人の柵の糸
花が咲き誇る丘に立ち
風が髪をなびかせる中で
私は独り、立ち尽くす
その丘は人々の柵となり
何もかも閉じ込められた箱庭
目を閉じても聞こえる
息をする音、遠くに響く声
それは一つ一つの糸となって
身体を巡り、心に刺さる
手を伸ばせば届きそうな距離で
でも触れられず、離れていく
私たちは生まれた時から結ばれている
互いに支え合って生きている
けれど、人々の柵は厚く重たく
自由に動けない私たちを押し殺す
この糸が断ち切られる日まで
私たちはただ立ち尽くすしかない
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