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フルコン修行者から見た、フィットボクシングなるゲームについて

私は武道を30年ほど(うち、フルコンタクト空手を10数年)続けております。ステイホームの長引く中、ニンテンドーSwitchの僕サイズゲーム

「フィットボクシング」を試しました。


なるほど、コンビネーションの練習にはそこそこ悪くないと思います。

初心者向けの為か、ゲーム内のテンポが非常に遅くて暇なので、受け・払いの動作を入れたり膝蹴りを数発入れたり、
2発の所を4発打ったりして、間をつないでいます。
コロナで道場に行けない際の独習には悪くありません。

しかしこのソフトのレビューを読むと「これで自分はイザというときにパンチが打てるようになった」という意見が見られますが、それは大きな勘違いです。
このソフトで行っていることは、野球でいえば「素振り」です。
しかも「誰もフォームや力み、重心などをチェックしてくれていない」我流の素振りです。
そんな素振りだけで「自分はいつでも打席に立ってヒット・ホームランが打てる」と思うのは間違っていると誰でもわかると思います。

パンチを打つというのは相手との間合い、角度、力、スピード、当てる位置に加えて
自分の拳や手首の強さ、相手の攻撃(蹴りやフェイントを含む)などの攻防の中で当てるものです。
こんなソフトで「いざとなれば自分はパンチが打てる」なんて、思っているとすれば、それは相当な勘違いです。
対人でパンチを放てば「よけられる」「当たっても全く効かない」「そもそもとどかない(間合いが判ってない)」となるのがオチです。

あくまでも「パンチ"風"に体を動かすことが出来る踊りのゲーム」くらいで思うのが良いでしょう。
本気で相手を倒す練習をするなら、正しい指導を受けた上で自分での創意工夫やアレンジ、厳しい練習と、総合的な体作りに加えて、様々な身長や体重の練習相手が必要です。ゆめ、勘違いされませんよう・・・。


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