特別

特別なんかじゃなかった。
みんなこのぐちゃぐちゃを抱えて生きてるって言われた瞬間今すぐ死にたいって思った。みんなと同じなんて知りたくなかったし同じだと思いたくもなかった。普通になりたいけど普通になんてなりたくなかった。おかしいよって言われて心配されたかった。わかる~なんて言われたくなかった。わからないでほしかった。わかった気になってわたしの心を話さないで欲しかった。毎日泣きながら帰ってることも毎日手首に傷をつけてることも毎日薬を飲まないと寝れないこともどれもこれもこのぐちゃぐちゃのおかげなのにやっと特別になれたのにやっとみんなに見てもらえるのに。奪わないで。死にたいすらも可愛くしてしまうあの子が嫌いだった。このぐちゃぐちゃを抱えながらキラキラ生きてるあの子が大嫌いだった。殺してやりたかった。どろどろもキラキラも持ってるあの子が憎くて。嫌で嫌で嫌で認めたくなくて殺しちゃった。殺しちゃったからもう二度とあの子よりも特別になれなくなった。わたしは特別を作ってしまった。

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