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ミャンマー問題から考える世界平和

 最近世界を揺るがすのはミャンマーの軍事クーデターである。

 ロヒンギャ問題など世界が思うほどに民主化が進まなく批判もあったアウンサンスーチー氏。しかし、彼女が力を持つことが民主化へのメッセージになっていた部分もある。

 権力を握ってから人権侵害に対応していないという批判が強かったが、軍隊の機嫌を損ねないようにうまく民主化に持っていこうとしていた様子が今更ながら垣間見られる。世界からバッシングを受ける中でも自分の信念を曲げずに進み続ける力と孤独力は尊敬に値する。その姿勢を知っているからこそ国民たちは彼女の解放に危険を顧みずに抵抗しているのであろう。

 世界を相手にしていると問題になるのは治安である。当然ながら治安の悪い国での観光や貿易などのビジネス展開をすることはできない。その点、ミャンマーという国はここ数年安定していたから多くの企業が進出を始めており、2020年12月末時点では433社の日系企業が進出しているようだ。

 本校ではアフリカ・ルワンダという国で研修の機会をこのコロナ禍の前まで持っていた。なぜなら、アフリカという未開の土地ではあるが治安が安定しており、10代の生徒を連れて行っても大丈夫だろうという計算が立ったからだ。

 ミャンマー軍は1年間の非常事態宣言を出し、民主的なプロセスにより選挙を再度実施し新政権に権利を渡すと言っているが、常識的に考えて軍隊の圧力がかからない政党が権力を握ることはこのクーデターで不可能となった。どの政党が選挙で勝とうが、軍にお伺いを立てなければならないスケープゴート的に使われるのである。今後全ての自由を制限されるであろう今回のクーデターに民衆が大反発するのは当然である。

 それなのに世界の反応は辛い。特に1つの政党が国を管理している中国とロシアは軍政権に対して擁護する姿勢も示している。日本も残念ながら強い姿勢では望んでいない。

 それは以前から今回のクーデター首謀者であるミンアウンフライン最高司令官と来日の際には閣僚レベルで会議の席を設けるなど親交があったからというのもある。もちろん、あまり刺激して激化するのを恐れたのかもしれないが。

 このような世界の反応を見ると先述したルワンダで1994年に起きたジェノサイドを思い出す。その時、世界は同国を見捨てた。その結果80万人を超える人々が惨殺されたのである。

 SNSなど情報発信手段のある現代においてはそこまでの大虐殺に本件が発展することはないだろうが(ないと信じたいが)、現状は確実に悪化している。早く世界各国が人道的観点からの介入を目指してほしい。

困っている人がいる⇨ 助ける

 日常ではこの方式が普通だが政治が絡むと一筋縄にはいかない。それならば、ボトムアップで多くの意見をあげていくしかない。


世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。