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沙々杯 審査員賞 まど夏賞受賞句の発表です✨

まど夏賞はこちらの 6句になります✨

赤子抱くマミーのほほは冬珊瑚 西野圭果

上五、中七、下五すべてに
赤のイメージが入っている句。
生命と母性を感じます。

新米ママは大変です。授乳ひとつとっても
最初のうちは赤ちゃんとのコンビネーション?が
うまくいかないことも多く、汗だく。

経験者は口を出しがちにも関わらず
先輩ママである作者は優しい眼差しで
見守っています。

尊いワンシーンを見せていただきました。

銀世界童になりて遊ぶ吾 Sazanami

こちらは白銀の世界そのもの。

作者は沖縄のかた。
私も雪の少ないところに住んでいます。

大雪で苦しまれている方には申し訳ないのですが
映画のように雪と思い切り遊ぶのは夢のよう。

次のことを考えずに雪と戯れる。
大人になってしまうとなかなかできないこと。

雪と遊ぶ喜びに満ち溢れた句に共鳴しました。

結露拭き指先染みる冬の朝 xu

冬の大問題、結露。

結露し出したなと
拭き取りに忙しくなる頃は
当然寒い時期。

拭いては絞り、拭いては絞りを
繰り返していると指先が冷えてきます。
サッシも冷たい。

お掃除ですから
窓を開けてたりもしていると寒い。

冬だなとつくづく感じる。

共感の句です。


コーヒーを片手に見ゆる貨車の雪 こんぶかつお

乗り換えを待つターミナル駅のデッキや
ホーム内のコーヒースタンドでの風景が
浮かびました。

コーヒーを片手にぼうっと線路を眺めていると
視界に入ってきた貨物列車。

永遠に続くのではと思うほど長い。

行先表示のない貨物列車はどこから来たのか
これからどこへ行くのか全く分かりません。

貨車の雪と車両に書かれている常備駅を見て
まだまだ続くであろう長い旅に思いを馳せる。

勝手に想像が膨らみました。

シリウスが時節の巡り教えたり chitoseArk

冬の透明感がシリウスに
凝縮されているような気がしました。

冬の星座といえば日本では
オリオン座が最も有名かなと思いますが
おおいぬ座のシリウスも
冬の大三角のひとつ。

古代エジプトでは
信仰の対象にもなっていたそう。

シリウスを題材とした句は
いくつかあったのですが
自然の摂理を詠んだところに
オリオンとは違う壮大さを
感じました。

絶望をまるっと飲んだ冬茜 aloha

冬枯れの荒涼とした風景には

なぜか絶望感が漂います。

茜の空が乾いた大地を飲み込む。

あっという間に夕闇に変わってゆく一瞬の刻。

冬茜に溶けて私も消えてしまいたい。

そんな気がしました。


🏆総評🏆


私の選考基準は
色や風景が見えること。

俳句素人の私が
感覚的にいいと思っただけの
大変わがままな基準です。

投句順の一覧表から選句しましたので
背景や解説を先に読んではいませんが
後から読ませていただくと
詠まれた通りの句に共鳴しただけの感想でして
何のひねりもありません。

ここまでお読みいただいたかたも
マガジンやコメント等で出会われた方の
作品で「これは!」というものがありましたら
ぜひ記事でご紹介ください。

お互いに称えあい、交流する。

沙々杯ホストとして
これ以上の喜びはありません。

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