エッセイはじめました <おかず問題>
大学生活が始まって、二か月が経った。とにかく怒濤の二か月である。
大学生活は、今までの中高生のときの生活よりも忙しくなるのだろうという予想はしていた。もはや確信していた。だから、ある程度の覚悟はしていて、実際、授業が本格的に始まり忙殺されると「なるほど。やはりな(フッ)」と思うのであった。
しかし、私は予想外のところで大学生活の苦しさを味わうことになる。
それは、「ごはん問題」。もっと言えば「おかず問題」である。
まず、「大学は学食が楽しみだな~」などと浮かれていた高校生の私のことを今の私はぶん殴って怒鳴りつけたい。
「いいか、よく聞け!学食ってやつはそんなに甘いもんじゃないんだ!毎日食べるには地味に高い値段だし、第一にお昼の時間の食堂は戦場なんだ!食券を買うのに長蛇の列。ごはんをもらうのに長蛇の列。そして、買うことができたところで食堂の席はすべて埋まっているのだ!空き教室を探したところで、ごはんを買うにも席を探すにも時間がかかって結局急いで食べることになるのがオチだ!学食を食べることができるのはお金と時間に余裕のある上流階級の貴族だけなんだ!」
高校時代の私よ、許してほしい。毎日、すべてのおかずが冷凍食品のお弁当を食べている今の私を……。
また、私の毎日の生活で授業終了後の予定は
月曜日 サークル
火曜日 バイト
水曜日 サークル
木曜日 サークル
金曜日 バイト
である。
サークルは、学校を出るのが21時前後。バイトは終業が22時過ぎ。
なので、帰宅は毎日23時前後である。
また、土日祝日は用事がない限り昼過ぎから22時過ぎまでバイトだ。
ではここで問題!私の毎晩のお夕飯はなんでしょう。
23時以降、あとは寝るだけなのにお夕飯だなんて、そんな不健康な食生活はできない!でも朝ご飯とお昼ご飯だけの生活だと持たない!
……それでは正解発表。私の毎日のお夕飯は、「駅のホームで電車を待っている間に急いで食べるおむすび」でしたー。ついでに、主に食べる駅は新宿駅である(いらない情報!)。
サークルは楽しいし、バイトだって自分の意思でシフトを入れている。
しかし、今の私の切実な願いは「おかずが食べたい」だ。毎日のお夕飯がおむすび。おむすびとはすなわち、おこめつぶの集合体である。
肉が食べたい……。
魚が食べたい……。
野菜が食べたい……。
大学生活で、こんなに食生活で苦しい思いをするとは思ってもいなかった。
先日、久方ぶりに体重計に乗ってみると、体重がえらく増えていて驚愕した。毎日しっかりとお米を食べているせいで、体重は着実に増えていっているようだ。炭水化物というものは恐ろしい。どうして私は好きなものを食べられない上に太るという拷問まで受けなければならないのか、と体重計の上で絶望した。
今日も今日とて電車が来るまでの時間を気にしながら、駅のホームでおむすびを食べる。最近は母が「暑くなってきて、傷むのが怖いから」といってお弁当とおむすびには保冷剤をつける。お腹をこわす心配はないが、えらくお米が硬い。
ああ、駅の電光掲示板が涙でよく見えない。
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