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エッセイはじめました <ハンドルネーム>

 ハンドルネームというものにとても悩まされる。みんな、どうやって考えているのだろう。

 と、いうのも、先日チャットアプリのようなものを始めた。そのときに、「あなたの名前を入力してね」という大きな壁が立ちはだかったのだ。
 名前、それはとても難しいものだ。私は短歌やエッセイ、Twitterをすべて実名でやっている。ハンドルネームを考えるのは久々だった。
 悩む。とても悩む。いや、これがゲームのユーザー名なら悩まないのだ。問題は、このアプリが他者とチャットをするもので、すなわちハンドルネームを「ダイオウイカ」にしたら私は「ダイオウイカさん」と呼ばれるということだ。
 悩む。とても悩む。ここでもう一つポイントがあるとすれば、既にチャットをしている人々のハンドルネームを見ることができたらなんとなく雰囲気を掴むこともできたのだが、このアプリは初期設定ができないとチャットの場にも行くことが許されていなかったのだ。

 くっ……。私は一体どうすれば……。
 しかし、ここで一つだけ希望の光が見えた。名前は設定からいつでも変更可能だというのだ。捨てる神あれば拾う神あり、である。
 それでも悩みに悩んだあげく、私が最近ハマって食べまくっている「クルミ」という名前にすることにした。
 いざチャットをすると「クルミさん」と呼ばれるわけなのだが、自分のなかでの違和感がすごくある。き……気持ち悪い……。
 「クルミ」の名前で既にチャットしてしまった人がいるので、「あれ?この人名前変わった?」と思われるのがなんだか嫌で、アンインストールしてもう一度インストールする。謎のこだわりである。
 次はどんな名前にしようか。前回チャットの場に行って学んだことは、
・実名のようなハンドルネームが多い
・漢字の名前は少ない
・呼ばれること(さん付けなど)を想定していないような名前もある
というような特徴だ。
 悩む。それでも悩む。
 私が本名で短歌を発表する前に使っていた筆名を使おうか。いや、スランプ期に今村風子名義で短歌を出すのが嫌で作った筆名にしようか。最終奥義「ふうこ」または「ふーこ」にしようか。引き出しが過去の事例しかなくて情けない。うなうな言いながら悩み続けた。
 そして、結果。
「ふう」
である。
 地味~。なんのひねりもないし、つまんな~~い。わりとそのまま~~~。

 と、いうわけでいまだに納得がいかない。
 暇さえあればハンドルネームを考える日々だ。

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