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冷蔵庫通信 特別号vol.2

2018年に書いたフリーペーパーです。以下、フリーペーパー本文のほぼコピペになります。


冷蔵庫通信特別号Vol.2

冷蔵庫からウーパールーパーのma-moです。冷蔵庫通信特別号を手に取っていただきありがとうございます!
この特別号では3号に渡り、3月に開催しますma-mo個展「ウパのおたんじょうかい」に関する情報と、ウパと歩んできた10年間のお話をお届けしています。今回は第2号!前号では、10年前のウパとの出会いについてのお話でしたが第2号ではその続き、私ma-moがハンドメイド作家になるまでの事を書いていこうと思います。

ウーパールーパーのグッズが無いという事実

ウーパールーパーを飼い始めて気付いた事がありました。ウーパールーパー好きとしてはウーパールーパーがモチーフのグッズを買い漁りたい!ウーパールーパーグッズをコレクションしたい!!しかしどんなに探しても、ウーパールーパーグッズはほんの少ししかありません。水族館のお土産コーナーにちょこっと置いてある程度。そう、世の中にはウーパールーパーのグッズと言う物がほとんど存在しないのです!猫を飼っている人が猫グッズをたくさん持っているように、ウーパールーパー飼いもウーパールーパーグッズを
持ちたいのです。しかしウーパールーパーが世間的にそれほどメジャーな生き物ではないので売っていません。

ウパイラスト誕生

ウパ飼育ブログを書くのが日課になっていた2009年。ウパを飼い始めてちょうど一年が過ぎた頃でしょうか…。特に深い理由はないのですが、その時なんとなくパソコンでウパの絵を描いてみました。ホームページビルダーに付属しているウェブアートデザイナーというベクターイラストが描けるツールで絵を描くのが昔から好きで、それを使って描いたウパイラスト。顔は楕円、目は離れていて小さな黒丸、口が大きくて、エラはひらひらしていて、顔より小さい体(※イメージ)。
出来上がったのはこんな感じのイラストでした。右側のウパの口から出ているのはアカムシです(笑)

文中写真3_ウパ初期イラスト

あまり可愛くないので各パーツをもう少し整えて、色も肌色に近くして完成したのがこのイラスト。

文中写真3_ウパ初期イラスト2

これが一番最初のウパの絵です!今現在のウパ絵になるまで、ここから数回手を加えていますが、初めからこんな感じです。
ブログのネタにこの絵をアップしたところブログ読者さんからこんなコメントが…「この絵がプリントされた湯呑があったら欲しい!」。落書きくらいの勢いで描いた絵だったにも関わらずこの絵のグッズを希望!?!?!? そこで気付いたのでした。初めに書いた「ウーパールーパーのグッズが世の中に全然無い」という問題に対しての一つの解決策…
無いなら自分で作ればいいじゃないか!!!
この時はまだ普通に働きに行っていた、ただの契約社員。ウパ飼育もブログも絵を描くのもただの趣味。それが、この出来事をきっかけに次々と新たな展開へ動き出すのでした…!

初めてのデザフェス

それから2ヶ月後の10月、知人に誘われてデザインフェスタへ遊びに行く事になります。この時が初デザフェス。どんなイベントか全く分からないまま東京ビッグサイトへ…。

文中写真4_デザフェス

会場に一歩足を踏み入れると物凄い熱気が!出展者はプロアマ問わず、限られたスペースの中で自分の世界を存分に表現し、それが広い4つのホールを埋め尽くしている、正に表現のカオス!前知識一切無しで体験した初デザフェスは私にとってとても衝撃的なものでした。「こんな世界があるんだ!」とこの時初めて知ったのと出展者がみなキラキラ輝いて見えて「私もいつの日か向こう側(出展者側)へ行きたい!」という憧れの気持ちが湧いてきました。この時のデザフェスは今よりもアート色がやや強めで、表現の楽しさを久しぶりに全身で感じた1日となりました。今思うと、探していた自分の居場所をやっと見付けたような…そんな不思議な出会いでした。

初めてのウパグッズ

デザフェスでたくさんの刺激をもらい、帰ってきてからというもの、「何か作りたい!」という謎の衝動に駆られる日々を送っていました。そこで、夏に描いたウパ絵を元にフェルトで布小物を作ってみる事に。そして出来上がったのはコインパース。初めて作ったウパグッズです!

文中写真5


これを皮切りに手作りのウパグッズを作るようになっていきました。するとなぜか私の周りの人たちも釣られて手芸やクラフトでウーパールーパーを作るようになりました…なぜ?(笑)

転機

2009年後半…毎日それなりに楽しく暮らしていたものの、それと同時にこの頃は悲観的な想いも抱いていました。漠然と「自分の人生これでいいのだろうか…」と。会社の仕事に不満があった訳ではないけどこの先ずっと会社の
駒として生きていく人生を想像したら急に怖く感じたり。仕事から帰ると家には祖母が。年々足腰が衰えていき家での介護にも限界を感じていた頃でした。そんな祖母と介護する母を見てふとこんな事を考えました。

人は歳を取るにつれて身体が動かなくなったり病気になるリスクが増える。やりたい事を先延ばしにすればする程きっと出来る事も限られてくるのだろう。今は母が介護をしているけれど10年後か20年後かもっと先かは分からないが自分が親の介護をする日もきっと来るだろう。そんな事を考えると自分の人生で自分がやりたい事を自由に出来るチャンスは、もしかしたら今しか無いのでは!!!??更に考えると仕事はフルタイムで働いているので自由に使えるお金も多少はある。でも契約社員だからここで働けるのは残りあと1年と少し!!?つまり、自分のやりたい事を自由にでき、かつ金銭的余裕があるのは私の人生の中であと残り1年ちょっと!!!

この時そんな事実を初めて直視して、ここからガラッと私の生き方が変わりました。自分は一体何をしたいのか?自分には何が出来るのか?私が考えた目標は「クリエイターになる」でした。(※この頃まだハンドメイドブームが起きる前の時代だったので「ハンドメイド作家」というジャンルは多分無かったように思います。)
ウーパールーパーグッズを作る!
目指すはそれ持ってデザフェス出展!
出展目標は2011年の春に設定!

他にも自分の得意な事を活かして何か出来ないか?と思いこの頃からしばらく月1でフォトコンテストやデザインコンテストなどに応募していました。有り難い事に賞をいただいた物も。その1つには、ウパ写真で作ったフォトブックもあるので「ウパのおたんじょうかい」で掲載された雑誌などを展示しようと思います。

2010年

そんな事があってから、2011年春のデザフェス出展を目指して、自分がやりたい事はもちろん、会社にプライベートに毎日をがむしゃらに生きていきました。2010年のデザフェスももちろん遊びに行きました。ただ、お客さんと言うより出展者目線で。2010年秋のデザフェスではついにウーパールーパーのキャラをメインに描いているイラストレーターさんのブースに巡り会う事が出来ました!そのイラストレーターさんこそお馴染み、きょんここさんです!!この時からの知り合いです。もしかしたら一番古い作家友だちかもしれません。ポストカードやシールなど、きょんここさんの可愛いウーパールーパーイラストの雑貨を大興奮で買って帰りました!

冷蔵庫からウーパールーパー始動!

2011年1月。「ウパ企画」と題しデザフェスを目指してウーパールーパーモチーフの手作り雑貨を制作販売する活動のスタートをブログで発表!サークル名はブログタイトルから取って「冷蔵庫からウーパールーパー」です。
これが私の正式な活動スタートとなりました。本当は私1人で始めたかったのですが、前にも書いた通り私が物作りを始めたら釣られて私の周りの人たちも作り始め…その中の2人から「一緒に活動したい」と言われました。それなら、この際もう全員巻き込んでやろうと思い周りに声をかけて最終的に5人でデザフェスを目指す事になりました。いきなりデザフェスへ出展するのも怖いのでデザフェス前に数回クラフト市やフリーマーケットで出展の練習をする事に。最初の出展は2011年2月、場所は東京中野の新井薬師、梅照院で開催される「あ~と手作りふぇすた」というイベントでした。メンバーと打ち合わせを重ねて挑んだ初出展は無事成功!ちなみに冷蔵庫通信第1号はこの時制作配布をしました。

文中写真6

今も作り続けているウパマカロンの、最初期バージョン。↑

デザフェス初出展への道

勢いに乗って次は池袋のフリーマーケット!…と意気込んでいたところで起きたのが3月11日の東日本大地震でした。地震の被害は何もありませんでしたが(ウパも水槽の水が少し溢れた程度で無事でした。)計画停電などがあり世の中が混乱して先の予定が全く見通せない状況になってしまいました。出店予定だったイベントも軒並み中止に。メンバーはこの地震の影響で本業が忙しくなってしまい当日まで直接活動に参加出来なくなりました。
イベント出店はデザフェス参加のための資金集めの意味もあったため、考えた末に急遽ネット通販をする事にしました。一晩で作り上げた通販ページに数少ないウパグッズを載せて期間限定販売。これも無事に成功しました。そしてメンバーとの打ち合わせもほとんど出来ず、最終的にほぼ私1人でブース内装デザインをし、台や什器の買い出し、制作と準備をしてデザフェス当日を迎えました。デザフェスが中止にならなかったのが救い。

文中写真7

↑キッチンをイメージしたブース内装の制作と梱包風景。

2011年5月14日、いよいよ初出展デザインフェスタVol.33当日を迎えました!キャンセルのブースもあっていつもより静かなデザフェスではありましたが、やっと憧れの地に立ち自分自身がデザインフェスタの一部となれた事が本当に嬉しかったです。苦労の甲斐もありたくさんのお客さんに来ていただけて感激でした。初めて行ったデザフェスからたった1年半後の出来事…。
今考えると、とても信じられないです。まさかこんなハードな初出展になるとは夢にも思わず…。ここに辿り着くまでが本当に大変で辛い事の連続だったけれど、諦めず頑張って夢を実現できて良かったです。応援してくれた方々には感謝しかありません。

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それから…

会社退職のタイムリミットに追われ崖っぷちに立った想いでガムシャラにやってきた1年と数カ月。会社退職の直前に突然呼び出され言い渡されたのは「契約期間を2年延長します。」えええ!?!?猶予が2年延びたのです。
自分でも驚くほど頑張った約1年半ではあったけれど、1年半で何かになれたか?と聞かれれば、まだまだ何者にもなれていない気がしました。残り2年でなれるのか?いや、今度こそならなくてはいけない!?
デザフェス終了後は一度全てをリセットしました。ウパ企画の終了、メンバーも解散、そしてブログ「冷蔵庫からウーパールーパー」も3周年を迎えた2011年7月11日で更新を終了しました。そこからしばらくの間は休息期間としました。と言っても何もしていなかった訳ではありません。体制を整え次の活動の下準備です。

大磯市

デザフェスが終わったすぐ後くらい、ウパ企画のメンバーの一人から教えてもらったハンドメイド雑貨を取り扱う雑貨屋さんへ行きました。そこの店主といろいろ話をしていたら大磯漁港で月に一度「大磯市(イチ)」というイベントが開催されるという情報を教えてもらいました。どうやら、そこではハンドメイド雑貨の作家さんたちが作った物を販売しているそう。面白そうなので偵察に行ってみる事に。何もないただの漁港に、テントのタープやパラソルが並び、キャンプテーブルや机などを出して美味しそうな食べ物やクラフト雑貨を販売していました。お客さんで賑わいまるでお祭り!売っている物はどれも個性的で見ているだけでワクワクするような物ばかり!大磯ならば家からも十分行ける距離…これは出店してみたい!!と、言う事で、更なるリサーチと準備を重ね、翌年2012年2月から定期的に出店をする事にしました。「冷蔵庫からウーパールーパー」第二章のスタートです!ウパ企画メンバーを再編成してグループ活動で出店しました。初出展ながらお客さんの反応も上々。幸先の良い再スタートを切る事が出来ました。

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vol.3へ続く…

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