白の洞窟:屋敷の中の謎【魔女のミナリア、洞窟へ行く】(36/50)
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第八章 白の洞窟
第一話 屋敷の中の謎
あらすじ
魔女のミナリアは洞窟に住む黒髪の少女レオノーアに出会う、呪いのために閉じ込められているレオノーアは、洞窟の封印の解除をミナリアに頼み赤と青と黒の洞窟は封印は解かれた。最後の洞窟はミナリアの父親の屋敷内に存在していた。
「屋敷に白い洞窟があるわ」
「私の家は山には無いです」
レオノーラは私に最後の封印の場所を告げるが、洞窟に閉じ込められているレオノーアは勘違いをしている? 洞窟は山にしかない。
「屋敷の地下が洞窟になっているのよ」
彼女はクリスタルの封印が解け始めてからは、周囲の状況を把握できるようになる。最後の封印が私の屋敷内にあると判明した。私が不思議そうな顔をしていると
「屋敷で最後の仕事よ」
「義母に会うのはちょっと……」
義母から屋敷から追い出された負い目もある。屋敷に戻れるか微妙だ。
「弟に頼めばいいでしょ? 」
「そうだ、リュカに頼んでみる」
義母よりも話しやすい、この前は弟を安宿から追い返してしまった。どうやって連絡しよう? ギルドで相談する事にしよう。お金を払えば、お手紙を渡してくれる。前に私がしていた仕事だ。
ギルドに行くために街を歩きながら、封印が全て解除され私の手から指輪が外れた後の事を考える。元の魔法の力に戻り、弱いままの私で生活できる? そう言えば、婚約者だと名乗ったライアンさんは、黒の洞窟の一件から顔を出してくれない。少し寂しい感じを覚えながらギルドのドアを開く。
「ミナリア、お友達が来てるわよ」
魔女ギルドの案内人のマリアさんが私を呼ぶ。そこには赤の洞窟に同行したカルリト少年、青の洞窟に同行したマルシアル老人、そして黒の洞窟に同行したラミラさん、マリアさんの娘が顔をそろえていた。
「ミナリア、しばらくぶりだね」
婚約者だと名乗るライアンも居た。貴族の彼にしては町民のような服装している。マリアさんの娘のラミアがライアンに寄り添う。
「結婚するんだ」
「え!…………おめでとうございます」
私との婚約は破棄して、黒の洞窟でライアンを助けたラミアさんと仲良くなったのかな? とぼんやり考える。
「婚約者を取られたんだ」
みんなには見えないレオノーアが横で笑っているが、言う程は心への痛みは無い。それでも何か釈然としないと言うか、あの時にみんなを助けたのは私だったのに……
「ミナリアさんもお元気そうですね」
まだ歳が若いカルリト少年が私に近寄るとニコニコと笑う。彼も良い人なんだけど年下にしか見えない。結婚相手としては微妙だ。
「――みなさん、どうしたんですか? 」
顔見知りが集まっている理由を知りたかった。
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