前走・前々走が体重減の馬は有馬記念連対できないというジンクス

体重の常識を覆したスペシャルウィーク

1999年ジャパンカップでは前走の天皇賞秋、-16kgという大幅な体重減のスペシャルウィークが散々な下馬評の中でレコード勝利のおまけ付きで優勝。華麗なる復活を見せました。

次走ジャパンカップでは流石に増やすかと思いきや、ここでも-2kg。2戦連続の体重減
ここでは天皇賞秋以上に余裕のレース運びで快勝。並み居る強豪海外勢を一蹴し、格の違いを見せつけてG1連勝。この時点で当時の通算獲得賞金額歴代日本一&世界一になってもいました。

その時に井崎脩五郎氏が言ってたのが「昭和50年(1975年)以降、前走・前々走マイナス体重の馬は1度も有馬記念で連対したことがない」という話。
スペシャルウィークはこの後の有馬記念でもさらに-2kgと3戦連続体重減
前走・前々走どころか当日含む3戦連続体重減でしたが、実質的には優勝と言える体勢有利ハナ差2着で連対を果たし、ジンクスを破りました。

そこで、スペシャルウィーク以降にこの同様の条件、前走・前々走が体重減の馬が有馬記念で連対したことがあるのかを調べてみました。

前走・前々走が体重減で有馬記念に連対した馬(2000年以降)

調べるの結構面倒臭いので1975年~1999年については井崎氏の言うことを信用して、スペシャルウィーク1頭のみとします。

2000年 2着 メイショウドトウ 牡4

早速出てきました。メイショウドトウは天皇賞秋-2kg、ジャパンカップ-2kg。当日は+8kgの2戦連続体重減で有馬記念を連対しました。
こちらもスペシャルウィークと違って体勢有利ではないですがハナ差2着と惜しい内容での2着でした。

メイショウドトウは2000年の宝塚記念(天皇賞春未出走)から翌年の宝塚記念までG1競走6戦連続連対(5戦連続2着、6戦目に優勝)という記録を持っており、G1勝利こそ1勝止まりでしたが、G1競走6連勝9連続連対テイエムオペラオーに次ぐスーパーホースだったと思います。
スーパーホースだったからこそのジンクス破りだったのだと思います。

2020年 2着 サラキア 牝5

サラキアは前々走-2kg、前走-4kg、当日も-2kgとスペシャルウィークに並ぶ3戦連続体重減での連対。これが引退レースでしたが、前走のエリザベス女王杯も2着でキャリア終盤にG1を連続連対と晩成の傾向があった馬なので、もしかしたら本当はやっと全盛期を迎えた所だったのかもしれません。

2000年にスペシャルウィークから2年連続でメイショウドトウがジンクスを破って連対したものの、その後はまた20年ジンクスを破る馬は出てないので、確かに前走・前々走が体重減の馬の連対はかなり少ないということが分かりました。
そもそも過酷なローテーションを組む馬が減っている昨今の状況も考えると前走、前々走体重減で有馬記念に出走すること自体が少ないかもしれません。
今よりは過密ローテーションを組むことが多かった90年代以前ですら、ジャパンカップを飛ばして天皇賞秋から有馬記念というローテーションを組む馬が多かったほどでした。

連対馬を調べていると逆に2~3戦連続体重増で好走してる馬は散見するので、冬枯れの中山競馬場ということもあり、消耗した体よりも余裕のある体調で出てきた方がいい傾向はあるのかもしれません。

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