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【叙】激化するシリア西部、北東部への攻撃。

シリアに対するイスラエルによる度重なる攻撃はアメリカの軍事支援を経て、更に激しくなっている。

これに対しシリアとイランはイスラエル南東部に位置するテルアビア地区に対し国境の強化や検閲所を設けるなどし、ワシントンに対し圧力を与えイスラエルへの軍事支援の停止を働きかけている。

3月12日、イスラエル空軍はF16戦闘機2機でシリア西部にあるタルトゥス基地と、ハマ行政地域及びハマ西部に位置する科学研究所(SSRC)に対し空爆を行った。この攻撃の結果、シリア・アラブ軍の兵士3名が死亡した。

(タルトゥス基地は在シリア露軍基地であり、シリア西部にはロシア兵のみで構成されるフメイミム空軍基地も存在する。)

フメイミム空軍基地を攻撃しなかった理由とし、タナトゥス基地より規模が大きく800人の正規ロシア兵のみで構成される故、ここを攻撃することによりロシアとの関係が更に悪化すると考え、回避したのであろう。

(科学研究所(SSRC)はシリア・アラブ軍向けに誘導ミサイルやドローンなどの軍事兵器を開発する重要施設であり、過去に数度イランのイスラム革命防衛隊やレバノンのヒズボラに武器を提供したとしてイスラエルから非難を浴びた研究所である。)



この攻撃の翌日、シリア北東部にある米国主導の有志連合基地が攻撃を受けた。

米中央軍によると有志連合基地のインフラや整備に損害はなく、基地付近の田園地帯にロケット弾二発が着弾したと公表。死傷者は出ていない。

これまでのところ、犯行声明はなく、米中央軍は無根拠にイラン軍による攻撃だと主張した。

米中央軍は過去にイスラム防衛隊をテロ組織と認定、その直後イランも米中央軍に対しテロ組織認定を行った、犬猿の仲の関係である。

この攻撃の一週間前、米統合参謀本部議長のマーク・ミリー将軍がシリア北東部の非公開基地を訪問していた。
(米統合参謀本部議長は米軍の軍人とトップであり、大統領及び国防長官の軍事顧問を務める。組織体系はアメリカ軍の最高機関であるが、米国国防総省及び国防長官の下に位置する。)

マーク・ミリー将軍は「シリアの米軍基地及び有志連合基地をシリア・アラブ軍又はイランが攻撃することにより、イスラエルが弱腰になる可能性は低く、今の所この二カ国がイスラエルに対し直接攻撃をする可能性も極めて低い」と述べている。

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