【プロジェクト発足のご挨拶】
皆さん はじめまして。
俳優をしています、伊藤千鶴と申します。
この度、昨年惜しくも亡くなられた演出家 薛 珠麗さんの言葉を残し・伝え・未来に繋げるために、
珠麗さんが翻訳した戯曲を、過去に珠麗さんのワークショップに参加した俳優達がリーディング形式で上演する
「薛珠麗さんの『ESCAPADE Workshop』 を未来へ繋ぐReading project 」を立ち上げました。
2024年1月28日に開催した「演出家 薛珠麗さんの演劇ワークショップを語る会」を経て、
沢山の方の賛同により当プロジェクトは発足しました。
初回は2024年5月12日(日)に東高円寺にありますK'sスタジオ本館にて、
デヴィッド・ヘア作 薛 珠麗 翻訳『スカイライト』をリーディングいたします。
薛 珠麗さんが主宰したワークショップは2016年3月に始動し、同年11月【 ESCAPADE Workshop 】と改名を経て2023年1月まで(2月は残念ながら開催延期)、11戯曲・2スピーチ、計21回開催されました。
(他に2015年シアター風姿花伝主宰の「俳優のためのシーンスタディワークショップ」、2019年ゴーチ・ブラザーズ主催「エンジェルス・イン・アメリカ」ワークショップ等があります)
参加述べ人数は300人以上になります。
珠麗さんが名付けられた
【ESCAPADE Workshop】
ESCAPADEは、向こう見ずな冒険という意味です。
その名の通り、ワークショップで取り上げた戯曲はすべて一筋縄ではいかない作品ばかり。
『人物を代弁し、 物語を背負い、 言葉を駆使し、世界と対峙し、相手と関わる。』
これは薛 珠麗さんが演出する上で大切にしていらっしゃったことです。
登場人物達が願いを叶える為に必死に手を伸ばしているように、
私達俳優も珠麗さんも大きな物語に飛び込み、手を伸ばし続けました。
だからこそ、ワークショップでありながら作品1本経験したかのような濃密な時間が過ごせたのではないでしょうか。
アクティング枠はいつも人気で見学参加も多く、私自身も果敢に取り組む俳優達に刺激をもらい、物語のバトンを必死に繋いだ時間はとても貴重で今も糧となっています。
薛 珠麗さんの言葉を残すために俳優にできる事は何か。
当プロジェクトでリーディングを重ねる事で、
珠麗さんのお仕事のひとつである、ワークショップについて“記憶”だけでなく“記録”として何らかの形で残せるのではないか。
また、観客もプロジェクトメンバーも新たに薛珠麗さんと出会える場になるのではないかと思っています。
私達にとりましても経験したことがない、新たな、向こう見ずな冒険の始まりです。
薛 珠麗さんとの出会いと沢山の方のご協力に感謝しながら、このリーディングプロジェクトをはじめます。
お気にとめていただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
「薛珠麗さんの『ESCAPADE Workshop』 を未来へ繋ぐReading project 」
発起人 伊藤千鶴