0423

8時。目覚ましをかけることなく起きた。ぐっすり寝れたような、そうではないような。夢にあなたが出てきて、末っ子と一緒に舞台上にいる。客席にいるファンのわたしを2人して笑顔で見つめていた。ここに来てから、夢を見るということは珍しくて、あっても内容が思い出せないようなものばかりだった。もっと、夢に出てきてほしい。
今日も何もする気が起きなくて、呆然とばかりしていた。溜めていたユーチューブを見ても、そうなんだなあとしか思えなかった。ずっと大丈夫だったのだけれど、優しい言葉をかけてもらうべき人はわたしじゃないのに、と思ったらまた涙がこぼれた。
昼ごはんどきになって、同居人という言葉を使うことも憚られる感情のない人が食べるインスタントの人工的かつ不快なにおいが部屋に充満していて、少しあった食欲がすべてなくなった。香りが重要なものなのだというのは、本当みたいだ。その香りがなくなると、さっきまでが嘘みたいにご飯を食べる気になれた。3日ぶりにそば以外のものをお昼食べた。
夕方になるまで、午前中と同じ過ごし方。彼の誕生花がミモザだというツイートを見て自分の誕生花を探してみた。花言葉が「光を探す」らしい。私の人生そのものでちょっとおもしろかった。綺麗な花で、星みたい。ミモザも黄色で、わたしの誕生花も黄色で同じだなあ。タトゥーとか、何かしら意味のあるものをずっと持ち続けていたくて逡巡していた。結果的に、ピアスをあけることにした。耳たぶにはあけるつもりでいたけれど、アウターコンクも追加で。そこに月のピアスをつけたくて。本当は今すぐあけたいのだけど、あけたらヘッドフォンつけられなくなるかなとか、痛いようならもう少し後のほうがいいかなとか考えて時期を決めかねている。お店の人に聞いてみたらわかるだろうか。タトゥーは、もっと慎重に決めたい。だから、今はピアスで。
夕方。先述した感情のない人に捨て台詞を吐かれ、去った後、ダムが決壊したかのように崩れ落ちた。槍のように言葉が刺さる。普段なら腹を立てて終わりだが、崩れかけた心には普段通りなど無意味だ。わたしはわたしに大丈夫だと言い聞かせた。大丈夫でなければならない。一人で落ち着いて泣ける場所など、時間など、この建物には存在しないのだ。それから少しして、楽しげな鼻歌が聞こえてくるから、いつも通り耳をヘッドフォンで塞いだ。わたしを否定する言葉を投げてきて腹が立ったが、すぐに心底どうでもよくなった。感情を消費するだけ無駄だ。わたしは、あなたみたいに優しい人間ではないのだろう。だって、そう否定する声が投げられたから。何も言わないからと傷ついていないわけではないが、声を出すことすら面倒だ。家というのは休む場所であるはずなのに、むしろここにいる時間の方が気を張っている。何が気に障っているのか、わからない。向いてないというけれど、向いていないのはそっちも同じではないのか。それとも、わたしという存在が未熟で不足しているから、わたしという存在が腹を立てる原因になっているのか。それなら、私に残された選択は一つになってしまうではないか。そんな資格、わたしには、ないのに。
早く寝て、早く起きたい。朝の冷たさはまだ怖いけれど、静かで落ち着けるはずだから。人に怯えるよりも、ずっと楽なはずだから。
寝ようと布団で光を遮ったけれど、全然眠れなくて、また憂鬱に襲われて、泣いた。人の気配が怖くて結局1時間は眠れなかった。

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