エッセイはじめました <妖怪ダイオウイカパンツ>
私が普段大学に行くのに使っているカバンは、ばかみたいに大きいリュックである。普通のカバン売り場ではなく、旅行用カバンの売り場で買ったものだ。そんな大きなリュックに、私はこれでもかというくらい荷物を詰め、ぱんっぱんにして大学に行く。「どうしてそんなに荷物があるの?」とよく聞かれるが、自分でもわからない。私としてはそんなに無駄なものは持っていないと思う。
それから、私はそのばかでかいリュックに大きなダイオウイカのストラップ(キーホルダー?)を付けている。こいつは私の大のお気に入りだが、電車のなかでかなりじろじろ見られる。そして人によってはとんでもなく不評だ。私が大学で一番好きな友人は「頭おかしい」「気持ち悪い」「最初見たとき、絶対こいつと友達になりたくないって思った」と言う。ひどいなあ。四年かけてダイオウイカは素敵だってすり込まなくては。
友人のなかに、「大学生になって毎日洋服選ぶのだるいよ~」などと言う人がいる。私は高校時代から私服だったのであまり感じなかった。私の私服はだいたいがブラウスにスカート、あるいはワンピースだ。ワンピースというものは一枚ですべて決まってくれるのでとても便利だ。ついでにズボンはほとんど履かない。
さて。あなたは「妖怪ダイオウイカパンツ」をご存知だろうか。どんな妖怪かと言うと、大きな大きなダイオウイカを付けたぱんっぱんのリュックを背負い、パンツを丸出しにして歩くという、不審者タイプの妖怪だ。今年の四月に誕生した妖怪なので、まだ詳しい生態は明らかになっていない。
荷物を大量にいれた重たいリュックを背負って歩くと、生地の種類によってはスカートがどんどんどんどんリュックにめくられてしまう。リュック&スカート女子なら誰しも経験があるのではないだろうか。
私も例外ではないのだ。新宿駅をパンツ丸出しで闊歩したことは少なくない。あの現象の恐ろしいところは、本人はまったく気づけないという点だ。気をつけよう、気をつけようとは思うのだけれど、ついついパンツを丸出しにしてしまう。悪意はないし、故意でやっているわけでもない。あれは事故だ。盛大な事故なのだ。
「カバンにダイオウイカつけてパンツ丸出しで歩く奴いたwww」とTwitterで晒されてしまうのも時間の問題かもしれない。
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