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知らされる真実 -3

取り調べはとにかく事細かく聞かれ、
1回の使用量やその時どんな変化があったか、
2人で何を何時間していたかなど
気持ち悪いほど追求された。

そんな中刑事が私に対して聞いてきた


「彼、君に何歳だって言ってた?」


え?

思いもよらない質問をされ
私の頭は混乱した

何歳って、〇〇歳だけど、なんでそんなこと聞くの…。

「〇〇歳って聞いたけど…」

私の混乱した様子に
刑事さんはなんとも言えない表情で言う

「あぁー…そうなんだね、実はね…」

そう言って彼が年齢を嘘ついていたこと、
実際は聞いていた年齢よりも10以上上だったことを教えてくれた

気づかなかった

相手はかなりの大柄だったし
童顔で髪も長かったから年齢不詳な感じもあった

でも
嘘をつかれていたんだ
私と話していたことの中で
どこまで本当で、どこまで嘘をつかれていたのか…


刑事さんは同情し、フォローしてくれたが
私の中の人間不信は強まっていった


そして何度も何度も警察署に足を運び、調書を取られ
それらを検察に送られ

私は不起訴となった



長い取り調べを終え、刑事さんは私に言った
「こういう悪い男に騙されちゃだめだよ。」

刑事さんいわく、
薬を使って性欲を満たそうとする男に騙される若い女の子、という印象だったらしいが
半分正解で半分違った。
私も相手を利用した側だったのだ。
そう当時は思った。

だけど今思うのは
若い女の子、それも精神を病んでいる子を薬物を餌に引きずり込もうとする大人が悪い

病みに必要なのは現実逃避の道具ではなく
現実と向き合える心の強さなのだから。
泥沼に引きずり込むのは何も解決にはならない。

今はそう思えるようになった

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