未来の教育の目指すべき姿と教育改革が実現しやすい組織

はてなブログに2018-12-09に投稿した記事の転載。

目に留まったツイートから、大阪市議会議員の方のブログ記事「質疑:今の時代に合った教育を展開しよう」を拝見しました。内容は、議会での質疑内容についての記事です。専門用語がちらほらあり、一般には理解しづらい部分もあるのではないかと思う質疑に感じましたが、興味深く拝見致しました。

テーマは、①教育でのIT・テクノロジー活用、②ICT環境整備、③学校教育ICTの将来ビジョンといった所でしょうか。

大きいテーマで教育へのIT・テクノロジー活用については、察するに、Classiのような仕組みの導入をイメージされているのかなと感じました。
そして、学校のICT環境としては、理想は一人一台のPCなりタブレットが使用できる環境になっていることなのだろうと感じました。確かに数年先はそうなってほしいです。

【未来の教育の目指すべき姿】
 この質疑内容を拝見して、個人的に、2025年頃にはなっていてほしい教育の姿は、以下のようなものです。


 ● 学校で一人一台のPCもしくはタブレットが使用できる環境に
  なっている。※BYOD含む。
 ● 児童生徒の解いた問題や作成した資料等がタブレット等を
  通じて共有できる。
 ● 授業中に複数の生徒の解答をプロジェクタを通じて表示できる。
 ● 授業動画やプリント等の授業教材が児童生徒のポータル上で
  確認できる。
 ● ポータル上では、児童生徒個人個人の学習状況等のデータが、
  先生はPCから、保護者はスマホ等から確認できる。
 ● 児童生徒の個人ポータル上では、AIにより個々のテスト点数等の
  学習記録に応じた教材が促される。(個別学習機能)
 ● 学校からの周知事項の確認や面談申込等は、基本的に全てネット上
  で行う。
 ● 先生の指導結果として、児童生徒の前年学習データとの比較機能が
  あり、自身の指導結果、生徒が伸びているのかどうかが把握できる。
  (学力向上度の表示機能・学力分析機能)

拝見したブログに掲載されていた、市議会での質疑内容からは、議員の方が見据えている未来像は、上記のような姿なのかなと感じるとともに、Classiのような仕組みが導入され、一人一台PCやタブレットが配布されている姿かなと感じました。

記事中の、パブリッククラウドに移行しよう。
生徒・保護者・教員間のパブリッククラウドといった表現からは、少しその趣旨が読み取りづらい所ではありますが、学校で作成した資料等が家でも確認できる。授業動画もあとからポータル上で見返せる。その他の教材動画もある。
保護者も生徒の学習状況がポータルで確認できる。スマホで電車通勤中の隙間時間など、どこからでも確認できる。そんな感じなのかな。っと。

そのために一人一台PC、タブレットなどの導入について質疑があったり、将来ビジョンはどうなのか?といった質問されているという理解で拝見しました

【 教育改革が実現しやすい組織とは? 】
こういう質疑を拝見すると、教育環境を大きく変えるには、やはり、大規模自治体では予算確保や公平性の観点から難しい面があるのかなと考えてしまいます。Classiは私学中心ですし、studyplusは塾中心です。

※Studyplus:生徒の学習状況の記録確認分析ができる。


教育改革は、小規模自治体が進めやすいのではないかと感じます。

こうした議論で頭をよぎるのは、三枝匡氏(元ミスミグループ本社代表取締役社長)の事業組織はなるべく小さくという「スモール・イズ・ビューティフル」(※1)といった考え方。そして、「大阪都構想」の適正な規模の基礎自治体に分割するという考え方です。

大きな組織を変えるのは難しい、動きやすい小さな規模の組織を保つこと。
適正な規模の基礎自治体に分けて、それぞれで特色ある教育や福祉等の改革を実現する。

そうした考えが教育改革にも大事なのではないかと思います。

やはり教育改革しやすいのは、私立学校。
そして次に小規模自治体かなあと思います。
(財源の問題はありそうですが)

大規模自治体は、三枝匡氏のスモール・イズ・ビューティフルではないですが、組織を適正なグループに分け、予算人事等フルセットの権限を与えたうえで、改革を進める必要があるのではないかと考えます。

※1 三枝氏の「スモール・イズ・ビューティフル」については、 以下の記事を参考。

事業組織はなるべく小さく「スモール・イズ・ビューティフル」/株式会社ミスミグループ本社代表取締役社長CEO 三枝匡(企業家倶楽部2007年8月号 核心インタビュー)http://kigyoka.com/news/magazine/magazine_20150819_4.html

※2 教育の未来の姿としては、以下の記事も参考になる。
(be report)学校現場で進むICT スマホやタブレットは「文具」に:朝日新聞デジタル

※3 上記の※2の記事中で紹介されているロイロも私学中心の導入事例。教育委員会も導入校としてかなり多く掲載されていますが、おそらくモデル校的な活用かと。また、個別導入事例で神奈川県秦野市が掲載されてますが、秦野市は人口16万人、小学校13校。やはりこれぐらいの規模が改革しやすそう。

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