スクスタストーリー2ndseasonに関する所見と展望

 ラブライブ!シリーズのソーシャルゲーム作品として、登場した「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルオールスターズ」(以外「スクスタ」)。そのゲーム内ストーリーの第二章として始まった20章からのストーリーはいわゆる「炎上」してしまった。現時点(2021年2月)の20章の評価は、YouTubeにおける、ラブライブ公式シリーズの「20章予告動画」の高評価が1951、低評価が5082になっている。

何故、炎上したのか

本来であれば、好きなゲームの新たなストーリーは心が躍るものである。しかし、このゲームは何故、炎上してしまったのか、理由は様々あるが、管見の範囲で以下に述べておく。


① 朝香果林、宮下愛の2人を同好会から脱退させ、中須かすみに「裏切り者」と言わせる
② スクールアイドル同好会のライバルとして登場した「スクールアイドル部」のショウ・ランジュに初登場でMVが実装される
③ 朝香果林、宮下愛の2人をランジュのバックダンサーとして扱う

①については、この2人に「裏切り者」というレッテルを貼り、尚且つ同好会メンバーのエマ・ヴェルデというママのような温厚キャラを怒らせる流れ作ってしまった。
②については、ライバルキャラであり同好会を両断した張本人でありながら、専用衣装、モデリング、曲、MVという高待遇を受けた。
③については、朝香果林と宮下愛は、バックダンサーをするようなキャラではなく、どちらかと言えば前面に出て主張するタイプだった。そのキャラクターに、初登場のキャラクターのバックダンサーという扱いをさせてしまった。

20章に関する初見

まず、自分自身「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」については、このプロジェクト発足時の「PDP」という名称の時から朝香果林推しとして活動を見守ってきたことを述べておく。

そんな推しが以上のような扱いを受けたことについては、最初大変申し訳ないが、受け入れる事は出来なかった。「果林はバックダンサーのキャラじゃない!ふざけるな!」というよりは、「果林や愛さんの同好会メンバー及びラブライバーからの評価が下がり、今後の活動に支障が出てしまうのではという懸念」があり、受け入れられなかった。

ストーリーについては、運営がこれで行くと決めた以上、我々ファンからはどうすることも出来ない。ただ、今後を見守るだけである。

ストーリー構成はどうであったかについてだが、同好会のライバルを作るのは悪くない事だと思うし、ランジュのMVの実装も良いと思う。

ただ、問題はここからである。

「三船栞子」の立ち位置である。

栞子は、1st seasonが終わりスクールアイドル同好会に加入した新メンバーである。今まで、μ's、Aqoursと9人構成を守ってきたラブライブシリーズとして初めて、10人目のメンバーが登場した。

加入したタイミングは、17章のラストであったが、20章になってスクールアイドル部に移動してしまった。理由は、「幼馴染のランジュのため」(意訳)である。

自分は、栞子加入を非常に喜ばしいニュースとして、歓迎した。彼女のソロ曲である「決意の光」は和ロックのような衣装と曲であり、AqoursのMY舞大好き人間の自分にとってストライクな曲だった。また、10人楽曲「Just Believe!!」もライブであれば盛り上がり間違いなしのブチ上げ曲だった。

そんな栞子が、17章から20章までの数ヶ月(主人公の「あなた」の留学時期)で同好会から移ってしまった。栞子は、スクールアイドルフェスティバルのために最初は同好会と対立していたが、ストーリーが進んでいく中で同好会と和解し、一緒にステージに立ち、スクールアイドルの楽しさを知り、同好会で活動することを決めたのだ。

しかし、20章では幼馴染のためとして、同好会を去ってしまった。

これが残念でならない。自分が思う20章の1番の失態だ。

これ以降、栞子はランジュの見守り役の立ち回りとなった。もちろん、バックダンサーとして登場もしている。
栞子の加入は、反対意見もあったようだ。確かに、今まで9人だった言わば伝統のようなものを覆して加わったので、そういった意見もあるだろう。それに、同好会に対して対立していた人間が加入するのも、RPGで主人公の家族や村を焼き払った魔王が仲間になるようなものに近い感覚がある。だからこそ、2ndseasonで栞子の株を上げてあげるべきではなかったのか?同好会に残って、どうすればスクールアイドル部に勝てるのかを、歩夢、かすみ、エマ、彼方、璃奈、せつ菜、しずくと共に考えていくことで、栞子の評価と同好会での役割を、しっかり与えてあげるべきだと思う。
第1章では、同好会と対立させられ、第二章ではすんなりと部に移動させられる栞子が不憫ではないだろうか。いや、不憫なのである。

21章及び22章の所見

この二つのストーリーについて軽く説明すると、

21章は、桜坂しずくがメインのストーリーとなり、彼女の部への移動理由が明かされ、「かすみへのライバル心と向上心」による「負けたくない気持ち」で部へ移動したことが明かされる。そして、かすみのライブを見て、やはり同好会へ戻る決意をし、しずく×かすみのカップリングの正統性(正当性)を主張した。

22章は、スクールアイドル部の曲作り担当ミア・テイラーと同好会メンバー天王寺璃奈のストーリーであった。この2人に色々な共通点があり、似たもの同士であることによって2人は打ち解け、ミアはライブで自身の曲を披露する。そして、ミアは璃奈に心を開く。

21章は、しずかすの夫婦ストーリーなので特筆すべき点はない。末永く爆発しろくらいしか感想がない。

22章は、いわゆる「りなミア」というカップリングが成立した。
自分はここに違和感を感じた。「あれ?愛さんとの関係は?」と感じた。

元々、璃奈は、愛さんのおかげで「りなちゃんボード」を作り、表情を出すことが苦手な璃奈の手助けを行った。そして、「あいりな」という地位を確立していた。
そんな愛さんとの関係を置き去りにしておいて、ミアと仲良くさせるのに納得がいかなかった。自分にとっては、愛さんはNTRされたも同然だった。

いやいや、順序おかしくない?まずは愛さんと璃奈の関係を修復してからミアとのストーリー書こうよ!

そもそも璃奈は、愛さんの部への転向について、特に言ってもいないし、普通に会話してるので、そこまで気にする所ではないと言われればそれまでだが…

23章について ※ネタバレ注意


つい先日配信された23章。ここでは、愛さんが同好会と共にイベントを催し、愛さんの部への転向理由が明かされる。(ここまでは予告動画)



さぁ、問題の中身である。愛さんの転向理由は「挑戦したいから」であった。どうやら優木せつ菜のライブが凄く感動したようで、「そうなりたいという気持ち」と「部に同好会を知ってほしいという思い」で移動したようだ。(せつ菜への思いは果林も同様のようだった)

「あれ?それ同好会で頑張れば良くね??」が第一印象である。

「いやいや、部の方が施設整ってるんだから成長するならそっちでしょ」というランジュの声が聞こえるが、元に、せつ菜は、部より施設が劣る、同好会で頑張っているし、21章でしずくがかすみへの対抗心を燃やしていたが、かすみも同好会で頑張っている。

面接なら「それ他の会社でもできますよね?何故弊社なんですか?」と言われるくらい薄い理由に感じる。

もっとこう…「私はこの世で1番のスクールアイドルを目指す。まずは、Aqoursの高海千歌を倒して高みを目指す。『たかみ』だけに…そのためには、同好会なんかでは練習にならない……」くらいの熱い想いを持ってほしい。

一方部はでは、ランジュが同好会のパフォーマンスが好きらしく、ライブ禁止令を解いた。

……???

同好会のパフォーマンス好きなのにライブ禁止にしてた???
まぁ、本人は部に入れさせるためにライブ禁止にしてたっぽいからその辺の事は、一旦海に投げておきましょう(果南並みの感想)。

さぁさぁ、1番の個人的な問題はここからですよ。

エマかり問題です。

既に、ママのような温厚なエマを怒らせたことを述べましたが、それがまだ続いていた。
愛さんの提案したイベントを進めるために、同好会メンバーがスクールアイドル部の部室に足を運ぶようになったが、エマは「用事がある」とのことであまり来なくなった。それに気づいた果林は、かすみに相談して、後悔し部へ来たことで成長した姿をイベントで見せることを決めた。

かすかりを見出したのは素晴らしいことであり、非常にありがたい所である。

ただ、エマかりを亡き者にした罪は重い。アニガサキではあそこまでエマ回でその正統性を主張したが一気に壊されてしまった。今後のエマかりの発展に期待しておこう。

総括

ここまで非常に長々と書いたが、そろそろ筆を置くことにしよう。スクスタストーリーで言えることは、ストーリーを組み立てる順番と部への移動理由の希薄さが目立った。もう少し、栞子、果林、愛、しずくの移動理由を濃く明白にした上で、栞子に関してはもっと悩みに悩んで致し方なく移動したんだという描写がほしいと感じる。今後そういったことが明かされる事に期待しておきたい。

ランジュやミアの登場やライバルポジションへの位置付けはスクールアイドル同好会のストーリーのスパイスとなり、良いアクセントであると思う。

最後に申し上げたいことは、20章が荒れた事を、声優さんに生放送やTwitterで「これからも見守ってください」と代弁させるのではなく、運営から直々に声明を発表してほしかった。それが、このスクスタストーリー問題で1番の失態だ。色々炎上理由や初見として述べたが、そこの立ち回りは大事にすべきだとおもう。我々ラブライバーは、キャラとそこに声を当てて下さるキャストさんのこともキャラど同様に大事に想っているからこその願いである。


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