助手席の異世界転生【毎週ショートショートnote】
急な残業で帰宅が遅くなってしまった。
普段は安全運転を心がけているが、今日は彼女の誕生日を祝う約束で、焦っていて、飛び出してきた自転車に気づくのが遅れた。
慌ててブレーキを踏み必死でハンドルを切る。
間に合わない!と思った瞬間、辺り一面に白い光が広がって何も見えなくなった。
「うぅ……」
目を開けると車の中だった。エンジンは止まっている。一瞬何が起きたのかわからなかったが、自転車にぶつかりそうになった光景が頭を過ぎり、慌てて車を降りる。
近くの電柱に寄りかかる形で、自転車と