ビルディバイドのBO3フォーマット攻略についての考察(思考実験)
プレファイナルレポートの途中ですが、ビルディバイド(BD)におけるBO3フォーマットが面白いなと思ったので、思考実験の記事を書きたくなりました。
注意!
思考実験ということは、机上の空論ということです。こうやったら今回勝てていたはず!こうやったら次勝てるはず!という話では全くないので、そこのところはご了承くださいね。
警告(2023/9/26追記)
2023年のファイナルのルールは変更されており、以下の記述が完全に当てはまらなくなりました。この記事は参考にしないでください。強いデッキで2勝してくださいね!
BO3フォーマットとは?
今回決勝トーナメントで使用されたBO3のフォーマットは、このような形式です。
(1)から(3)まではまあそうだよね、という感じですが、(4)(5)が独特に感じます。そして、意図的かどうかはわからないですが、かなり歪んだ、というか、直感に反する(良い言い方をすると新感覚の)メタゲームが生じうると思いました。
さて、私の仮説は、「バランスの悪いチームを組め!」です。
は?という感じだと思うので、説明しますね。
ポケモンで考える
BDのデッキの相性については諸説ありそうで面倒なので、わかりやすくポケモンで考えてみます。自分は赤緑が一番の思い出なので(古参マウント)、ゲームボーイの赤緑初期の環境の話をします。
知らない人はあまりいないと思いますが、ポケモンは、1体ずつ自分のポケモンを出して戦い、チームが全滅した方が負けというルールです。
当時、少なくとも周囲ではスターミー(みず/エスパータイプ)が流行っていました。(ネットとかで情報が拡散しない時代の話ですね)
スターミーは優れた素早さと及第点のパワーを持ち、
水の最強技「なみのり(ハイドロポンプ)」
超の最強技「サイコキネシス」
雷の最強技「10まんボルト」
氷の最強技「ふぶき(れいとうビーム)」
を上から打ち分け、相手の弱点をついて瞬殺できる優秀なアタッカーでした。今ではそういうポケモンはたくさんいますが、当時は希少な存在だったのです。
このため、たいていのチームにはスターミーが入っていて、スターミーを取るためのサンダースがいて、サンダースを受けるダグトリオやニドキングがいて、これらに弱点を突かれないノーマルタイプのカビゴンやケンタロスがいて、という感じで一応のメタが形成されていました。
ここで重要なのは、ポケモンは相手のポケモンをすべて倒した方が勝ち、全滅したら負け、という一貫したルールがあることです。自分のポケモンがすべて活躍した方が勝ちではありません。大事なのは、「勝ったポケモンが残って戦い続けることができ、負けたポケモンが退場する」ということです。
ですから、イワーク、サイドン、ゴローニャといったスターミーに瞬殺されるポケモンだけでチームを構成してしまうのはよくありません。スターミーに全抜きされて終わりです。一方で、スターミーだけを見てサンダース、ライチュウ、エレブーといった電気タイプだけで組んでしまうと、スターミーは倒せても、次に出てくる地面タイプのダグトリオや地震持ちケンタロスに全抜きされてしまいます。
例えば以下の場合、どちらが勝ちやすいでしょうか。
A ダグトリオ+スターミー (個々が強い上にバランスのとれたチーム)
B サンダース+ライチュウ (両方スターミーは倒せるがダグトリオに全抜きされるチーム)
やってみましょう。
まあAが勝ちますよね。知ってた。
つまり、もしこの環境で手持ち2体で戦うならば、スターミー+サンダースとか、スターミー+ケンタロス、などが無難で強い選択肢に見えます。全抜きされにくいバランスのよいチームを組むことが基本ということです。
BDのBO3フォーマットでポケモンやってみる
さて、ようやくBDの話に戻ります。今回のBDの決勝戦フォーマットでポケモンバトルをやるとして、バランスのとれたチームを作るべきでしょうか。違うかもしれませんね。なんとこのフォーマットでは、勝ったポケモンが退場するのです。負けたポケモンはむしろ全快して続投です。え?
ではこのルールで、もう一度先程のAとBで戦ってみましょう。
A ダグトリオ+スターミー (個々が強い上にバランスのとれたチーム)
B サンダース+ライチュウ (両方スターミーは倒せるがダグトリオに全抜きされるチーム)
あちゃー、Bが勝っちゃいましたね。★の行が直感に反しているからですね。
注目していただきたいのは、Bさんはスターミーを両方で倒したことで勝っていて、Aさんのダグトリオが他のどのポケモンであっても関係なかったということです。つまり、「特定のtop tierに対してゴリゴリにメタを張ったいびつなチームを作る」という戦略が生じます。
BDでこの作戦は通用するか?
ようやくBDの話ができますね。誰もが持ち出すであろうtop tierはあるでしょうか。いやいやそんなデッキあるわけないじゃないですかー(妖怪執事)。
あ。いた。
今回の決勝でも大人気のイシュタルテ。ここ大一番では、かなりの高確率で対戦相手の2つのデッキのうち片方はイシュタルテであることが想定されます。そうすると、どういう作戦が考えられますか?
そうです。イシュタルテにだけ勝てればよいゴリゴリのメタデッキを2つ用意することです。他のデッキにはどんなに不利でも問題ありません。デッキ単位ではライオネルやヒノカミ神楽やティルイーザ、カード単位ではワルプルギス、キャスター、イーファ、張り裂ける大地、八咫烏、生存戦略(居城の上におじゃまぷよを降らせる)などでしょうか?そのあたり週末プレイヤーの私にはあまり自信がないので各自お考えください。
さてこの戦略、うまくいくでしょうか。当然問題点もあります。
問題点は2つ。
まず、イシュタルテを持ってきてもらえないと話になりません。
もう1つは、相性やメタ張りをしても絶対勝てるとは限らないことです。ここがポケモンバトルとは違うところです。
このようなファクターを考えると、なかなかの大勝負になってしまうということですが、面白い作戦ではあるな、というレベルではあります。
もう少しマイルドな作戦はないのか?
さてそこまでしたくないというあなた。もう少しマイルドな作戦を考えましょう。キモは、同じデッキに2回勝てばよい、ということですから、それをイシュタルテに限る必要はありません。いくつか例を挙げますと、
案1 冨岡義勇+バドラトス
どちらも後半強めで、アグロに比較的弱い。5コストエースのミッドレンジに比較的強め。例えばクラウディアに瞬殺されても問題なし。そのクラウディアは勝ったので封印されるからです。残ったライオネルなどを2人でカモって勝ち。
案2 クラウディア+メリッサ
アグロ+アグロ。対話はいらない。相手の2つのデッキのうち、アグロ耐性が低い方を連続でしばいておしまいです。途中でアグロ耐性が高い方に負けるのは問題なし。そのデッキはもう使えないので。
どうでしょう。多少現実的になってきましたね。
まあそれでも机上の空論の域を出ませんが、そういう作戦を考えるのも一興かなと思いますし、自慢のデッキを2つ並べるのもまたヨシ、ですね。
次こそプレファイナルレポート最終回です(すみません)!
よろしくね!
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