アニメ『境界戦機』の個人的な感想 第15話編①(敵も味方もろくなのがいない)

前回ヤタガラスのピンチを(ご都合主義をビンビンに感じる展開で)救ったアモウ。対する北米軍の指揮官は突然の乱入者に動揺しながらも後続との合流を優先して部隊を退かせるのだった。
アモウだけでなくガイも健在で相変わらずの騒がしさである。それがかえってアモウの様子のおかしさを目立たせているように見えなくもないが、果たして…?

唐突なネタばらし

なんとか危機を脱したヤタガラスはその流れで整備主任のミスズとも再開。彼女は実は外国の企業の偉い人であり、ガイをはじめとする自立思考型AIの生みの親でもあるとのこと。
いきなりこんなことを言われたヤタガラスの面々は驚き戸惑っていたがそれ以上のことはなくミスズの話をあっさり受け入れてしまう。
この後の話も考えるとヤタガラス側の反応がダダ甘だと言いたくもなる。少しは文句を言ってもバチは当たらないと思うのだが…

そしてミスズは更にとんでもない話をしてくる。
彼女が代表を務める機関トライベクタ(で合ってるのか?)でガイらが作られたという話だったが、それ以前にプロトタイプのAIを開発、それがトラブルで逃げ出した結果アメインゴーストとして日本で暴れまわっていたということを言われたのである。
この場面ではガシンはアモウへ掛かりきりになっていて話を聞けていなかったのだが、もしも直に聞いていたらとどうなっていたかとヒヤヒヤしたが聞き手の淡白なリアクションやゴベールが黒幕であることを強調するセリフを鑑みるにスタッフはミスズは潔白だと考えてるのかもしれない…

一方のアモウだが余所余所しい態度を崩さず8ヶ月の間どうしてたのか聞いても「海外にいた」というだけでそれ以上のことは話そうともしない。痺れを切らしたケイとナユタがガイを問い詰めるもこちらはこちらで「口にするのは仁義にもとる」と言い張りどうしても知りたければ情報解析をしてみろとも言うのだった。
それを受けたケイらは流石にアイデンティティを犯すようなことはことは出来ないとして引き下がる。
隠岐の島での戦い以降のアモウに何があったのかは流石に今後明かされるとは思うが、有耶無耶にされるかもしれないという疑いも拭いきれないのがこのアニメである。

色々怪しくなっていく北米軍

二期から主要な悪役ポジに収まった北米軍ではあるが、その描写の仕方はやはりというかお粗末なものだと言わざるを得ない。
ヤタガラスと対峙しているトニー大尉は一期5話に出てきた自由アジア軍の悪代官の流用にしか見えないし、一期から継続で登場しているブラッドなんかはゴースト騒動の黒幕らしいゴベールとつるんで軍備反対派らしい議員への始末を頼んだりしていたりする。
こうした描写の説得力のなさ、引き出しのなさはスタッフの力量不足から来るものなのだろうか?それとも上からこうしろと言われているのか?

北米軍との再戦、そして…

そして日は変わり部隊を再編した北米軍を迎え撃つヤタガラス。以前と違いアモウがいる上に補給を受けたこともありまるで別物のような戦いぶりを…と言いたいのだが以前の戦闘でも敵機の撃破は結構な頻度で見かけてたのでそこまで変わったという印象は正直言うと薄い。
これは敵が射撃戦を重視してる…という建前でろくに動かない姿しか見せてないからなのかもしれない。
その結果場面に映るのはヤタガラスが北米軍を一方的に叩く大味な展開でしかなく、トニー大尉の乗る指揮官機も呆気なくアモウに捉えられてしまう。
機体を損壊させらてたところにアモウから「このまま退けば見逃す、もう日本人を傷付けないと約束すればいい」と言われたトニー大尉。ここで彼は逆上し日本人など俺の足元に這いつくばっていればいい、何度でもやってやるぞと返すのだった。
これはまぁ民間人を攻撃しようとしていたことからも察しは付いていたが、そんなトニーにアモウはトドメを刺してみせる。この姿にヤタガラスの面々が驚愕するところで第2話は終了するのだった。

「誰かを助けるのがレジスタンスだと言っていたアモウが容赦なく人の命を奪う衝撃の展開!」…みたいなことをやりたかったのかもしれないが、お相手であるトニー大尉が非戦闘員すら始末しようとする問題大有りの人物であったことからむしろヤタガラス組の『信じられない』みたいな顔してるのがどうなのかと思わずにはいられない話であった。

次回の記事では今回見事に退場したトニー大尉について色々と話してみたい。

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