司法試験での使用教材(労働法)

こんばんは。

書類作成が段々と落ち着いてきました。

令和2年の司法試験の出題趣旨が発表されていましたね。

趣旨の内容に添えたかなと思える科目もあれば全然添えなかったなって科目もありました。修習・実務に出るまでに各法律の知識をもう1度勉強しなおしたいところです。

本題ですが、今回は司法試験で使用していた教材をご紹介します。初回は労働法です。

①アガルートの講座(総合講義・過去問解析講座・論証集)

ロースクール2年次には、もうすでに労働法選択にすることは決めていたので、導入として渡辺先生の講座をアガルートで受講しました。渡辺先生の講座は学習進度に応じてテキストで読むべき箇所などを教えて下さるので、計画的に学ぶことができました。

過去問解析講座は直前期お世話になりました。参考答案例がよく練られていてすごいの一言でした、、、。労働法にはぶんせき本(辰巳)のような再現答案集があまりなかった(いっさつ本に載っていたけど、過去問解説まではなかったような記憶。あと直近の問題の参考答案がない。)ので、本講座が手元にあることの安心感は大きかったです。

論証集は最後まで使いました。大半の論点はこの論証集で足ります。論証作成の基礎となる判例の記載がない事はすこし気になりました(僕はこの論証集に、事件の名前や百選番号を加筆していました)。

②水町勇一郎「労働法(第7版)」

(リンクは2020年1月現在の最新版のもの)

本格的に司法試験の対策が始まったときは、労働法の基本的知識は水町先生の教科書をベースにインプットしていました。試験で使えるような記載もなかなかありました。他の労働法の基本書は厚いものが多い印象がありますが、司法試験合格レベルの知識であれば、水町先生で充分です。

③水町勇一郎・緒方桂子「事例演習労働法( 第3版補訂版 )」

演習書はこれを使っていました。個別の論点に加えて最後に総合事例演習がついており、幅広い論点の検討ができるのでおすすめです。試験前はこの本の問題をすべて潰し、論述の要点を自分のまとめノートに綴って活用していました。

あと、加藤先生がこの本の問題を使った講座を販売しています。自分は使用しませんでしたが、自分の理解のみで不安な方は受講してもいいと思います。

④労働判例百選

一番使いました。労働法の問題は判例の規範を正確に理解して記述させる問題が多いので、判例の内容を正確に押さえる事につとめました(判例の規範を正確に答案では使うようにと、ローの労働法演習クラスの先生には強く言われていました)。

⑤最新重要判例200[労働法]

判例学習で中心としたのは百選だったのですが、個人的にロー内での実務家教員による演習講義などを通じて百選だけじゃ足りないのかなと感じる部分があったので、不安を取り除く意味で百選では補充しきれない部分の裁判例を読むのに使っていました。

⑥実務に効く 労働判例精選〔第2版〕

何故実務家よりの本を?と思われたかもしれませんが、これはあてはめで重視すべき点や、最新判例(国際自動車事件など)の言いたい内容がなんなのかを理解するために使っていました。また、取り上げられている裁判例は地裁・高裁レベルが多く、判例の規範を踏まえたうえでのあてはめも多く見ることができ、解説でも考慮要素の検討を詳しく書いてくれているので使ってみて便利だなと思いました。必須教材だとは言いませんが、考慮要素の使い方で困ったときは見てみるといいと思います。


⑦司法試験直前答練

司法試験延期発表後、加藤先生が本番を想定して作成された答練を購入させていただき、解きました。個人的には難解だったところの論述が出て、その書き方を学ぶことができたので非常に有益でした。加藤先生ありがとうございました。

⑧授業資料(労働法演習)

ローの講義で実務家教員による労働法演習を受講しており、問題演習を重ねたので直前期はこの問題集の論点を正確に把握することに努めました。

上記教材の中で、少なくともあったほうがいいのは水町先生の教科書と百選と事例演習の3つでしょうか。ここから各々でいいと思った教材を使うといいと思います(先生も上記3教材と過去問があれば十分な合格点をとれるとおっしゃっていました)。


本日はここまで。






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