アニメ『境界戦機』の個人的な感想 第25話編②(赤ちゃんオチなんてサイテー!!!)

一応北米軍を退けたとはいえ市街地を平然と戦闘に巻き込み、友軍の流血を見て見ぬふり。
補給のための海上ルートまで押さえられた挙げ句に戦力の要にしてヤタガラスが新日本協力機構を任されることになった切っ掛けである三機の「ヤタガラスのオリジナルアメイン」ことメイレスを実質的に一機失う大損害を被った新日本軍。
これはかなり厳しい戦後処理が必要になると思うのが普通であろう。

まぁ実際は全然そんなことなく一週間程度でほとんど町は元通りになったらしい。
ふざけんな!!!!!!

現代で発生した『戦争』により日常が徹底的に破壊され人々はかつてのような暮らしはもう望めないようなところまで追い詰められているなんて話は調べれば出てくるだろうにその気配すら全く感じられないというのは作り手として許されない怠慢である。
このアニメを作った人間…いや、『作らせた』人間の無知、無理解、不見識は相当深刻であるとしか言いようがない。

第一主人公らが押し付けられた新日本協力機構とやらからして現実において現在進行形で行われている『あの戦争』の切っ掛けとなった『とある地域』そのまんまであり、この話が考えられていた当時は『あの国』は強かな策士であるとか現在では絶対あり得ない認識があったんじゃないかと邪推もしたくなる。

まぁこの話はここまでにしておこう、言い出したらキリがなくなる。

あの戦闘の後新日本と北米軍は講和する流れとなり、北米軍トップ二人はそれぞれその座を追われることとなったようだ。
露骨に黒幕のように描かれていたスピアーズはともかくとして登場してから自身はおかしなことはしてないはずの総司令まで引責辞任とは北米軍も中々厳しい対応をしたものだ。
自分の領地を敵軍に踏み荒らさせた新日本のトップ連中は少しは見習ったらどうなのか?

ちなみ新日本はに未だに北米圏にいる日本政府に対して誘致をかけているらしいが曖昧な返事ばかりしてると嘆息されていた。
しかしよく考えれば他の経済圏から担ぎ上げられて勝手に独立しただけの連中に良い顔は出来ないのは当たり前だし、そもそも一週間前まで戦地になっていた所に「こっち来い」とか言われても「なに言ってんだコイツ」としかならないだろう。
国の政府をショッピングモールか何かと勘違いしてるのではないのか?

一方北米サイドではゴースト諸とも爆散したと思われていたブラッドが生きており、少尉からゴーストを手に入れてからについてのことを聞かれその真意を口にする。
ブラッドは父であるスピアーズの不正を止めねばならないと考えつつも育ての親に対する恩情との板挟みになった結果ああいうことをしたらしく、事前に公安協力したり狙撃を行う人間とコンタクトを取ったりして議員狙撃を加減してもらったりしたとのこと。

あんな積極的にブラッドが動く描写の後にこんな説明を入れたところで視聴者に納得してもらえると本気で思ってるのだろうか?


作ってる側は頭脳戦とか高度な駆け引きのつもりだったのかもしれないが、実際やってたのは親子揃って悪さを企むギクシャクした出来の悪いコントのような代物であった。
その上昔馴染みの准尉と技術者は事情を知らせて協力してもらっていた(裏を返すと少尉はハブられてた)なんて言われたらそりゃ少尉さんも泣きますわ。ここ良い話みたいな風にしてるけど無自覚な男尊女卑をやってしまっていて呆れてしまう。

そればかりか「ゴーストは実はブラッドを脱出させていた」とか「ゴベールは戦争で理不尽に命を奪われた両親の無念を晴らそうとしていた」とかそれまで主人公の敵であった連中に対して意味があるとは思えない半端なフォローを入れてきて、これを「敵となった人間にも正義がある」ことを表現したいというなら「舐めるな」としか言いようがない。

ちなみにある意味トップクラスに責任重大であるミスズはというと新日本にポストもらったからそのまま根付くことにしたとのこと。

ふざけんな!!!!!!

ミスズはAIの軍事転用について大して反発とかしてなかったり仲間が犠牲になった時に一人だけ普段と変わらなかったりとその人間性を疑問視したくなる描写は多々あったが今回のこれで「コイツが一番とんでもない」ってなった。
ブラッドと並び一期から著しく心証が悪くなったキャラである。

さてここまで肝心のアモウはどうしたのかというと旅支度をしていた。

そしてアモウの端末には赤ちゃんになったガイが映っていた。データを回収したものの復元はそれが手一杯だったとのことらしい。

マジでふざけんな!!!!!!

このアニメ徹頭徹尾赤ちゃんの扱い方気持ち悪すぎるだろ!!!!!!

そもそもガイが機能停止に陥ったのは描写からして強引に回線を繋げられたタイミングで過剰電流を受けたことによる故障…つまりハードウェアの問題であろうから使えるデータを都合よく回収なんて出来るのは現実的とは思えない。

このアニメ作った連中、AIのことをメルヘンやファンタジーに出てくるような不思議生物みたいに思ってる可能性まで出てきた。もう勘弁してくれ!!!

アモウだけじゃなくシオンも陶芸復興のために新日本を離れるらしいがこれはまぁどうでもいい。

こうして赤ちゃんガイと旅に出たアモウがそれまで出会ってきた人々と再会する場面をバックに物語りは終幕する。
まるで打ち切りマンガのような印象を受けるがこれもまぁいい。

問題なのは新日本の領土を出てしまって戻ってこれるかである。何せ経済圏との取り決めに『他の経済圏からの人間の流入はしてはならない』という取り決めをしていたのだから。
つくづく自分の作品の設定を守れないくせに赤ちゃんとかを雑に感動要素のつもりでぶち込んでくる無神経さは一貫していたなこのアニメ!!!

ホントマジでふざけんな!!!!!!


…ともかく、これでこのアニメについての各話感想はこれにて終了である。

あぁ、次は総括感想文だ…!!!
やってやるよ、最期まで付き合ってやるよコンチクショー!!!!!!

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