8:買い物

文豪とアルケミストのキャラで30日CPチャレンジ(連続で書くとは言ってない)
史実に基づかないし、文アルに寄せてるかも怪しい、完全個人解釈で好きに書いています。
またCPは日によって変わります。閲覧は自己責任。


今日はへききょ。

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 電車で数駅行った先に、少々大き目の蚤の市が開催されている。天気も晴天、絶好の出かけ日和だ。
 河東は、特に目当ての商品があったわけではないが、どんなものが並んでいるのか、色々見て回っていた。
 使い込まれた小物入れや、子供用の衣服、手作りと思われる手提げ袋、真贋不明な壺など色々なものが所狭しと並んでいる。
 図書館にいる文士も何人か来ており、掘り出し物を探しに来たり、自分の書いた原稿や詩歌などを商品にして売りに出したりしている。ちなみに、図書館の備品は1度売りに出された事があったが、司書から大目玉を食らってしまい、さすがに誰も備品は出さなくなっていた。当たり前だが。
 河東がふらふらと見回っていると、見慣れた後ろ姿を見つけ声をかける。

「あれ?きよ、来てたんだ?」
「……乗か。俺が来てたらまずいのか?」
「そんなこと言ってないでしょ。何か買いに来たの?」

 高浜が1人で買い物をするのが珍しいわけではないが、目的もなく蚤の市に来るというのは少し考えにくい。散歩なら散歩、買い物なら買い物と、割としっかり目的を持って動く性格をしている。
 あてもなくふらっと出かける河東とは対極の性格だが、それはそれでお互いない部分を持っているのは刺激になる、と河東は考えていた。
 高浜も別に特別何か目的があってきたわけではなかった。散歩のついでに近い。しかし、この蚤の市の事自体は河東から聞いて知ったので、場合によっては顔を合わせるかもしれないなとは思っていた。
 正直に言うと、一緒に出掛けるか声をかけようかと思ったが、蚤の市の話をしている時の河東は行くとも行かないとも分からないような感じで話していたので、行く気はないのかもしれない、と声をかけるのをやめていた。

「特に決まった買い物はない。まぁ、あればと思うものはあるが……」
「なんか珍しいね。でも何か探してるんだ?俺も一緒に探そうか?」
「そこまで必要に迫られたものじゃないんだが……」
「まぁまぁ。何探してるの?」
「筆だ。今の筆が使えなくなったわけではないが、予備にいくつか欲しいと思ってな」
「筆かー。そういえばさっきあっちで見かけたよ!ほら、行こうきよ!」

 高浜が良いも悪いもいう前に、河東はぐいぐいと手を引き歩いていく。引っ張られて若干バランスを崩しながらも、不機嫌になりつつ高浜は河東についていった。
 少し歩いた先に、文具店の在庫処分としていくつかの文房具に並んで、筆も結構な本数売りに出されていた。

「ほら、ここ!きよの気に入るのもあるんじゃない?これとか良いかも!」

 返事を聞かずに次々と筆を手に取り、色々と勧めてくる。こういう所は、若干面倒くさいと高浜は思っている。口には出さないが。
 ただ、自分1人では踏み出さないかもしれない所へひょいと案内してくれる事もあり、面倒くさいと思いつつも嫌いではない所でもある。
 ため息を1つつくと、河東から勧められた赤い筆1本と、もう1本店頭に並んでいる青い筆1本を選ぶ。

「この筆にしよう。お前のはこれだ」
「えっ」

 そう言って、青い方を河東に押し付けた。案内自体は感謝するが、商品を勧めてくるのは面倒くさい。ここまでやるならお前も買え、という意味だ。
 河東は、高浜が無造作に選んだようで、完全に色違いの筆を勧められると思っておらず、思わずぽかんと口を開けてしまった。
 その顔が気に入ったのか、高浜がふっと表情を緩ませる。

「句会も近いだろう。お前も新しい筆で詠めば、新たな気持ちで句が読めるんじゃないか?」
「そうかな?まぁせっかくきよに勧められたし、俺も買おうっと!」

 会計を済ませて、お互い買った筆を懐にしまう。河東にとっては思いがけない買い物になったが、これはこれで悪くない。高浜も、目的のものは購入出来て満足だ。
 まだ図書館に帰るには早すぎる時間。2人はその後もなんとなく2人で蚤の市を見て回り、河東の無駄な買い物を高浜が止めるなどをして、結構楽しく過ごした。

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んん、終わりこれで良かったかな。あんま纏まってはない気が。まぁ良いか。
筆ネタはTRPGでPCやった時につけた設定で、ちょっと肉付けしてみた感じですね。
若干高浜先生が河東先生を面倒くさがってたら良いなぁと……思ったんですが、CPやぞ私……と思ってふっと笑顔になってもらいました(?)
高浜先生の表情の変化は、河東先生は拾って赤面しても良かったんですが、にぶちんでも良いかなとも思っています(?)

まぁこういうのは勢いと思い込みと自分の性癖ですね!!笑。

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