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スマホからでも参加できるオペブイのVR会場で二次創作のオンリーイベントを主催したお話

2022年3月20日(日)にVR形式の同人誌即売会プラットフォームである「OperationVR: EXHIBITION(通称オペブイ)」を利用した二次創作作品のオンリーイベントを開催しました。こちらのnoteはどのような会場なのかを、オペブイを知らない方向けにざっくりとメモしています。

ジャンル概要&開催したかった理由

ジャンル:7年前に3DSゲームおよびアニメが展開された作品
規模:30sp満了(感謝御礼)
主催スペック:イベント主催は初めて、アンソロ主催経験もなし

上記の通りジャンル規模は大きくありません。また自分が主催未経験のため、とにかく無事に開催できることを目標に企画などは最小限にとどめました。

開催の理由としては、
1. 未だ状況が厳しいコロナ禍でオンリーイベントを復活させたい
2. オンライン同人誌即売会が盛況な今だからこそやっておきたい
3. 今は別ジャンルで活動している方も、オンライン同人誌即売会なら既刊持参で参加してくれるのではないか
4. 原作の舞台が電脳空間のため、できればVRっぽい会場がいい

あたりです。サ終した作品のジャンルでは時間が経つにつれ他作品をメインジャンルとして活動する方が多くなります。現実のオンリーイベントだとなかなか現地会場まで赴いて参加する作家さんは減ってしまうのですが、オンラインであれば手軽に既刊持参で参加できるため、現実のイベントより参加率が上がる可能性が高いと判断しました。

あと特に原作との親和性は重要な理由で、原作がバーチャル空間を扱った世界観のため、VR空間が「聖地」に該当します。ある意味現地開催と同義のため、今回はメジャーな同人誌即売会プラットフォームのpictSQUAREではなく、VR会場のOperationVR: EXHIBITION(以下オペブイ)を採用しました。

会場サイトはこちら↓


オペブイって何ができるの?

神秦ゆうまさんという個人の方が趣味で開発しているVR形式の同人誌イベントプラットフォームです。現在は有志の方数人のメンバーで運営しており、3ヶ月間隔くらいでオールジャンルイベントが開催されています。なお利用者は18歳以上(ただし高校生不可)に限られます。また一般参加もサークル参加も無料です。


OperationVR: EXHIBITION(以下オペブイ)の大きな特徴としては、

・VR(3D)だけどPNGのペラ画像を設定するだけで3Dの設営ができる
・通販先は現在使用しているとら、メロン、BOOTH、ピクスペなどをそのまま利用できる
・等身大のキャライラスト(スタンディ)を会場に設置できる
・スタンディをAR化できるので推しを好きな場所で撮影できる

があります。VRとか3Dとかいうだけで尻込みしてしまう方が多いですが、オペブイはスマホからでもサークル設営や一般参加が可能です。
実際自分のスマホは2017年発売のiPhone8(メモリ2GB)ですが、入場して自由に会場を歩き回ることができます。「未来の技術はすごいなあ」ではなく、今すぐ遊べるメタバース会場だということをまず知っていただきたいです。


会場や設定画面のおおまかな説明

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オペブイは会場も机も最初から用意されているため、主催が3Dデータを作る必要はありません。今回は教室モデルの会場をお借りしました。また1ホールあたり30sp程度のため教室会場だけでもいいのですが、歩いて訪れるような気分を高めるため、グランピング風のロビーも用意しました。
会場は他にもスパリゾートやクリスマスマーケットなど、現時点で15種類の中から選ぶことができます。


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借りた会場にサークル参加者のスタンディや装飾を設置します。実際に設置した様子が上記の画像です。各所にいるのがサークル参加者様からご応募いただいたスタンディイラストです。スタンディも置きたい場所をクリックして設置する操作方法なので、3D知識がない人でもかんたんです。(スタンディ以外の画像や装飾を増やしたい場合は、ちょっとだけA-frameの知識が必要になりますが、かんたんなものならコピペでいけます)

ポップ説明

ちなみにスタンディイラストの仕様は1024px × 1024pxの背景を透過したPNG画像です。サークル参加者様からスタンディイラストを募り、会場設置時にサイズ(身長)を指定します。


サークル参加者の準備の様子はこんな感じ

画面説明

サークル参加者の設定画面はこんな感じです。
会場はVRですが、すべての画像はブラウザから画像をアップロードするかたちで登録ができます。


設営説明01

設営データの設定画面です。(SとDの操作説明が間違ってるけど気にしない)
規定サイズのPNG画像をアップロードすると下のプレビューウィンドウに3Dで表示されます。オペブイ側でフリーの設営素材も用意されているので設営データを作るのが面倒な方でも安心です。


ネップリ設定説明1

ネップリ設定説明2

見本誌はグッズと冊子どちらも登録ができます。見本誌は表紙と本文サンプルの登録が必要なため準備する枚数が多くて大変ですが、実際に会場で開くとかなりリアルで楽しいのと、次回のオペブイのイベント参加のときにデータを引き継げるのでとても楽です。


こちらが設定した見本誌を実際に会場で読むときの動画です。
サークル設定画面でも総合プレビューから自スペの設営を確認することができます。


当日の会場の様子

実際の会場の様子は動画をご覧頂くのが一番わかりやすいと思います。自分はPCからWASDキーで操作していますが、スマホだとジャイロセンサーが働くので、スマホを動かしながら実際に会場内を移動することも可能です。

特徴1:推しのスタンディが置ける

ロビー(入り口)の様子です。グランピング会場は本来いくつかホールを設置できる都合で複数のドアがあるため、来場者が迷わないように看板を設置しました。会場のところどころに立っているスタンディをタップするとメッセージを送ることもできます(後述)。また入口付近にある筐体はBlender知識ゼロの自分がA-frameの記述を使って手打ちで制作したオブジェクトです。かんたんな形状ならBlenderでなくともメモ帳で手打ちで作れます。


配置図大1

当日の教室会場の配置図です。サークルの配置部分(机・椅子)はオペブイの主催管理画面からまるっとダウンロードすることができるので、あとは自分で作った空の会場マップに貼り付けるだけでサークルマップが作れます。


特徴2:撮影範囲を決めることができる

こちらが本会場の教室内を歩く様子です。配置図にも記載がありますが、オペブイでは各サークルごとに撮影許可範囲が定められており(下図参照)、ブースの撮影OKのサークル様のエリアのみ映しています。会場が狭く感じますが、当たり判定がないので壁やスペースを通り抜けても大丈夫です。また敷布の端にも撮影許可範囲のアイコンがあるためわかりやすいです。
※当イベントではありませんでしたが、撮影NGもちゃんと選べます。

前日説明_撮影レベルについて


特徴3:匿名も選べる定型メッセージ

スタンディのイラスト、または各スペースにあるハートのオブジェクトをタップすると定型メッセージを送ることができます。メッセージは3つの語句の組み合わせで送れるので、語彙力がない方でも安心ですし、悪意のあるメッセージは作れないようになっています。さらに匿名も選べるので、誰でも気兼ねなくメッセージを送ることができます。


特徴4:気を使わないアバター

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気兼ねなくといえば、オペブイの会場には個別のアバターがありません。全員白い人型(通称ヨリシロくん)になります。一見味気なく見えますが、誰が誰だかわからないのでえっちな見本誌も躊躇することなくじっくり読めますし、おもしろシーンのスクショも撮影しやすくなっています。また見本誌を呼んでいるとハートマークが浮かぶようになっているため、自スペで遭遇した時はとても嬉しくなります。アバターの匿名性に関しては、自分は他のオンラインイベントだとサークル主がブースにいると緊張して近寄れないタイプなのでとてもありがたい仕様です。

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たとえば撮影用のスタンディイラストを設置するとこうやって記念撮影もできます。(これは他の人と偶然に混浴してしまった写真)


特徴5:ARスタンディで遊べる

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イベント会場に設置したスタンディのイラストは後日運営側でAR化してもらえるため、色んな場所で撮影が楽しめます。2週間程度の期間限定ですが、推しキャラを現実で撮影できるのは画期的です。個人でもARって出来るんだなとおどろきました。


番外:その他オペブイ外の企画

オペブイのオールジャンルイベントでは、事前にレシピを配布して当日に同じグルメを用意して楽しもう!という屋台グルメ企画が存在します。この企画では毎回オリジナルステッカーを配布し、作ったグルメや飲み物にステッカーを添えて撮影するのですが、そのアイデアを少しアレンジして「全国各地のご当地銘菓を撮影してツイートしよう!」という企画の撮影用アイテムを作りました。

物産展企画説明2

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用意したプリントデータと撮影サンプルです。パーティーピックとランチ旗とランチョンマットがあるだけで推し作品のコラボカフェ気分が味わえます。特にイベントロゴやキャラクターを添えたパーティーピックが大変好評でした。パーティーピックに関しては下記のローソンの記事を参考に制作しましたので、ぜひ他のオンリーイベントでも活用してみてください。


イベントの賑わいはどうだったのか

肝心の賑わいですが、一般参加者の申込みがおおよそ50名程度あり、新刊を発行したサークルはもちろん、ネットプリントの点数も30点ほどありなかなか好評でした。こういったVRイベははじめての方がほとんどのため、操作方法やよくあるトラブルの説明をツイートした甲斐もあったと思います。また今回は香港と台湾からのサークル参加者もいたため、中国語版の説明も用意したりなど、とにかく迷わないよう気軽に質問しやすい空気を心がけた結果、特に大きな問題もなく、会場に入れないという方は観測範囲ではいませんでした。

前日説明_操作方法


参考に当イベントのサークル参加構成比ですが、半数以上がWeb上での同人誌即売会に初参加、逆にオペブイの参加経験があるサークルは1/4以下でした。あくまで自分が把握している範囲なので、別アカでピクスクなどに参加したことがある人もいるかもしれませんが、Webイベに不慣れであってもVRイベントはそんなにハードルは高くないというのがわかると思います。(ちなみにスマホのみでサークル参加した方もいました)

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肝心の売上はどうなのよ

ここは現実の同人誌即売会と同じく、新刊を出したサークルと既刊のみのサークルでかなり差があると思いますが、主催スペースに関しては用意した記念グッズが早めに完売したのと、ネットプリントも今まで見ない枚数が印刷されていたので上々だったと言えます。

またこれは予想外の効果だったのですが、今回サークル参加をしていない作家さんの既刊も通販の注文があったとの反応をいくつかいただきました。これはイベントが開かれにくい小さいジャンルならではの効果だと思います。聞いた時はとても嬉しかったです。

現実のオンリーイベントでは参加サークルが10sp程度で売上もほどほどという状況だったことを踏まえると、やはり小規模なジャンルほどオンラインイベントの効果があるのではと思います。


まとめ

以前からオペブイのオールジャンルイベントには何度か参加していましたが、今年1月から個人向けに会場貸し出し可能になったのを機にオンリーイベントを初開催することができてとてもよかったです。ただ、VRということで二の足を踏んだ方もやはり見受けられましたので、もし次回開催することがあれば、今回実際の会場の雰囲気を知ったことでさらに参加者が増えるのではないかと思います。

これはかねてより言っているのですが、個人で主催できるオンライン同人誌は現在ピクスク一強状態ですが、即売会会場の選択肢そのものがもっと広がってほしいと思っています。
自分が把握している個人で開催できる同人誌即売会プラットフォームは

2D系:pictSQUARE
カタログ系:エアブー内プチオンリーとらのあなWebオンリーメロンブックスのエアイベント
3D系:VOiCEOperationVR(オペブイ)

がありますが、特に3D系のイベントはいまだ知らない方が多いです。
もちろん3D酔いする人もいるため向き不向きは絶対あるのですが、例えば地方在住だったり、コロナ禍関係なく心身の都合で現実の大きなイベント会場に参加できない方などは、3D会場だとよりイベント会場に行った感に近い視覚体験ができるのでとても好評です。また自ジャンルのように3Dのほうが向いているジャンルもあると思いますし、特に上記の3D系イベントプラットフォームはスマホでも参加できることをがんばっているため、ぜひ選択肢に入れてもらえる程度に知名度が上がればいいなと思っています。


オペブイのイベントに興味を持たれた方へ

先日、オペブイにいつでも入ることが出来る「おためし会場」が設置されましたので、実際にどんな感じなのかぜひ試してみることをおすすめします。
おためし会場では自身で用意した敷布・ポスター・卓上ポップの画像をシミュレーションすることができるので試すだけでも楽しいです。


なお、オペブイの会場を借りてオンリーイベントを開催するには、最低1回はオールジャンルイベントに参加する必要があります。もし興味を持たれた方は一度サークル参加してみることをおすすめします。またレンタル主催のマニュアルは現在オペブイ運営さんのFANBOXで公開中です。

OperationVR-EXTRA情報局Twitter(@ExOpvr)


当イベントの当日のTogetterまとめはこちらです。他にも沢山写真がありますので興味がありましたらぜひどうぞ↓


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