アニメ『境界戦機』の個人的な感想 第11話編①(主人公サイドが蚊帳の外)
短いようで長かったこのアニメもついに終盤戦に突入、ラストバトルに向けての前振りという重要な回でヤタガラスはどのように動くのか。
てなわけでまずゴベールが北米軍ブラッド一行に連絡をつけるところから今回の話ははじまる。
なんでだよ。
ゴベールの暗躍…?
前回からヤタガラス一行とは別行動をとっていたゴベールだが、北米軍の特別回線に入り込んで接触したり都合よく相手が求めていたゴーストの情報を寄越したりと胡散臭いムーブを生き生きとやっている。
そんな彼に対して話を受けたブラッドも多少訝しみながらも話には乗り気だ。それを見たゴベールは事前投資の名目でタダで情報を提供、ただしそれは日本海側の自由アジア軍の動向が怪しいという程度のものであった。
一応作中の状況分析を行えばただ事ではないのが分かるんだろうがそれでも確証のない曖昧なものである。これで金取るなら文句が飛んできそうだ。
しかしゴベールが例え節操なしであったとしてもいきなりサービスし過ぎるのもアレだろうからこれでいいのかもしれない。
そういうことにしとこう。
一方その頃、ヤタガラスは呑気に機体の清掃をしていた。
やる気あんのか?(半ギレ)
東北遠征から帰ってきたアモウ達はその後仮拠点に案内される。
他の隊員からは仮住まいだと伝えられたが設備はそれなりに整っているらしく、よくもまぁそれを用意する資産があるものだとつい考えてしまうがこの後の描写で多少見当がつくだろう。
ブレブレキャラなガシンくん
先ほど言った通りアモウらは機体の清掃をしていたがその中でこれまでの出来事を思い出している。ケンブに乗って旅立ってから色々あったというが見てる側としてはアモウはほとんどモブキャラみたいな感じだったので説得力がない。
説得力がないと言えば大して戦っていないケンブの装甲に小さなキズが何個かついてるのもそうであるし、いきなりシオンがアモウが5話で啖呵を切る動画を見たとか言い出すのも唐突だ。
作業しながら行う話題はいつしか戦いを終えてから何をしたいかになりアモウやシオンが色々話をするのだが、ガシンは「オレはゴーストを倒すことが第一だ、それをやらなきゃオレは先に進めない」と言い出すのだった。
ここまでこのアニメを見ていておかしなことに気付くだろう。ガシンの行動原理、その優先事項がコロコロ入れ替わっているのだ。
ガシンというキャラクターは実は一貫した行動指標を持っていない。
初期は『日本を経済圏の支配から解放する』と言っていたが唐突に『自分の選択が正しいのか迷うが戦って人を助ける』ようになったと思えば、それまでに話にはあったものの『ゴーストに対する敵討ちを優先する』ようになっていた。
何の脈絡もなく前回にやったことを破棄してその場その場でキャラの内面を変更するのは視聴者のキャラに対する感情移入を妨げるとは考えなかったのだろうか?
それでも印象が残らないアモウやシオンよりかはまだマシなのかもしれない。「世界を旅したい」とか「陶芸復興だけじゃなくて日本人を守りたい」とか中身のないことを言ってるだけだし。
一つの目標をもって行動しているブラッドら北米軍とろくな未来のビジョンを持ち合わせていないアモウらヤタガラスという意図していない対比が成立してしまった訳であるが、ヤタガラスのはまだ下っ端連中の描写だけだから上の人間がまだ何かしらの考えを持っていれば挽回できない訳ではないが、次回ではそのあたりについて言及する。
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