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雑多なSF設定

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SF設定の小説を集めます ・ケモナーワールド ・ジェリービーンズ ・猫探偵
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#ストーリーの種

SS 余命200年。#ストーリーの種

 余命200年。一部の特権者だけが享受できた。一般人は50年前後で落ち着いている。俺は25歳で彼女は125歳。彼女が俺を選んだ理由は、昔の夫に似ているからだ。 「俺の親戚かなぁ? 」 「違うと思う、似てるのは雰囲気だけよ」  特権者は芸術家や研究者が中心で、財産や不動産は無関係だ、金持ちが特権者になるわけではない。国が認めた人間国宝のようなものだ。特殊な感性を持つ人たちは0から1を作り出せる。一般人は出来ないから、特権者が作り上げたものを楽しむだけの人生になる。 「俺も

SS 永久には動きそうもない、B級機関だった。#ストーリーの種

「ここがA級機関調査室だ」  薄暗い蛍光灯の下で数人がだらけている。モニターを見ているようでゲームに夢中な職員や爪を磨いているOLが居る。自分が配属されたのは、永久機関を審査して調査をする部署だ。つまりリストラ対象の職員部屋だ。 「何をすればいいんですか?」 「調査対象のメールが来たら動かないとテンプレメールをする」  永久機関は、外からエネルギーを与えないで動作をするシステムで物理学的に存在はしない、もし存在するならばそれはA級と呼ばれて登録される。現実には動かないB級

SS 今のは何のCMだったんだろう。#ストーリーの種

「今のは何のCMだったんだろう。」  当たり前のように動画を見ていると、広告が入る。素人の動画だ、編集の間違いに感じた。なぜか自分はCMと解釈していた。薄暗い朝日の中で未成年の少女が海を見ている。  それから少女を幻視する、地下街の電子広告に映っている場合もある。映像を見ているとちらりと現れて消える。自分は不安定な精神状態のための錯覚と解釈をした。自分が狂っているとは考えたくない。 「勉強疲れかな………」  もちろんそんな事があるわけもない、そして彼女は夢にも現れた。

ストーリーの種:あいつが転校してくるまでは、俺がこの中学校いちの変人だったのに。

「あなたは変人じゃないわ」  俺にとどめを刺すように転校生は宣言する。俺は胸に手を当てると片膝をついた。 「君は俺を殺す気か! 」 「お芝居が大根」  冷静に分析されると俺も冷めてくる。確かに芝居している自覚がある。心から本気で演じているわけでもない。それどころか信じてすら居ない。自分の作った設定を利用して、自分は他人とは違う事をアピールしているだけ。大人しそうなメガネの美少女は、俺の心をえぐる。あいつが転校してくるまでは、俺がこの中学校いちの変人だったのに。 xxx