日本馬世代別国内古馬ダートG1勝利
※基本手動で調べて記録しているので記録漏れや世代間違えが起こっている可能性があります。
※基本的にはフェブラリーSのG2昇格後1994年以降を主に扱いますが、それ以前も調べてはいます
※後のG1(Jpn1)競走の前身レースを当時のG1相当と想定して捉えます
国内ダートG1(Jpn1含む)一覧
■中央ダートG1
・1997~1999年:1種 フェブラリーS昇格
・2000年~:2種 ジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)新設
■地方ダートG1
・1997年:3種 (東京大賞典、帝王賞、マイルCS南部杯)
・1998~2000年:4種 川崎記念昇格
・2001~2004年:6種 JBCクラシック、JBCスプリント新設
・2005~2012年:7種 かしわ記念昇格
・2013~2023年:8種 JBCレディスクラシック昇格
・2024年~:9種 さきたま杯昇格
■G1中央地方合計
■後のG1相当レース数(~1996年)
国内ダートG1完全制覇世代
ダート馬は芝馬よりも現役・ピークが長い傾向がある上に、G1が行われる距離の種類も基本的に少ないので適性差も芝に比べるとあまり大きくないため、強い馬が現れると長年無双しやすいのですが、意外とG1完全制覇している世代は印象よりは多くありません。
例えば、2000年世代はアグネスデジタル、イーグルカフェらを擁しつつ東京大賞典のみ未勝利。
2002年世代はゴールドアリュール、アドマイヤドンらを擁しつつ、ジャパンカップダートのみ未勝利。
2005年世代はカネヒキリ、ヴァーミリアンらを擁しつつマイルチャンピオンシップ南部杯のみ未勝利。
他のG1は同世代で独占する勢いで勝ってる年がありながらも、完全制覇を微妙に逃しています。
1993年世代(1990年生) ホクトベガなど ※G1制定前
厳密には国内ダートG1のない時代でしたが砂の女王ホクトベガを擁する1993年世代が当時の国内ダート主要重賞を完全制覇しています。
1995年世代(1992年生) アブクマポーロ、コンサートボーイなど
アブクマポーロを筆頭に1998年はこの世代だけでほとんどの国内ダートG1、主要重賞を独占しています。(後述)
かしわ記念は当時指定交流競走ではあったもののG1ではなく、ちょうど国内ダートG1路線が整備され始めた1997年度からこの世代が台頭してきたという運もありました。
1998年世代(1995年生) ウイングアロー、ワールドクリークなど
1998年世代は芝路線に名馬が多く豪華で、史上最強世代と呼ばれたことで有名ですが、ダート路線は春秋ダート制覇のウイングアローがいるものの、ダート路線の重要度が低い時代だったせいもあり、目立たない印象です。
しかしこの世代は、実は芝路線も当時存在した国内古馬G1全てに勝ち馬を輩出した稀な世代でありながら、ダート路線でも国内古馬ダートG1完全制覇を達成している世代となっています。
この世代が5歳時の2000年から新設されたジャパンカップダートも制覇しています。
またG3時代のかしわ記念(2005年からG1昇格)も2001年に同世代タマモストロングが勝っています。
ダートG1完全制覇とはいえどのレースも1回しか勝ち馬が出ておらず、この効率の良さから言うと世代が強いというより時代と運の恩恵もありますが、芝ダート、中央地方含めた当時存在した平地G1級競走を完全制覇している唯一の世代としてその記録は際立ちます。
ちなみに障害G1(J・G1)も1999年新設の中山グランドジャンプ(旧中山大障害・春:~1998年)こそ勝ち馬を出せませんでしたが、中山大障害はこの世代のランドパワーが制しています。
2008年世代(2005年生) スマートファルコン、エスポワールシチーなど
エスポワールシチー、スマートファルコンと歴代最強ダート馬を争う2強を擁した2008年世代は納得の完全制覇を達成しています。
通算古馬G1勝利数も最多タイであり、記録上最もダート史上最強世代に近い世代だと思います。(後述)
※2023年現在未達成(残り2種)も今後期待される2020年世代(2017年生)
2020年世代(2017年生) ウシュバテソーロ、カフェファラオ、メイショウハリオ、テーオーケインズなど
ドバイワールドカップ勝ち馬ウシュバテソーロも輩出したこの豪華世代ですが、JBCレディスクラシックとJBCスプリントのみ勝ち馬が出ていません。
今後はさらにダートG1が増える可能性があり、強い馬がいてもサウジやドバイなど海外に行く傾向が強いので、世代完全制覇の難易度は上がっていきそうです。
★参考 1994年以前&交流重賞制定以前
・1955年~1977年 川崎記念&東京大賞典 2種時代(年間完全制覇)
・1978年~1983年 川崎記念・帝王賞・東京大賞典 3種時代(年間完全制覇)
後のG1競走となる地方重賞のこの当時のレベルや地位は詳しく分からないところですが、オンスロート(1960年世代<1957年生>)は後に中央競馬に移籍し天皇賞や有馬記念などを勝ち年度代表馬になる名馬ですが、地方競馬時代1960年に秋の鞍(後の東京大賞典)を制しており、地方年度代表馬になっています。
そこからも当時から東京大賞典のレベルや地位がG1相当に高かったことが想像できます。
・1984年~1988年 フェブラリーH(G2)創設 4種完全制覇
中央芝G1ジャパンカップでシンボリルドルフの2着にも入っているロツキータイガー(ロッキータイガー)が有名ですが、カウンテスアップが世代最強馬でしょう。
・1989年~かしわ記念創設、1994年~フェブラリーS G2昇格
この期間に完全制覇した世代は出ませんでした。
国内ダートG1最多勝利世代
3世代が19勝の同数で並んでいます。
2005年世代(2002年生) カネヒキリ、ヴァーミリアン、ボンネビルレコードなど 19勝
2005年世代はカネヒキリとヴァーミリアンの2強という感じで、史上最強世代有力候補の1つですが、南部杯だけは勝ち馬を出せませんでした。
カネヒキリ、ヴァーミリアンともに南部杯に出走歴がなく出走していれば勝っていたかもしれません。
しかしG1勝利数は最多タイで強さを証明しています。
2008年世代(2005年生) スマートファルコン、エスポワールシチー、サクセスブロッケンなど 19勝
前述の完全制覇と合わせて、この世代が総合的には国内ダート史上最強世代といえそうです。
芝路線では2008年世代としてはキングカメハメハ以来の変則二冠馬ディープスカイが古馬G1戦線で好走し続けて強さを証明しつつも勝てなかったこともあり、古馬G1勝利数がかなり少なく、ダート路線は史上最強世代最有力候補でありながら芝路線はあまり目立たない世代でした。
スマートファルコンは中央馬でありながら地方重賞・G1で圧倒的な強さを見せつけながら、中央ダートG1は何故か未出走で終わっており、中央G1にも参戦していたらもっとG1勝利数は伸びていたかもしれません。
2013年世代(2010年生) コパノリッキー、サウンドトゥルー、ベストウォーリアなど 19勝
日本歴代最多G1勝利数を誇るコパノリッキーだけでG1を11勝している世代が最多タイに並ぶ19勝。
コパノリッキーはラストラン東京大賞典も7歳で制しており、現役を続けていたらさらに自身そして世代のG1勝利数を伸ばしていた可能性があります。
牝馬にも強い馬がいる必要があり運も大きいJBCレディスクラシックはまだしも、川崎記念に勝ち馬を出せず完全制覇はできませんでした。
ちなみにコパノリッキーは距離の問題もあるのか川崎記念に出走歴がありません。
★世代別古馬G1勝利数ランキング
国内ダートG1年間勝利数(勝率)
1998年…1995年世代(1992年生) アブクマポーロなど 6戦5勝 勝率.833
南部杯では水沢の怪物・メイセイオペラに3着アブクマポーロ、2着タイキシャーロック(ともに1995年世代)らが敗れてしまいましたが、勝っていれば同一世代による国内ダートG1年間完全制覇でした。
2023年現在に至るまで同一世代による古馬ダートG1年間完全制覇は達成されておらず、もっとも惜しかった年でした。(G1相当レース数が2~4種の時代には年間完全制覇多数:1994年以前&交流重賞制定以前に前述)
2007年…2005年世代(2002年生) ヴァーミリアン、ボンネビルレコードなど 9戦7勝 勝率.778
2007年の翌年もカネヒキリが復活し、9戦6勝、勝率.667と2年連続でこの世代の強さを見せつけています。
勝率.778を記録してる年は世代最強馬カネヒキリが故障休養中の間の記録ですからいかにこの世代が強かったかを表します。
2010年…2008年世代(2005年生) スマートファルコン、エスポワールシチーなど 9戦6勝 勝率.667
スマートファルコンが中央G1に参戦していれば、もっとこの世代でG1を独占できたかもしれません。
エスポワールシチーとスマートファルコンの2強がいた割にはカネヒキリ、ヴァーミリアンの2005年世代より年間の無双具合は大人しいです。
2022年…2020年世代(2017年生) テーオーケインズ、ウシュバテソーロなど 10戦7勝 勝率.700
フェブラリーS連覇のカフェファラオに中距離路線はテーオーケインズ、メイショウハリオに翌年ドバイW杯を制するウシュバテソーロとかなり層が厚い最強世代です。
通算G1勝ち数は歴代最多タイに並ぶまで現状あと5勝足りませんが既に十分歴代最強世代の有力候補といえる豪華世代です。