとはいえ、その高さによる影やハイライトは知覚できないので無視してしまって大丈夫だと思います

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?