魚妻みつるの異世界転生

俺は魚妻みつる。
そこら辺にいるサラリーマンのひとりだ。
特にこれといった趣味はない。
週末近くの居酒屋でビールを飲むのが唯一の楽しみだ。

普段の退屈な生活から逃れるために、
異世界転生小説のような展開を求めていた。

ある日、俺は友人の誘いでナンパに行くことになった。
その場で、木村カエラに似た美しい女性に出会った。彼女は謎めいた雰囲気を持ち、
おれはその魅力に惹かれた。

週末ごとに、彼は彼女と一緒に酒を飲むことが習慣となった。しかし、彼女はいつも泥酔しており、その姿は異世界の物語のような非現実的なものだった。主人公は彼女の言葉や行動に深い意味を見出そうと努力し、ますます彼女に惹かれていった。

ある週末、二人は普段と変わらぬように飲み始めた。しかし、今回の酒の量はいつもよりも多かった。おれは次第に彼女が過去に抱えている何かを察知し始めた。

酔っ払った彼女が突然涙を流し始めた。
彼女は異世界の住人であり、この世界に取り残されてしまったこと、そして自分の存在がもはや保たれていないことを告げた。俺は驚愕し、その言葉を受け入れることができなかった。

彼女の涙が枯れる前に、彼女は消え去ってしまった。おれはその後、えむ山で彼女を探し続けたが、どこにも彼女の姿は見当たらなかった。
おれは自分が異世界転生の物語に巻き込まれたような錯覚に囚われ、
現実と妄想の狭間で生きることとなった。

そのとき
目がさめた。夢だった。

魚妻転生


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?