SS くされ縁【お題:#腐れ縁だから】青ブラ文学部参加作品(550文字位)
出会いは偶然で永遠に思える。海の中でそっと触れた時に、つながれた。
「私と死のう」
「わかったよ」
何回も繰り返す言葉。海を散歩すれば気が晴れて忘れる。彼女が落ち込み、僕がなぐさめる、くされ縁だと思う。いつもと同じで夕暮れの中を歩けば気分がかわるはずだ。その日も一緒にでかけると大きな波がうねるように砂浜を洗う。彼女は嬉しそうに近寄っては逃げた。
「危ないぞ」
「平気よもう平気」
波にさらわれる、いやさらわれるのが運命だと感じる。
「おなかも大きくなったから……