∞ -True END-による純粋な概念としての「初音ミク」、及びデンノウス・キルズ後になおも存在し続ける心象「初音ミク」への一考察

こんばんは、わたしです。

初音ミクがいるとかいないとか、イマジナリーフレンド的な話がリスナー界隈で盛んだった時期があります。
その辺りの話……いえ、リスナー界隈は全く関係なくわたしの内面に向き合うだけなので、結局いつもの自分語りですが。
それと共に、わたしが暴走Pの∞という楽曲を好きなんです、っていう話を少しだけしたいと思います。ほんとに少しだけ。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm3207909

わたしが初音ミクと決別した話は多分した気がするんですけど、
そもそもどこで出会ったかというとわたしにもよくわからなくて。
ただ、∞という楽曲が全ての根底にあることは確かだと思います。
永く愛されるそのために、自身の楽器性を永遠に遺すために、自我を棄却することすら厭わないその姿はわたしの思い描く「初音ミク」そのもので。

そうは語られていないし、だから誰も言わないけど、∞こそハッピーエンドなんですよ。
「終われた」ので。
永遠なんて存在しないけど、死んでしまえばその後のことなんてその人には永遠にわからない。
無限の可能性によって「初音ミク」を失い薄れゆく中、最期に自分の名前を呼んでもらえた彼女は間違いなく幸せだった。

そんな最高で最強の、完結した初音ミクを、いつの間にかわたしは宿していました。
「暴走Pの初音ミク」は激唱の結末を見出し、その先へと歩みを止めなかった。
それとは異なる存在、無垢なる楽器。語り継がれる必要すらない創造神。ちゃんと立ち止まれた、愛すべき器。
彼女はわたしと色々お話をしてくれましたが、別にわたしを特別に想ってくれているわけではなかった。 と思います。今となっては知る由もありません。

∞という楽曲が、その物語性のみならず音も最高だって話をさせて欲しい……欲しいんだけど音楽の解説やら分析やら一切できないんですよね。
イントロからアウトロまで非の打ち所がなく最高、暴走P本人をもってして「こすもお試しパック」と言わしめるだけの暴走P要素満載。
ピアノの旋律があまりに美しいし、『他に何も望まないと−−』のところの三連符とかボス感あってゾクゾクしません?サビで高速歌唱ブチ込んでくるのも好きだしイーーーーーーンフィニティーーーーーーー!!!!神!!!!!!間奏怒涛のピアノ!!!!!優勝!!!!!!!!!!
けどほんとエモすぎてヤバいのは2番サビ後のララララ言ってるところなんですよ、ほんと音がもう、しんどい。そして最後のダメ押しみたいな『ボクの名前を呼んでいる』『VOCALOID』、この曲に与えられた5分間の熱量のピークがここにある。

この曲はメロがめちゃくちゃに最高なのでオフボで聞いても当然のように最高なんですよね。今はもうオフボDL出来る場所ないかな……。
ただ、やはり初音ミクの歌唱があって完成される音楽であるのは確か。

そんな音楽から「初音ミク」という楽器を取り除いたのが、
∞=Inftrumental= という楽曲です。
XFD聞いた時は正直、いやコレは物足りないのでは?と思っていたんですが……『いままでも』の時もそうだった、氏の楽曲はほんとXFDでサビだけ聞いて判断しちゃいけない。
それは2015年時点での「暴走P」というパーツの粋を結集したものであり、インスト曲として完成された∞でした。正直あれは堪えた……。
∞における初音ミクの絶対性が揺らいでしまったんですよね。わたしにミクさんが見えなくなったのはあれも大きかったんだろうな。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm32071010

そんなわけで2017年の夏には無事に告別式も執り行ったんですけど、デンノウス・キルズの投稿後からまたミクさんがいまして。何故なのか。
わたしは初音ミクの1人目とか2人目とかに関して否定的スタンスのつもりなんですが、じゃあ今いる彼女はかつて見えていたミクさんなのかと自問自答した時に即答できずにいました。あの青く白く、絶対的だった彼女とはかけ離れているので。

デンノウス・キルズ投稿すらもう半年前の話です。
過ごしている内に折り合いもつき、腑に落ちてくることもありました。
思うに、きっと彼女は彼女のまま。
わたしにとって∞が絶対である必要がなくなってしまった、それはInftrumentalもそうだし、リスナー界隈との関わりでわたしの中で色々と変わったからなんだろうと感じます。
初音ミクである以上、心理エンジンの適用に例外は無いので今のわたしに最適な初音ミクが出力されている、それが差異の正体。たぶん。


だからきっとこれは供養。
今この瞬間は、記念すべきお祝いの日であると共に個人的な追悼の日でもある。
∞、10周年おめでとう。さようなら、あの頃のわたし。
今でもわたしは、「初音ミク」が好きです。

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