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滴滴(Didi)「赤字」に見せかけるの裏事情

「大手配車アプリ滴滴は2000人リストラ」のニュースはもう2週間ぐらい拡散してます。正直言うと、中国では衝撃的なニュースではありません。逆にリストラ条件は優れ過ぎて、羨ましがれるぐらいです。

昨日、滴滴(Didi)は日本語の記事で「中国ライドシェア首位の滴滴が2000人リストラ。2018年のレイプ殺人事件で業績悪化」として報道されました。執筆した浦上さんは中国も日本も長い、情報の伝い方は私より上で、私の憧れの先輩です。記事も手元の情報をちゃんとまとめ、きちんと出来ました。

しかし、中国の未上場企業は情報を公開する義務がないから、ちゃんとまとめても、事実の一面しか捉えていないの可能性が相当高いです。

今回リストラと共に発表したデータ、創業者が今までの取材で少しずつ漏らした情報、滴滴(Didi)を実際に使った経験(ドライバーとの話、ドライバー版アプリの確認も含め)、滴滴社員との話、モビリティ業界アナリストと相談に合わせ、この記事を書きました。書かれたことについて、知っている人が多少いるですが、表に出ない、つまり中国でも報道されていないのことです。

まず、日本で報道された「業績悪化」には認められません。赤字でも、リストラでも、中国語の記事にも「業績悪化」のような重いワードは使いませんでした。
去年にドライバーが乗客の女性を乱暴して殺害する事件が発生した、この原因で「順風車」(Hitch、ドライバーと相乗りサービス)は無期限業務停止になりました。計画だった「出前事業」や「金融(主に保険)事業」などいろんな新事業も一旦停止になり、所属の社員はリストラになります。
現在、滴滴はヨーロッパや南米進出で現地人材を募集しています。中国で「配車業務」や「拼車業務(乗客同士相乗り)」は独占に近い地位を築いて、「爆稼ぎ」とも言えます。2018年度1日平均マーチング数は公開していないけど、2017年度に創業者のスピーチに遡ると、平均1日2500万回のマーチングでした。2018年順風車業務停止になっても、平均1日2000万回以上のマーチングを考えられます。1回のマーチングで100円を稼ぐと計算すると、1日だけて20億円の手数料収入が出ます。

また、滴滴が発表した「赤字」には信用できないと思います。
ご存知の通り、未上場企業なら、会計手段でわざと「赤字」になる方法はいくらでもあります。
滴滴は「ドライバーに奨励金113億元を投入」を「赤字」と共に発表し、奨励金が高いだから赤字になることを見せかけようですが、実はドライバーからもらった「収益配分率(滴滴の手数料率)」はめっちゃくちゃ高いです。近年には「収益配分率」は公開していないけど、2年間半前のUber中国事業を買収したごろに遡ると、「収益配分率」は20%でした(近年下がったの情報がありません)。因みに、「爆稼ぎ」と思われるアリババ「天猫tmall」の収益配分率(天猫tmallの手数料率)は5%。

「収益配分」20%より酷いのは、ドライバーがもらった金額と乗客が払った金額には「差」があります。例えすると、私が30元で乗車しました、ドライバー版アプリで今回の収入を28元で提示され、また手数料の20%を引いて、最後にドライバーが28元*80%=22.4元を得ます。滴滴の収入は「28元*20%+隠された2元=7.6元」。乗車代は乗車の後に確定され、ドライバーと乗客もう別れてしまい、「差」があることをお互いに承知されてないです。

収益配分率が高い、提示された金額に差があるより酷いのは、「拼車(乗客同士相乗り)」を利用するとドライバーは一人の収入しか得ません。「相乗り」とは、同じタイミングで目的地が近い乗客は二人や三人おり、二つや三つのマーチングで車一台に乗車することです。また例えすると、配車マーチング成立が難しい時間帯に、普通に配車料金30元の距離で26元で相乗りマーチングができました。私が26元を払って、もう一人の方も26元前後を払って共に乗車、近い場所でそれぞれ降ります。ドライバーが今回30元ぐらいの収入を提示され、またその80%の24元ぐらいを得ます。滴滴はマーチングだけで、ドライバーの倍以上の収入(26元+26元ー24元=28元)になります。そして、滴滴の誘導及び配車マーチング成立が難しいなどが原因で「拼車業務」は伸びる一方です。

合わせて考えると、滴滴の「収益配分」は30%を超えと推測、奨励金などは利益のほんの一部分を返すだけです。
滴滴は確かに安全対策への資金投入が大きく、「白タク」への罰金は全負担をしてます。金額は不明ですが、本当の「赤字」にはならないはずです。

最後、滴滴は財務投資や戦略投資にも積極的に行っています。2018年度だけで、こんなに…

中国投資業の企業平均評価額は日本の3倍以上なので一件当たり投資金額も日本の約3倍、滴滴は「并购」(買収)も行うし、投資金額は不明ですが、合計数億ドルから数十億ドルと推定されます。因みに、ソフトバンクが出資したドイツの「OYO Rooms」は今月に滴滴から1億ドルの投資を受けました。
これは業績悪化、赤字に非常に苦しんでるの企業の行動には考えられないです。

中国の皆様はもう滴滴から離れられないことを活かし、未上場企業の財務開示自由度を活用、会計手段でわざと「赤字」にしていると思います。苦労話をし、ライバルに油断をさせ、政府関係部門からも同情をもらい、社員にボーナスと待遇を減らし(以前は高すぎた)、市場独占近くて爆稼ぎるのが実情と思います。

私は滴滴の愛用者で、滴滴爆稼ぎでも立派な企業だと思います。しかし、日本人の方々には、「中国企業がこんなに規模拡大でも、経営に苦しんでいるや全然稼げない」のような不正確な情報を伝えたくないです。

余談ですが、先日、NewsPicks社の川端さんと電話で話し、日本語の記事で現地のことを紹介すると違和感があると話しました。私は「実は、中国の記事でも時々違和感があります。」と話したら、川端さんはちょっとびっくりしました。私が本当に言いたいのは、企業が我々に見せたのは、事実の一面しかありません、その裏の一面を追及するのが、メディア関係者やVC関係者の共通点でないといけないと思います。これは4年間VC経験から得られた貴重な「思考力」です。

「中国」および「VC/創業/資金調達」について発声を続けます。
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