ある夜 こんな仕事です企画参加作品
実話です。
企画とは若干異なる内容ですが、忘れないうちに書いときます。職業はある設計会社でPCを使った作業になりますが黎明期なのでカオスで混沌としていました。手計算とPC計算が混在した世界で、外注さんからきた手書きの数式を当時のBASICやFORTRANに落とし込みデータを作るイメージです。機種は詳しくは書けませんが、外国産のPCになります。8インチフロッピーを使用していましたが徐々に5インチフロッピーも登場したくらいです。
当時というか、その頃から下請けは残業は当たり前で、深夜作業もよくありました。家にいる時間よりも会社での時間が多いのが普通です。まぁ今の会社も部署によっては何も変わりません。
仕事の魅力は、めまぐるしく変わるPCや周辺機器の変化でしょうか?数年単位で変化していました。新しい時代が来たと喜んでいたのを思いだします。今はAIで高速に変化しているので最先端にいる人も似たような興奮を感じている事でしょう。後からふりかえれば、ひたすらスクラップ・アンド・ビルドを繰り返しているだけです。ちなみに今日は、昼飯を買いにいくついでにダイソーに寄ったら電卓コーナーにソロバンがありました。まだ用途があるのか不思議です。もし計算尺を売っていたら買ったかもしれません。
幸いな事に仕事をしていて楽しいと思う職業につけました。もしPCが無かったら、自分は何もできない人間だったかもしれません。さて本題ですが、その夜は当たり前のように終電間際でした。地下鉄の降り口まで歩いていると、誰も居ない角地に男が数人います。街灯がないので黒いシルエットしか見えません。彼らはあわてたように『なんで人が居る』と騒いで消えてしまいました。
翌日になるとその角地は焼失していました。大きなビル街の一角は、とても高い値段で売れるのでしょう、地主が立ち退かないので放火した可能性はあります。
もう時効です。私は警察には報告をしていませんでした、プロが見れば不審火である事は一目瞭然でしょうし、相手が男である事以外は、何もわからなかったからです。
深夜の誰も居ない時間帯に帰宅する仕事、それが「こんな仕事」で書きたかった事です。もちろん誰も居ない時間帯を選んで、仕事をする人達にも会ったわけですが……
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