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【展覧会レポ】風景画のはじまり コローから印象派へ 展

こんにちは

先日、新宿のSOMPO美術館で開催している「風景画のはじまり コローから印象派へ」展に行ってきました。

古くから美術のアカデミーでは、風景画は価値の低いものと考えられてきました。歴史画や肖像画が古い絵画に多いのはそのためです。

そんな歴史の流れを変えたのが、後の印象派です。ですが、その印象派に至るまでに、実は風景画を確立させた画家たちがいました。バルビゾン派と呼ばれた彼らは、戸外制作を行い、自然の中で絵画を描いたのです。

本展は、そんなバルビゾン派から印象派への流れを体感しながら、フランスのランス美術館より取寄せたコレクションの数々を観ることができます。

ぜひ、日常を忘れ、19世紀のフランス、フォンテーヌブローの森への探求をお楽しみください。


本展は撮影ができなかったため、文字でのレポートとなります。ご容赦ください。


カミーユ・コローの風景画と言えば、どこか霞んでいるノスタルジーある作品を思い出します彼はミシャロンやベルダンに教えを習い、風景画を確立させていきます。

ドビーニーやクールベなど、風景画で有名な画家たちの作品も交えながら、この時代、フォンテーヌブローの森を中心に広がった風景画への探求を追体験できる展覧会です。

初期の画家たちは、戸外制作を行い、完成形はアトリエで作成していたそうです。戸外で描かれた作品は【習作】とされ、言わば下描きという立ち位置でした。

この時代の画家たちは、自然を描きつつも構図を変えたり、実際の自然を各々の解釈に基づいて【再構成】していきました。コローの作品を観るとわかりますが、確かにいくつかの構図パターンがあるように思えます。

時代を経て、印象派が誕生します。彼らと先駆者たちの違いは、絵画を戸外制作内で完成させること。習作ではなく、仕上げるところまで戸外で行うのです。だから少々タッチや色合いが粗いんですね。それが印象派の所以でもありますが。

そして、次第に自然をそのまま描く写実主義的な画家も現れます。クールベなどはその代表です。

そんな時代の流れを理解した上で、作品を鑑賞していくと、なんだか理解も深まる気がしますよね。

絵の具がチューブで使われるようになったのもこの頃のこと。パリから鉄道で郊外のバルビゾンまで行き、フォンテーヌブローの自然を描いた画家たち。現代にまで通ずる意思決定があったように感じます。彼らが見た自然を悠久の時を経て、今我々が絵画として観ている。とっても感慨深いですよね。

展覧会は9/12㈰まで開催中です。

ぜひ訪れてみてください。

◆公式サイト◆

※記載にあたり、公式サイトや図録、ガイドブックなどを参照しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


Wup

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