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真理の扉〜ダンゾウ〜

私は三度のメシより漫画が好きだ。
三度のミシュラン三ツ星高級イタリアンであったとしても私は漫画を取る。
もし母親が他界して、数年ぶりにこの世に戻って来て三度のメシを作る許可が与えられたとする、
さすがにそれは三度のメシを選びたい。

なんせ私は漫画が好きで、特に週刊少年JUMPの作品を愛読している。
その中で今日はNARUTOに出てくるダンゾウというキャラクターについて真理の扉を開いていきたいと思う。
知らない人のために説明しておくとダンゾウとはNARUTOの中で悪役としてなかなか重要な役割を担っている。
立ち位置としては主人公のナルトが暮らしている木の葉の里の中で「根」と呼ばれる暗部を率いているトップなのだが、味方では無く、登場人物の辛い過去の影にはいつもコイツがいる。

私はダンゾウが大嫌いだ。
作品の中で悪役として描かれている以上、嫌いになるのは仕方がないと思う。
しかし悪役といえど他の作品では人気のある悪役も多数存在するし、実際NARUTOの中でも「暁」のメンバーや、音の4人衆なども一定の人気はあるだろう。

ではなぜダンゾウには魅力を感じないのか

私はダンゾウのフィギュアがあっても絶対に買うことはないし、
買う人もいないと思う。
フリーザやセルのフィギュアなら欲しいし、黒ひげやドフラミンゴのフィギュアも欲しい。でもダンゾウのフィギュアは絶対に要らない。

ダンゾウが卑劣なことをしてきた悪役だということは間違い無いのだが、
フリーザだってクリリンを殺したし、ドフラミンゴは国中の人々を不幸にした。
何が違うのだろう。

その答えはずばり笑顔だ。

魅力のある悪役はみんな笑っているのだ。

何故笑っているかというと
その言動すべてが彼らにとっての正義だからだ。
自分の正義を貫こうとした結果、それが一般的な悪だったというだけのこと。

しかしダンゾウは一切笑わない。
何故笑わないかというとダンゾウ自身自分のやっていることに正義を感じていないからであり、本当はやりたくないからだと思う。

ただ、ダンゾウには火影になれなかったという敗北感と三代目火影となった猿飛に対しての嫉妬心が強すぎるが故に悪の限りを尽くすことになるのだ。

つまり笑顔が人を引き寄せるのは主人公に限った話ではないということだ。
悪役でも豪快に笑えば魅力的だし、それが自信の現れとなって読者に伝わってくる。
常に無表情で嫉妬心に駆られたダンゾウは悪役としての魅力が一切ない最低のキャラクターだと断言できる。

これも岸本先生の思い通りなのだろう。

NARUTOには魅力的な悪役が多数登場する。
ダンゾウはその中で真っ向から対立する敵ではなく、
木の葉の里に内在する悪として存在している。
その描き方は大正解だったと思う。

ダンゾウの存在が作品の奥行きを作ったことに疑う余地はない。

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