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継母:依頼【魔女のミナリア、洞窟へ行く】(34/50)

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第七章 継母
第四話 依頼

あらすじ
 魔女のミナリアは洞窟に住む黒髪の少女レオノーアに出会う、呪いのために閉じ込められているレオノーアは、洞窟の封印の解除をミナリアに頼む、赤と青と黒の洞窟は攻略に成功する。

「冒険者はあなた? 」
 目の前の男からは血の臭いを感じる。錯覚なのは判るが重苦しい顔を見ていると心配になる、腕が良いと聞いて依頼をしてミナリアの護衛をするので、人物を確認したかった。

「護衛相手は、娘さんでいいのか?」
 真面目な性格なのだろう、性格や行動を細かく聞いてくる。できるだけ丁寧に答えると彼は何度も復唱しながら記憶していた。オスカーと名乗る男は、娘に接触した後は報告すると約束をして帰る。

「腕は一流だと評判です」
 執事が選んできた男なので心配はしていないが、男性だ。ミナリアに手を出さないか心残りだ。

「その……彼は娘に興味を持たないかしら…… 」
「大丈夫です、お嬢様は幼い容姿なので……失礼しました」
 執事は途中で咳をして誤魔化した。男性からすればミナリアは、女性としては見られていないのかもしれないと思える。これでミナリアを守れる、私は安心と共に疲れが出ていた。

「母上、ミナリア姉さんは無事ですか? 」
「護衛を雇ったわ、冒険といっても軽い仕事でしょうから一人で十分でしょう」
 リュカが部屋に入ってくる。息子は葬儀の時も平静で涙も見せない。父親の血が同じなのに、姉とこれほど似てないのが不思議に感じる。巻き毛のある頭髪は父親ゆずりだ。性格も夫に似ている。私が両手を伸ばすとリュカは私を両手で抱きしめてくれる。幸せなひとときを堪能した。

「奥様、封印の件です」
「判りました、リュカまた後でね」
 執事と封印の部屋に行く、そこは離れた屋敷の地下にある。リュカが成人をしたら教える必要があるが、実際は私達は何も出来ない。封印の人は普通の女性では無いからだ。屋敷の階段を降りると地下室の洞窟がある。洞窟は頑丈な扉で封鎖されていた。私たちはその扉の鍵を開けて中に入る。

「こんにちは、何か必要な物はありますか? 」
「いつもありがとう、大丈夫ですよ」
 白い部屋の中に居るのはセレーナ。長い金髪の彼女は100年前に、この屋敷に来たと伝えられている。年齢は成人前の少女にしか見えない。強大な魔法を使える彼女は、何かから逃げてきて屋敷に住んでいる。彼女は記憶が無いのか詳しい話を何もしない。

 そして………ミナリアの母親だ。


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