5:キスをする
文豪とアルケミストのキャラで30日CPチャレンジ(連続で書くとは言ってない)
史実に基づかないし、文アルに寄せてるかも怪しい、完全個人解釈で好きに書いています。
またCPは日によって変わります。閲覧は自己責任。
本日はしがだざ。
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「なーんだってコイツと一緒に行かなきゃなんないんだよ!!」
太宰がビシッと指をさした先では、ため息をつく志賀が居る。
急遽、題名が不明になるほどの侵蝕を受けた本が出てきたため、急遽集められた文豪で調査に向かう事になった。広く大きく、何冊もの本が一気に侵蝕されたため、司書や図書館関係者が大慌てで会派を組み潜書をお願いしている。
太宰が駆け付けた時に居たのが井伏鱒二、佐藤春夫、そして志賀直哉の3人だった。司書はお願いだけすると、すぐさままた他の本の侵蝕具合の確認と、また後から駆け付けた文豪に支持を出している。
潜書したと思ったら次、戻ってきたと思ったら司書が駆けつけ情報を聞き出したり、怪我人を補修室に運んだりと、潜書室は非常に慌ただしく人が行き来していた。状況的にあまり文句を言っている暇があるわけではない。
「グダグダ文句言ってる場合じゃないだろ。2人とも先に行っちまってるんだ、俺らもさっさと行くぞ」
「はー?!そりゃ佐藤先生も井伏先生も行ってるから行くに決まってんだろ!お前は!来なくて良いんだよ!!」
「司書の指示だって言ってんだよ、わかってねえのか」
半分呆れ、半分苛立ちで志賀が答えても、太宰の口は止まらない。志賀からしたら、最初からずっと感情的に嫌いという意志を色々な言い方でしゃべり続けてるだけなので、無視を続けても構わないのだが、潜書先でもこの調子だと、連携が取れなくなってしまう。
太宰は太宰で、どうしても志賀が視界に入ると突っかかってしまう。図書館の仲間として、ここは大人に……と考えた事は、一瞬だけはあったかもしれないが、いや、多分一瞬でもそういう瞬間もなかったかもしれない。どうにも鼻についてしまうのだ。
そもそも今起こってる大量の侵蝕に関して、井伏と佐藤、それに無頼の誰かであれば太宰も全然問題なかったと思っている。何故よりにもよって志賀なのか。司書も忙しいのかもしれないけど、もう少し考えて欲しい。
「それとこれとは別!侵蝕者とは戦うけど、お前と一緒には行けねーって言ってんだよ!」
「あーもーうるせえな…!」
志賀は苛立ちながら太宰の襟首を思い切りつかみ上げた。まさか殴られるのか?!と太宰が慌てて身構えると、志賀が太宰の口を自らの口を重ね押さえつけて来た。
何が起こったのか分からず、太宰の目が見開かれる。一瞬の間のあと、すぐにその口は解放された。
「……ぷはっ……!いや、お前、何……!?」
「うるせえから一回口をふさいでやっただけだ。ほら、さっさと潜書に行くぞ」
特に何もなかったかのように、志賀はすっと本の中へ潜書していく。太宰はあっけに取られてしばらく動けなかったが、今起こった事を理解し、顔に熱が一気に集まった。
「お、おま……お前、何してくれてんだよ!!!」
真っ赤になって叫ぶが、既に志賀は本の中。言葉にならない呻きを上げると、太宰は急いで志賀の後を追った。潜書先で何を言えば良いのか分からないが、この場に立ち止まり続ける事も、太宰にはとてもできなかった。
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うるさい相手の口をふさぐってのはよくある話ですよね(?)
本当は昨日書く予定だったんですが、書いた通り間に合わなくて今日です。今日も卓があるのでもう一つ書く時間も厳しいかな……
しがだざは先のお題にある言い争いの方がらしいかなとは思うのですが、そこは別のCPで書こうと思ったので、このお題で書いてみました。
冷静に考えたら、そもそも30もCPが思いつくんですかね……?笑。
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