DevRelに求められる姿勢
【追記】本記事の公開は12/25を過ぎてしまいましたが、ご厚意にてDevRel Advent Calendar 2019 の 12/20 に追加していただきました。ありがとうございます。登録自体に出遅れて枠がなくなってしまったので・・・・・・。
DevRelCon London 2019に参加して思ったこと
先日、Londonで開催されたDeveloper Relations専門のカンファレンス、DevRelCon London 2019に参加してきました。
興味深いセッションが数多くあり、また、DevRelの悩みは世界共通であることを実感しました。
効果的なコンテンツは?
その中でも、技術コンテンツについてを今回は扱います。
DevRel担当として、どういうコンテンツを出していけば効果的なのでしょう。これは常日頃からの悩みです。もちろん、分かりやすい公式ドキュメント、豊富なサンプル コード、取り組みやすいチュートリアル、見るだけで出来てしまうビデオ、定期的なブログ記事、技術フォーラム、などなどを充実していけばいいのは理解しています。
ですが、今所属している会社では、リソースがかなり限られています。技術コンテンツの需要に対して圧倒的に供給が足りていないにもかかわらず。では、優先順位をどう付けていけばいいのでしょう。
セッション、“Who? Where? Why? Using data to understand your audience” ( Andreas Constantinou, /Data )では、下記のようなデータを紹介していました。世界の開発者へのアンケート結果です。
少し見にくいかも知れないので、テキストにします。
「DISCOVERING WHAT MATTERS TO DEVELOPERS」(意訳: 開発者に役立つコンテンツを検証する)
"Most important features that companies should offer to support developers" (意訳: 開発者に提供すべき最も重要なコンテンツ)
1. ドキュメント & サンプル コード(61%)
2. ツール, インテグレーション, ライブラリ(47%)
3. チュートリアル & How Toビデオ(45%)
4. 公開フォーラムへの回答(33%)
5. トレーニング コース & ハンズオン
6. テクニカル サポート
7. 公式フォーラム
いやー、確かにそうなんですよ。公式ドキュメントがしっかりしているのが一番であることは重々承知してます(というか、やっぱりそうだということが分かって良かった)。
ですが、前述の通り、残念ながらリソース不足です。
DevRelCon London会場でヒントを得る
ではどうすればいいか? 会場にて「あ、やっぱりそうだよね」と思うことがありました。そこで改めて閃いたわけではないのですが、確信をより持った感じです。
すべてのセッションではなかったのですが、セッション後に司会が講演者に感謝の意を伝え、聴衆に「DevRelConの伝統のスタンディング オベーションを!」と講演者を讃えるように促していました。
これ、気持ちよかったです。いつか、ああいう風に拍手されたいなと思いました。
この気持ちですよ! 大事なのは。
いや、別に、コンテンツ制作にスタンディング オベーションを使って何かするわけではないです。その気持ちです。そして、その仕組みです。
良質のコンテンツを作成するには
自社ではリソース不足で、求められるコンテンツを潤沢に提供できないなら、外部のリソースに助けを求めるしかないのです。いや、自社リソースが不足していなくても、製品ベンダーには思いつかないようなバラエティに富んだアイディアを具現化したようなコンテンツは外部のリソース(失礼のないように「方々」)の協力を仰ぐのがいいです。
また問います。ではどうすればいいか?
そこに上記のスタンディング オベーションによるヒントです。
コンテンツ制作してくれたことに対して、スタンディング オベーションのようなハッキリとした賞賛を送りましょう。運営側(製品ベンダー)だけでなく、聴衆(コンテンツの読み手)を巻き込んで。
そのために舞台を用意しましょう。発表の舞台です。「いま」発表しなければならないという必然性があります。カンファレンスで発表するのと同様に。
ちなみに、アドベントカレンダーというのは、まさにこの構図ですね。コンテンツ作成はいつでもいいはずですが、私もこのタイミングに仕上げなければ!という気持ちが強くありました。
まとめ
長くなりそうなので、Tipsをまとめてみます。
1. 場所を用意する
コンテンツが掲載される場所です。制作者が自分のサイトを持っているとは思いますが、それらが集合する場所を用意します。そこに行けば関連する情報が見られるので、聴衆(コンテンツを見てくれる人)も増えます。
webサイトだけでなく、イベントや、本*とかでもいいですね。
2. 奨励する
「このコンテンツを書いてみたい!」という強い意志を持っている人だけではありません。特に日本の方は「自分のコンテンツなんて・・・・・・」と自信が充分でない方もいます。背中を押して差し上げましょう。「そういうなら・・・・・・」と制作してくれる人も少なくありません。自分の担当する製品の今年のアドベントカレンダー執筆でも何人かいらっしゃいました。そして、出来上がったコンテンツは素晴らしいものでした!
3. ハードルを下げる
「まずはちょっとだけLTでも」「やってみた系コンテンツを」と、いきなり大作でなくハードルを下げて差し上げるのも重要です。結構、制作し始めたら大作になったり、最初のコンテンツに満足できずに継続して制作してくれる人もいます。
本* ・・・ DevRel Meetup主催の中津川さんから場所(機会)を頂き、私自身も「本」というコンテンツ作成しました。DevRel Meetupの有志が集まり、DevRelのノウハウをまとめています。
次はみなさんの番です
冒頭に「DevRelの悩みは世界共通である」ことを実感したと書きましたが、これはつまり、日本でのノウハウが世界でも通用するということですね。
みなさんも発信しましょう。世界に向けて。まずは、DevRelCon Tokyo 2020、2019/12/31までLTを募集してます! そしたら、その次は、San Francisco、London。世界中のDevRelたちがみなさんのコンテンツを待ってます!
と、背中を押して締めくくりました。良いお年を!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?