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ESDの視点

ESDという言葉をご存知だろうか。このオンラインマガジンはSDGsがテーマなので、ESDを知っている方はほとんどであろう。簡単に説明すると「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Developlment)」という意味だ。

 世界は不便を便利にしていくことで発展してきた。しかし、その不便さもほとんど終わりを迎えている。昔は店舗まで行かなければ出来なかった買い物が、今はスマホ1つ2クリック程度で買えてしまう。その支払いもクレジットカードや電子決済システムが発展したおかげで紙でのやりとりはほぼ無くなった。自分が財布を持っているか持っていないか忘れるぐらいだ。これ以上便利になるために、あとは働かなくてもお金が入ってくるというシステム開発ぐらいか?それすらもAIが代替えしようとしており、ベーシックインカムの議論まで表出しているぐらいだ。

 そんな世の中が代償として支払ったもの。それは、マクロな世界観だ。今の自分の生活を良くしたい。そのためには他の国を取り残しても良い。地球環境な二の次。それを一人一人が積み重ねた結果、生態系が壊れ、経済格差が生まれ、資源を求めて紛争が起こるという世の中だ。
 これからを生きる我々が求められるもの。それは、時代の逆行とも言えるかもしれない。便利にし過ぎたものを不便にし、人と人との生のつながりを大切にする。例えば、最近は長文が読めない日本の子供達が大きな問題となっているが、それはSNSと動画の発展の負の影響と言われている。そんな時代を変えていくためには、意識的にでも読書という行為が必要となる。

 一説によると人間が学習効果を高めるためには、「見る」「書く」といういわゆる「面倒」な作業を続ける必要があるとのことだ。人工知能とは異なり人間の脳はそれだけ非効率的に出来ている。
 少し話しが逸れたが、言いたいことは人類発展の限界値はそれそろ見えている。それでも子供、孫にこの世界を引き継ぎたいのであれば、人間の持つ能力開発と世界をより良い場所にする(テクノロジーを使って便利な場所にするという意味ではなく)という共通目的も全員が共有する必要があろう。ESDの観点は今後どのような人間活動にも基本なものとして取り入れていくべきであろう。

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世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。