DevRel的なノベルティにまつわる悩みと答え
この投稿は、『DevRel Advent Calendar 2018』の20日目(12/20)の投稿です。
今さら「DevRelとは」から...
今さらながらですが、「DevRel (Developer Relations)」とは、自社製品や自社サービスを使う開発者向けのマーケティング活動です。自社製品や自社サービス(くどいのでここからは「ウチの子」としましょう)を開発者の人たちが “気持ちよく” 使ってくれるかをDevRel担当が工夫する活動のことです。手段としては、ドキュメント、セミナーなどなど色々とありますが(それこそDevRelのアドベントカレンダーの他の投稿をご覧ください!)、今回は『ノベルティ』をテーマに少し書いてみます。
なぜ「ノベルティ」??
というのは、単純に2つの理由からです。
1. DevRelのアドベントカレンダーで誰も書きそうも無いから
2. 以前のDevRel MeetupでLightning Talk (LT) をやったから
くらいの単純な理由からです。でも、でもですよ。2番目の理由にあるように、その月のテーマになるようなくらい関心度が高いのに、その月の参加者はかなり多かったのに、なぜに誰も書かないのか!(いや、その前に自分が書いていいのか!というのは、この際置いておきましょう)
(ちなみに、LTやった内容はこちらです)
ノベルティにまつわる悩み
ノベルティは、開発者のみなさんがウチの子(やっと使えた)を気に入っていたり(=それをアピールするためにノベルティを使う・持つ)、ノベルティ自体の品物の価値が認めてもらえれば持たれるもの。そのことによって、ノベルティの所有者はウチの子の名前やロゴをいつも見てもらえるし(=ロイヤルティを高められる)、ノベルティの所有者の周りの人たちにウチの子の名前をアピールしてもらえる(=宣伝隊長になってもらえる!)という優れものです。
前の会社(北米本社の日本法人)では、本社の作ったノベルティを分けてもらったり、購入したりして、そのまま使うケースもありましたが、もちろん自分が「これならもらって嬉しいだろうな」というのを予算と相談しながら作ってました。で、悩みもそれなりにあって、で、そのうちのいくつかを何とか解決して、で、ちょっとLTしてみたりしたわけです。DevRelな人たちや、ノベルティな人たちと共感や相談がしたくて。
悩み(その1)- 何を作ったらいいんだろう?
今まで自分の感覚だけで作っていましたが、ちょっとDevRel的に確信が持てませんでした。ノベルティは、あるにはあるんだけど、本当に開発者のみなさんにウケているのかどうか。これじゃない何かがあるのではないか・・・と悩み、先のLTを含め色々なところで相談してみました。
答え(その1) - ステッカー
で、複数回出たアドバイスがこちら。つまり、「答え:ステッカー」しかも、ヘキサゴン(六角形)のもの。
LTの資料の中にもあるのですが、GitHubのStudent Program ManagerのJoe NashがDevRel Meetupに来たときに質問したんです。そしたら、答えが今回のこれ。
しかも、こんな風に規格があるみたい。
from: terinjokes/StickersStandard
https://github.com/terinjokes/StickersStandard
六角形のステッカーはよく見ていたけど、規格があるなんて初めて知りました! この規格を使えば、こんな風に開発者のラップトップに並べて貼ってもらえるからなんですよ! しかもウチの子のステッカーもここに登録できる!
前述のJoeのアドバイスはさらに、
「いくつかのバリエーションを作り、ただ配るだけでなく、何かの資格を取ったり、何かに参加しないともらえないようにすると、ステッカーのコレクション欲が高まりエンゲージも高まるよ」
的なものもありました。なるほど!
日本で普通にノベルティ作成業者さんに発注しようとしましたが、IBMのTaijiさんオススメの「ここ(StickerMule)」を使うとすごく安いですね! 私も注文してみます。
(2019/1/7追記:注文したら、$10の割引となるリンクをゲットしました。どなたかがこのリンクで購入されると、私にも$10のクレジットがあるそうです。念のため。サイトは日本語に切り替えられます。)
悩み(その2)- 単価・在庫
ノベルティは、オリジナルです(当たり前)。なので、いくつ作るかは自分次第(正確に言うと予算次第)です。当然のことながら、デザインやその版を作るイニシャル・コストがかかりますから、個数が少なければ単価が高くなります。「え?! Tシャツ一枚に、X,XXX円!!!」とか。じゃあ、多めに作って単価を下げよう!と頑張っても総額はそんなに変わらないし、そもそもそんなに作ってどこに置くの???ということになります。大都会東京では(他の都市の方、ごめんなさい)、ノベルティの入った段ボール箱のスペースの費用が馬鹿になりません!(というか、置く場所が無い)
答え(その2の1)-Store
私が前の会社でやっていたのは、そのときのウチの子がファンが多いテクノロジーだったため(ありがたいことです)、多めに作って制作会社に在庫してもらい、一部を我々が購入・配布し、一部をイベントで販売してもらうというやり方です。開発者のみなさんを含む一般のお客さまが、ウチの子のノベルティを購入できるという手法でした。
これならば、大量に生産して単価を下げ、その一部を購入するので総額も抑えられ、かつ在庫もあまり持たなくても済むというソリューションです。これは、なにもそのときのウチの子だけがやっているわけではなく、よくあるカンパニー・ストアの手法ですね(私もカリフォルニア クパチーノのアップル本社で、そこでしか買えないマグカップとかペンとか買いました)。
ただし、これはウチの子が元々人気者であるからこそ出来る技です。
答え(その2の2)- オンデマンド
最近は便利な世の中になったものです。なんと、一枚(一個)から作成できるサービスがあるのです。しかも、リーズナブルな値段で。確かに、たとえばTシャツを作成する際に100枚とかもっと大量に制作すれば単価は下がりますが、前述のように総額は下がらない。今回、Tシャツのデザイン案が複数有り、大量生産する前にプロトタイプ的に一枚ずつ複数種作成するために、「SUZURI」というサービスを使いました。一番ウケが良かったやつを大量生産するためです。なので、今のウチの子の世界で一枚しかないTシャツが何種類かあります。
かつ、このSUZURIを使えば、ウチの子のノベルティを販売して利益を得ることも出来るのです!(売れたら、ですけど) ほんと、便利だなぁ。
ちなみに、我らが「DevRel Meetup in Tokyo」のノベルティも、こちらのサービスを使ってノベルティを販売しています!
まとめ
ノベルティにまつわる悩みと答えを簡単にご紹介してみました。ノベルティは単なる「景品」ではありません。開発者のみなさんとの貴重なコミュニケーション・ツールになり得ます。ぜひ上手く活用してみましょう! 私もようやくプロトタイプから量産品の制作に入ったところなので、制作および配布で得られたTipsはまたシェアする予定です。みなさんからのフィードバックが楽しみです。
最後に
DevRel Meetupの「ノベルティ」の会では、このほかにも「キャラクターってどう?」という問いに対しての「素人が手を出すもんじゃねぇだ・・・」という長老のありがたいお言葉や、「ヤフオクで売られてた・・・」などたくさんの面白いお話しが飛び交いました。やはり、生で参加するのが一番ですね。この投稿でちょっとでも興味を持っていただいて、まだDevRel Meetupに参加したことがない方はぜひ一度ご参加を! みんなとても優しく、かつ経験豊富ですよ!
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