見出し画像

World Maker作家インタビュー:オカリさん『ゲーミングPCみたいに光るタコ』

絵が描けなくても映像コンテや漫画ネームを作れるサービス「World Maker」が2023年8月1日(火)~ 2023年10月1日(日)に実施した【ジャンプ+コンテスト】の作品がついにジャンプ+で掲載されました!
大賞を受賞したオカリさんとはどのような人物なのでしょう?
生い立ちや作品作りのヒントについても、深堀して聞いてみました。


【World Maker ジャンプ+コンテスト】の作品がジャンプ+で掲載されました!

▼大会概要
World Maker」が2023年8月1日(火)~ 2023年10月1日(日)に実施
テーマ:なんでもOK
大賞:賞金 50万円筒井大志先生により作画・ジャンプ+に掲載
佳作:Amazonギフト券1万円分

BEFORE/AFTER

筒井先生の手によってWorld Maker のネームが生まれ変わりました。

作画された作品はこちら↓

漫画ネームはこちら↓


▼原作 オカリさんへインタビュー

高校時代、生物の魅力にハマる


── まずは、オカリさんのこれまでの経歴について教えてもらえますか?

オカリさん:奈良県で生まれ、小学校ではサッカーや水泳、中学・高校では剣道部に所属していました。高校生の時に生物模倣に関する新聞記事を読んで生物の優れた機能性に興味を持ち、海への憧れも相まって水産学部に進学しました。
大学では少林寺拳法部や馬術部のほか、ダイビングや博物館系のサークルにも入るなど忙しいながら充実した学生生活を送ってましたね。座右の銘である「何事も経験」は、この頃に培われたのかもしれません。その後、大学院では魚の遊泳などバイオメカニクスについて研究しました。

── 大学院修了後はどうされたのですか?

オカリさん:新聞社に入社しました。
1年目は野菜や花、中古車など相場に関する記事を担当し、2年目は新潟に転勤になったので米や日本酒、農畜水産、町工場に大学など様々な取材を行いました。
仕事自体は楽しかったものの次第に研究への気持ちが大きくなり、再び大学院に戻ることにしました。現在は博士課程も終え、国立の研究開発法人で任期付き研究員として働いてます。

 ──初めて応募したコンテストはなんですか?

オカリさん:日本経済新聞社主催の「星新一賞」です。
思い切って挑戦してみましたが、残念ながら落選でした。

World Makerとの出合いがきっかけで漫画ネームの制作活動をスタート

 ── これまでにマンガを描いた経験はありましたか?

オカリさん:全くありません。
記者時代、異世界を舞台にした小説を書こうとしたこともありましたが、仕事に忙殺されて誰にも見せることなくお蔵入りに。
そもそも小説より漫画の方が好きなので、可能なら漫画に関わる創作をしたいけど、今から絵を練習しても……と思っていたところ、World Makerを知りました。
「これしかない!」という感覚になり、夢中に。最初は4ページで完結する短編をSNSに投稿することから、World Makerでの創作活動が始まりました。

 ストーリーで重要な役割を果たすタコ、思いついたきっかけは?

 ── 改めて今回大賞を受賞された作品『ゲーミングPCみたいに光るタコ』はどのようなストーリーですか?

オカリさん:光るタコを巡るSFストーリーです。海釣りに興じる青年が、全身を虹色に発光させるタコを釣り上げたことから物語が始まります。光るタコの異常に高い知能が発覚し、青年は「タコチューバー」として一攫千金を目論むが……といったお話です。

── なぜタコを描くことに?

 オカリさん:きっかけは共同研究先で実験していた頃、すぐ隣にタコの行動を研究中の方が居て、色々と見学させてもらったことです。眺めていて飽きない面白さがありました。
それこそ昔、ダイビング中に野生のタコと遭遇したこともありましたが、その時も周囲の岩礁に上手く擬態していて驚きました。気になって手を伸ばしたらタコも足を伸ばし、慌てて引っ込めたらタコも逃げ出す……なんて小さなやり取りをしたり。
そういった当時の経験をフックに、タコを主人公にした物語の構想を練り始めました。最初は、深海に高度なタコの文明が存在し、人類一掃のためタコが大地震を起こそうとする物語を考えました。ただ、少々ありきたりな気もしたのでNGに。
仮にタコによる人間以上の世界があるとしたら、意思疎通はどう発達するだろうか? 音?それとも視力の良さを活かして光?あるいは足の多さで複雑なジェスチャーも……と、いろいろ考えました。
「タコの遺伝子は宇宙由来?」なんて説も見かけますし、そういった着想からSFを絡めて、色彩で意思や感情を伝える体色言語や、暗号解読の面白さなどを考えながら制作しました。

登場人物の心情やストーリー展開に注力

── 50ページの作品を作るにあたって、こだわったポイントや苦労したところはどこですか?

オカリさん:最初、主人公の失敗や辛い過去を乗り越えて、タコの解読に行きつく流れを書こうと思ったんです。ただその場合、登場キャラが増えて50ページに収まらないと判断しました。最も伝えたい部分であるタコと人の交流に焦点を絞り、さらに一度ストーリーを終わらせてから後日談を入れることで、余韻ある満足度の高い読後感に仕上げられたんじゃないかと思います。
これは私の大好きな漫画『スピリットサークル』の作者である水上悟志先生提唱の構成手法こと「二重終幕(ダブルエンド)」を参考にしました。

── 環境問題についても少し触れていますね。

オカリさん:ちょっと揶揄するくらいに留めました。
舞台装置というか、あくまでSFの一要素として捉えて頂ければ幸いです。

── この作品は、構想から制作完了までどれくらいかかりましたか?

オカリさん:全体としては約3カ月かかりました。
構想は7月から始め、初稿は8月上旬に完成しましたが、読みながらキャラが多すぎると感じボツに。
8月下旬にはシナリオの骨子はできたものの「どうせならタコの体色言語を読者視点でも解読できるようにしよう」と思い立ったせいで、余計に時間を費やし……この暗号要素がなければ、もっと早く完成できたと思います(笑)
ページ制作は9月に入ってから本格的に始め、完成したのは締め切り間近でしたね。

スマホのメモ帳機能を使ってシナリオを作成

──漫画ネームは普段どのように作っていますか?

オカリさん:いきなりアプリで作り始めるとページを使いすぎてしまうため、いったんスマホのメモ帳機能を使ってシナリオを作り、大体の配分を決めてからマンガに落とし込んでいます。
どの箇所にナレーションやセリフを入れるのかは改行しながら記載し、1ページ目1コマ目想定なら「1-1」みたいな目印を各文頭に付け整理しています。
メモ帳を活用して先にシナリオを作った方が全体を読み返した上で楽に修正できるので、個人的には序盤の伏線など話の構成が練りやすかったです。

──発想や切り口はどのように見つけていますか?

オカリさん:自分の体験から着想を得ることが多いです。
そうするとオリジナリティも出やすいし、伝えたいことも明確になる。
ただ自分の体験だけではいつかネタ切れするので、自分が感じた経験をベースに、日々の会話で面白いと感じた要素も取り入れてます。うまく作品に落とし込めたとき、一番手ごたえを感じますね。

── どうやって話を膨らませていますか?

オカリさん:話を広げるためには、いろんな知識や情報があると便利です。
まずは書きたいテーマについて取材し、聞いた話をもとに追加で調べていく。そうやっていくと、枝葉が広がるようにどんどん話が出てきてきます。
記者時代と重なるのですが、専門家に話を伺うとき、本筋から外れたこぼれ話ほどすごく面白かったりするんですよね。違和感なくネタに盛り込めた時はニヤニヤしちゃいます。
タコの話を書くときも、身近にタコが観察できるからこそ気づけた要素もあり、とても興味深かったです。

World Maker で制作を頑張るメンバーへ

──創作活動をしたい方へメッセージはありますか?

オカリさん:誰しも妄想を形にしたい欲求は、少なからずあると思います。WorldMakerを使えばスマホ一台で形にできるので利用しない手はないです。是非アプリを開いて試してください。
できた作品はTwitter(X)に投稿するのもいいと思います。私自身、相互フォロワー0人からスタートしたので、初期は作品をアップロードしても誰からも反応がありませんでした。
しかし公募への参加などコンテストを通じて自分の作品が読まれ、「いいね」などのリアクションをくれる人も増え始め、それがまた次の創作へのやる気にもつながりました。なので、まずはWorld Makerが出しているお題に合わせて挑戦してみては如何でしょうか。
あと投稿する際はURLを載せるのではなく、画像4枚を直接Xに投稿した方が読まれやすいです。

── 最後にWorld Makerユーザーへメッセージをお願いします。

オカリさん:まさか大賞をいただけるとは思っていませんでした。我ながら豪運です。
最終選考に残った30候補は本当におもしろい作品ばかりなので、是非ご一読ください。
今、私が言えることは、公募に出し続けることの大切さです。
結果が出なくても審査期間中に次の公募へ挑戦するサイクル。
これを続ければ常に希望を維持でき、生活に張り合いも出ます。
応募を続ければいつか自分の作品が評価される日も来るかもしれません。
これからも多くの人々がWorld Makerを通じて、作品が完成する楽しさを味わってほしいです。


▼World Maker アプリダウンロードはこちら
App Store:https://apps.apple.com/jp/app/world-maker/id1631945583
GooglePlay:https://play.google.com/store/apps/details?id=app.worldmaker
macOS:https://apps.apple.com/jp/app/world-maker/id1631945583
Microsoft:https://www.microsoft.com/store/apps/9PPMBS8MTKLT
World Maker公式サイトhttps://worldmaker.app/lp


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?