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ここ10年の国風展で春花園一の売り上げを作った話

こんにちは。

というかお久しぶりです。

今月の2月2日をもってして2年の弟子生活が終わり、3年目に突入したこともあり改めて色々なことに挑戦する年にしたいと思い、noteを始めてみようかなと思っています。

というものの、今日は2月19日。

2月2日からだいぶ日数が経っているのですが、ちょうどこの2月の最初の2週間は国風展という日本で一番の展示会があってドタバタで忙しくて、本当に寝る時間もなくストレスと疲労でやられていました。

おかげさまで最終日の午後から発熱をして寝込みました。笑

2週間頑張り切った自分を本当に労いたいです。

この2週間は本当にきつくてさすがの俺も凹みそうで泣きそうだったのですが、今のうちにリアルな感情や思いをこのnoteに残しておくのも将来振り返った時に面白くなるかなと思っているので明日か明後日にでも書きます。

まぁ今日は題名にあるように今年の国風展ではここ10年くらいで一番の売り上げを作ることができたのでその分析というか振り返りをしていこうかなと。

そもそも売り上げと言いましても、どこでの売り上げなのかという話からしましょう。

先にも書いたように、国風展というのが毎年2月の上旬、中旬にかけて上野の東京都美術館で開催されます。

この国風展は全国から愛好家のかたが自分の盆栽を出品して、その中でも素晴らしい盆栽には「国風賞」というのが贈られ、盆栽界では非常に名誉な賞です。

今年は天皇も見に来たみたいです。

愛好家が出すならプロの盆栽屋さんは何をするのかという話になると思うのですが、僕たちプロはそのお客さまが無事に国風展の審査に通るように二人三脚でお手伝いをして手入れをするのが仕事です。

つまり僕たちは完全に裏方に徹するのが国風展です。

その国風展の展示会が東京都美術館で行われるのですが、その近くに上野グリーンクラブという盆栽協同組合の建物があり、その施設内で全国の盆栽屋さんが盆栽を持ち寄ってそれぞれ店を構えて盆栽を販売するんです。

イメージはお祭りの屋台みたいな感じです。

そこに国風展を見終わった人が流れてきて、来年の国風展に飾るための盆栽を買ったりとか、国風展クラスまでではないけど手頃な小さい盆栽を買ったりとかするんです。

そして俺はそこで10日間ずっと売り子をしていたんです。

弟子入りして数日で国風展の売店に立たされてやっていたので、今回で3回目。

最初の年は盆栽の樹種もわからずに売らなきゃいけないため、盆栽を日割り計算して初期費用が高いだけで長く続ければいかに安い趣味なのかを説きまくって売っていました。

1年目なんて盆栽すら全く知らない状態だったので2年目が実質の1年目みたいなもんだったんですが、それでも訳が分からず売れそうなものをたくさん持って行ったら全然売れずに惨敗。

ちなみに春花園に今いる兄弟子たちは全員外国人なので売店に立ったことがなく、もちろん俺に教えるなんてことはない。

誰からも教わらずに、けど国風の時に来る独立した兄弟子たちからコンコンと詰められる日々。

かなり参るけどやるしかないと思い、今年の国風は去年の夏の終わりくらいからどうやって売るのかを考えていました。

売店で盆栽を売るといっても何か特殊な技で売り上げが伸ばせるわけではありません。

一番やっちゃいけないのは出たとこ勝負の売店だと気付いたんです。

どういうことかというと、国風の売店の前にあらかじめ根回しをしておいて売り上げの見込みを作っておく。

毎回毎回来たお客さんに説明して納得してもらって好きになってもらって買ってもらうなんて時間も労力も半端ないです。

それを回避するために日常的にいつもお世話になっているお客様が次に何の盆栽が欲しいのか、なんのために欲しいのかをリサーチして、その要望にぴったりの盆栽を用意しておいて数ヶ月前からおすすめをしておく。

そして国風の売店で最終決定だけしてもらうという形を取るんです。

そうすれば売り上げは立ちます。

勝負をする前に徹底的に負ける要因を潰しておくんです。

そうは言っても今年はそれを夏からしか準備していなく、また親方には何にも言わずに全部根回しをしていたので盆栽の新しい準備はできずに、持っている玉だけでの勝負になったので掴みきれなかった分が多いのが反省です。

しかし、それでも圧倒的に去年よりも売り上げも立てられて親方の信頼も得られたと思うので早速来年に向けての準備をしていきたいと思います。

今まで「こんなふうに俺が準備してきた」みたいな感じで書いてきましたが、今回の準備は今いる春花園の弟子がみんなで協力したからこそできました。

中国人2人、台湾人2人、ポーランド人、プエルトリコ人、イタリア人と俺以外はみんな外国人で販売戦略とかは俺が考えてやっているけど、それに伴う準備(苔はり、鉢の掃除、小物の準備)とかをみんなが協力してやってくれたからこそ出来たから本当に今のメンバーが俺は好きだし感謝しています。

兄弟子たちからは「外国人は甘い。それはお前の指導不足だ」と怒られ続け、外国人のミスを全て俺の責任にされてキツかった2週間でしたが、昔と今では時代も違うし、俺のマネジメントのやり方で今の弟子で協力して春花園を日本一の盆栽園にしたいと思います。

そして兄弟子たちに何にも言わせないくらい完璧な園にしたいと思っています。

以上。

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