アニメ『境界戦機』の個人的な感想 第23話編(スカスカなのに無駄が多いと感じる謎)

新日本協力機構こと新日本のお話になってからというものドンドンおかしな方向に向かって突き進んでるこのアニメ。
無自覚に日本(というか地元の広島)を裏切ってることに気付かないヤタガラス、ヤタガラスを嵌めてるといった方が自然だがそんなつもりはないらしいユーラシア、北米憎しで集まったもののそまれまでの話で日本人を痛め付けてるせいでどの面下げてここにいるんだよと言いたくなる自由アジアとオセアニア、副司令親子揃ってクソコンサルを懇意にして進んで悪さをする北米軍、セリフでしか存在しない日本政府…
よくもまぁこれだけ勢力がいるのにどれにも肩入れしたくないと思ってしまうアニメも中々ない。どうせなら共倒れしてほしいが、まぁいい。

前回ではアモウらが北米軍の支配圏から脱したもののヤタガラス隊員に犠牲が出るという事態に見舞われた。
それを受けて落ち込んでるシオンがその時の心境を打ち明けていたが大した内容じゃないので割愛。あとシオンは周囲を眺めて「いつもと変わらないね」とこぼすけどそらそうやろとしか。
その後ガシンから慰められて泣き出すという「それ4話でやったよね?」っていう天丼展開をやってしまうが、この辺り大してこの後の展開に影響してないのでいつもの尺稼ぎなだけという。

自分の心情をセリフで説明しても白けるだけだってどうして誰も教えてやらなかったのか。

さてこの新日本では他の経済圏から軍隊が集結しており新日本軍なるものを形成しているらしい。しかしこれ端から見ればテロリスト部隊を中核にして勢力が異なる敗軍が寄り集まってるだけでしかなく、当事者からも『(自分達は)烏合の衆』とこぼれる始末。
それでも負けるつもりはないらしいのは何か勝算があるというのか?まさか三機しかいないメイレス頼みではないだろうなと思ってしまうが流石にそれはないだろう。

戦力を集結させているのは北米軍も同様であり極東方面軍総司令官なる人物が来日し他の勢力圏から艦隊まで引っ張り出してきている。
だがここで引っ掛かるのが副司令のスピアーズだ。これまでの話で散々新日本との戦いへ導線を引こうとする様子が描写されていたが、それは上からの指示じゃなくてコイツの独断の可能性が出てきたのだ。
現に総司令もスピアーズの行いについて触れることはなく新日本を騙るテロリストを打倒することを話している。
ここまで話しておいてなんだがこれは書き手である自分の主観に基づく邪推の域を出ない話だし、見せないだけで察してたり口裏合わせをしているのかもしれない。だが本当に部下のことを何もわかってないとしたら到底ほめられたものではない。
このアニメの登場人物の『水準』を考えるとどうしてもこう考えてしまう。

その後マサキの遺品整理とか狙撃犯らが捕まったりとかゴベールが襲撃してきた連中を返り討ちしたりとか散発的なシーンが連続するのでいちいち話の繋がりのなさばかりが印象付けられる。話運びの劣化がここに来て極まっている。

さてそんなこんなでアモウらは縁日をやってる神社に足を運ぶのだがどうも富山県にある神社らしい

アニメの神社

富山県は富山市にある『若宮八幡社』という神社らしく、グーグルマップで調べたらあっさり出てきた。
源氏および武家全体の守護神である神様を祀る神社とのことだが21世紀半ばになって神頼みかよとか自由アジア圏内なのによく無事だったなとかは考えない方がいいのも知れない。
他にもさっきまでの落ち込みが嘘のようにやたらテンションの高いシオンや無駄に念入りなお祈りとか神経を逆撫でするようなシーンばかりで見ていてウンザリさせられる。
終盤になっても好感どころか嫌悪感すら植え付けようとしてくるのは狙ってやってるわけではないにしろいい加減にしてほしいものだ。

そして戦いの始まりの前に両陣営は戦術特化型AIを機体に積んだということだが、新日本はともかく北米軍はそれまで一体何のAIを積んでたんだよと。自律思考型AI(自立思考型ではなかったらしい)の開発に成功したという14話冒頭のガシンのナレーションは一体何だったのか…?

そして北米軍と新日本軍、その代表が交互に演説をするシーンになるのだが下手な積み重ねがない分敵役である北米サイドの方がマトモに見えてしまう事態になっている。
新日本はそれまで戦ってた連中同士が北米相手に負けが込んだのでヤタガラスを巻き込んで立ち上げた集まりだというのに、何故かキリュウの語り口はまるで自分から進んで新日本を立ち上げてそれに他の経済圏が乗っかってるような前提で話しているのだ。
このアニメ脚本を複数の人間でやっているのだがこの話を担当した人間に正確な情報が伝わってない可能性がある。少なくとも打ち合わせしていたらキリュウの演説はああいうものにはならなかったのではないだろう。

しかし今回決戦前だというのに緊張感に欠けたシーンが多すぎて虚無に片足を突っ込んでいるような状態であった。
しかし振り返って見てみれば二期が始まって5話はアモウがウジウジするのから立ち直る(?)までに浪費したりそれが終わったと思ったらお誕生日回をやり出したりしていて元からだったと思い直した。
時間を無駄にする…という言葉をこれほど的確に表現してみせたアニメは自分の知る限りではこれが一番当てはまると思う。

そんなこんなで次回から最終決戦。やっとこのクソアニメから解放される時が近づいてきたようだ。

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