腋の薔薇時計【毎週ショートショートnote】
窓から梟が入ってくる。彼の使い魔だ。
彼は森に住む魔術師。
この国で実力ある魔術師の多くは城内で働いていて、身分も保証されるのだけど、彼の気質には合わないらしい。
お城勤めではない彼を両親は認めておらず、密かに手紙でやりとりをしている。
使い魔が運んできた手紙を読む。
「ええと……腋?の薔薇?時計?」
急いで書いたらしく、ただでさえ癖のある字が余計に読みにくい。
どうやら夜のデートのお誘いだ。しかも今から。
突然だけど嬉しい。もちろんOKだ。
承諾の手紙を渡すと梟は瞬時