見出し画像

Mituの比較配信で表示されている登録者数が急激に上下する理由

Xi Flashlightと申します。YouTube上で人気のあるYouTubeチャンネルの登録者数などをリアルタイムで表示する配信を行っています。

配信画面 (2024年5月25日)

この配信チャット内で誰かがマイルストーン(節目が一番近い意味で、一定の数字に到達すること)を達成しようとしている際に起こりがちなコメントというのが、

  • 「登録者数急に減ってるんだけど!?」

  • 「急に2万人増えたのか」

  • 「登録者数買ってる?」

  • 「不正確すぎるでしょ」

というような、登録者数が急に増減すること関連のコメントです。
どうしてこのような登録者数が激変するようなことが起こるのか?ということを解説していきたいと思います!

(Mituの比較配信からきた方へ、いつもこのような状態になるとき、ご覧になってる全ての人に申し訳なく思うので、できれば最後までお読みいただき、他の人方にこのことについて教えていただけると嬉しいです)

前提

一般に、YouTubeの登録者数を正確に取得することは不可能です。

正確な登録者数とYouTube上で表示される登録者数の違い

この画像のように、YouTubeの登録者数は、上3桁までを正確な登録者数と同期し、上3桁未満の桁をズバッと切り捨てます。これによって、正確なのは最初の3桁までということになります。

これには例外もありますが、

  • YouTube Studio の登録者数の画面を公開する

  • YouTube Studio の プログラマ用URL (API) を用いて登録者数を別のサイトなどに公開する

といったように、YouTube Studio を用いない限り正確な登録者数は表示されません。これを 登録者数の省略表示 (abbreviation) と呼んでいます。

このシステムは2019年9月に導入され、登録者数を表示するYouTubeライブの配信者に大きな影響を与えました。詳細はこちらから。

登録者数の省略表示の例 (3桁人~9桁人)

推測表示

登録者数の省略表示によって、登録者数の増減が一定の単位ごとしか更新されなくなった登録者数。ずっと同じ数字を見ていても面白みはありません。(あったら申し訳ない)一般に式で示してみると下記のようになります。

登録者数が$${n}$$桁の時,
$${n-2}$$桁目までは正確で,
$${10^{n-3}}$$万人ごとに更新

例えば、$${n=7}$$, すなわち登録者数が100万人~999万人の区間では、1万人増えるごとに登録者数が増えるように見えるわけです。

1人単位で推移する実際の登録者数と、1万人単位で推移する省略表示の例

上の図で言えば、私たちが見れるのは一般公開されている省略表示(青の線)で、これだけしか情報が与えられなければ、いつ登録者数が1万人増えるのか、はたまた減るのかというのを知る方法はありません。

そこで、少なくとも過去の登録者数の増減や再生数に基づいて増加する速度を決定し、できるだけ実際の登録者数と近づけられるようにすることを 登録者数の推測 (estimation) と呼んでいます。

先ほどの図に、登録者数の推測のグラフを加えたもの

これによって、数字に動きが生まれ、私たちからでも「あと何時間で~登録者に到達しそうだ」などといった個人での推測も可能になります。(推測の推測はもしかしたら精度が良くない可能性もありますが)

このような登録者数の推測を行ってデータを提供するウェブサイトやサービスもいくつかあり、それを用いてMituの比較配信が存在することが可能になっているというわけです。以下に例を示しておきます。

本題

ここでようやく本題に入れます。😂
この登録者数の推測ですが、メリットがあればデメリットもあります。
それが、登録者数が急激に上下に動く理由です。先ほどの図に書かれた番号順にその仕様(?事象?)を説明していきます。

① 登録者数が急激に上がる

①の付近のグラフでは、登録者数の推測が省略表示(と実際の登録者数)に交わるように線が軸に垂直に伸びていますね。

これはすなわち、実際の登録者数がマイルストーンに達し、それに伴って私たちが見えている省略表示が更新され、それに登録者数の推測を合わせているということなんです。これを、上方修正 と呼んでいます。

上方修正が行われたその瞬間は、登録者数が最も正確な瞬間です(これは実際の登録者数=省略表示となるから。)

② 登録者数が急激に下がる

②の付近のグラフでは、登録者数の推測が少し下に戻って、速度を落としながらまた昇っていますね。

これは、登録者数の推測が実際にマイルストーンに達するより早く到達してしまったことから、一度下げて登録者数の推測をより実際の登録者数に近づけているんですね。これを、 下方修正 と呼んでいます。

これが行われたとき、今までの数字は実際の登録者数より不正確であったということを示しています。また、その時に修正した速度も実際の登録者数の速度と大きく異なった場合、さらに実際の登録者数より不正確になっていくというのが一番厳しいポイントです。

結局、実際の登録者数が分からない以上、推測には限界もあり、何度も下方修正が起きてしまうことがあります。

③ 謎の速度調整

③の付近のグラフでは、別にマイルストーンに接近もせず、前触れもなく速度の調整が行われていますね。

これは、このデータを提供している人による登録者数の補正である場合が大きいです。(仕様というより操作ですね)

登録者数を推測する元となるデータは、登録者数だけでなくても、そのYouTubeチャンネルで行われたイベントや、動画の再生回数の増減などにもできます。

これより、実際の登録者数と非常に大きな差があるだろうと判断した場合に、速度が調整されたり、あるいは登録者数が上方・下方に修正されることもあります。

終わり

いかがでしたでしょうか。これで何となく登録者数の推測の仕様を理解し、このような事象が起きる理由に納得していただけたら嬉しいです、というか本望です。

今回が初回の執筆で、文字やグラフなど、多少見づらい所があったかもしれません。その関連でもよいので、是非コメントを残していただけると今後の参考になります。

ではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?