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バッグ買いました(続・色の話? なりたいと好きの話? バッグの話?)

前回までのあらすじ:実はわたしが好きな色は水色、白、銀だったらしい。

ところでこれ、思いっきりエルサ(from『アナと雪の女王』)の色では? と、この前気づきました。
素敵だったMurralのletter dressも、シンデレラのドレスの色、と同時にエルサのドレスの色ともいえる気がします。吹雪の写真をモチーフにしていると言いますしね。
あれ、そういえば遠い昔、ずばずばざくざく言うのを怖がられてクラスメイトに雪女とかブリザードとか呼ばれたことがあったなー……コンセプト、というかキャラ的にも似てる……?

そんなわけで。
2023年4月最終日。メゾン・マルジェラの5ACミニのペールブルーを買いました。ぎゃー。

こちらです。エルサと名付けてもいいかもしれない。

祖母の遺品としてもらい受けたアクアマリンの指輪と同じカラーリングだ、と買ってから気付きました。

◎その日は突然に

そもそものきっかけはGW前の週末、タイムラインで、おそろしいtweetを見たのがきっかけでした。
いわく、5月にマルジェラは値上げをするらしい。というか半年ごとに値上げをしてるらしい。
……をう。

まあこのご時世です。予想より早くはありましたが、可能性はあるなと考えたことくらいはありました。そもそも2年前と比べても5ACがかなり値上がりしていることをわたしは知っています。おのれ円安。おのれ物価上昇と給料据え置き。ぜんぶ日銀と日本政府が悪い。

……ということは、値上げ前に買わなきゃだなあ。

そう思ったのは自分でもびっくりするほど自然な反応でした。自分は自分が思うよりはっきり、このバッグだと決めていたようです。
前のnoteにも書きましたが、もともとは今年度を無事に過ごせたらバッグを買おう、くらいのイメージで考えていました。
コンセプトには惹かれていたもののそもそも私の人生で最近は演歌を歌うようなイベントもない(休職→復職については演歌リングがある)しバッグを持った瞬間に怒涛のポエムや音楽が流れたわけでもない。バッグ探しを始めて一番最初に持ったバッグだから刷り込み効果もありそうだなという迷いもある。せめてもう少し試着をして覚悟を固めつつ、年度末か、せめて趣味の公演(7月)が無事終わった後とか、何かしらのセレモニーイベントとともに買う、そんなふわふわとしたイメージだったのでした。そうわたしは典型的な、石橋を叩きすぎて壊すタイプです。

とはいえさすがのマルジェラもGW中に値上げなんて恐ろしいことはするまい。
ということは5月の中旬以降とかかなあ。それまでには腹を決めねば。

ちょうど日曜日には友人と銀座で会う用事がありました(銀座six・真田の里芋の揚げ物はおすすめです)。ランチをしながらのおしゃべりではバッグ探しの話にもなり、なんだかんだ最初に持ったバッグが気になっていることなどを話したりしました。優しい友人達はうんうんあれ綺麗な色だよねえ、似合ってると思うよと言ってくれ、うんうんそうでしょう、と頷き。友人たちと別れた後、もう一度試着しておこう、それで確信が持てたらいいな、と新宿伊勢丹に寄りました。
マルジェラコーナーではちょうど別の人が店員さんと話していたので、少し待つことにしました。わたしもこちらのお品が気になってる人なのでちょっと今商品見てるんですよーという雰囲気を醸し出しつつゆっくり棚を見ていると、一番下の棚に小さな札がありました。まるで値札か何かのようなそれを見ると、そこには「5/12(金)から一部商品について値上げを行います。詳細は店員にお尋ねください」との文字が。

……5/12!?

やってきた店員さんは以前試着した際にも対応していただいていた方でした。あの、こちらのバッグを持ってみたいんですが……言いかけるとすぐに、以前もいらしてくださいましたよね、とにこやかに微笑まれました。そうです。二週間ほどぶりです。何なら実はその後にも来てはいるんですが顔覚えてられそうで試着せずに別のブランドを覗いて帰ったこともありました。

「こちらなんですが、実は今度お値段が」
「さっき見ました……!」

頭の中にカレンダーを浮かべます。今日が4月30日(日)。値上げは5/12(金)。わたしはカレンダー通りの勤務、勤務地の都合上、8日以降の平日に新宿まで出るのは……ぜったい不可能というわけではないけど、かなり慌ただしい(閉店時間的な意味で)。ということは今日か、GWの3日~7日に買わないとこのバッグは値上げする。3日~7日の予定は?

……。
………………。

……ここで決めるしか、ない……!

あ、あの人セリーヌ持ってる。こっちはマルジェラ。
あれはグッチ、あれはサンローラン。あれはたぶん、ミナペルホネン。
ラッピングと会計手続きのためバッグフロアの真ん中、会計コーナーの椅子にぼんやり座りながら、世の中にはブランドバッグを持っている人が、こんなにたくさんいるんだなーとぼんやりしていました。
全然知らなかったな。そもそもちょっと前まで、バッグを見てブランドがわかるなんてこと、殆どなかった。

小雨が降ったりやんだりの日だったため伊勢丹バッグにはビニールを巻いてもらい、なんだか全然実感が湧かないまま、右腕に掛けたショッピングバッグから意識を離さないようにしつつ帰宅しました。 

◎始まりでしかない

……とんでもないものを買ってしまったかもしれない。
いや、買ってしまった。

じわじわと。
帰路、電車に揺られながら、そう考えていました。

購入前に試着したバッグはホワイトとペールブルーのふたつでした。
以前の試着の際にも持たせてもらった二色で、そのときは夏ごろまでには決めてくださいねと店員さんには言われました。白は定番なのでいつでもあります、でもブルーはシーズン限定です、とも。
ただ、その日着ていたのはグリーン(#66cdaa、mediumaquamarine)のトップスでした。
靴下も同じ色があるので併せて着ていたのですが、この上にペールブルーのバッグをクロス掛けすると絶妙に合わない。以前ここで試着した際は白のパンツにベージュのトレンチだったのでペールブルーが差し色になってとても綺麗だったのに、その日はホワイトの方が着ていた服には圧倒的に合っていたのでした。
カラーのあるお洋服は結構着られる方ですか。
バッグを交換しながらじっと鏡を見ていたからでしょうか、店員さんに訊かれました。白か、グレーか黒のトップスがあれば合わせられると思いますよ、そんなことも言われました。
白にした方がいいだろうかとは最後まで迷いました。
でも白いバッグなら世の中にはたくさんある。5ACでなくてもある、山ほどある。何ならその日持っていたバッグだって白でした。そして白の5ACを買って、やっぱりペールブルーを買えばよかったと思うのと、ペールブルーの5ACを買ってやっぱりホワイトを買えばよかったと思う状況とを想像した時、前者の方がよっぽど有り得る気がしたし、後者はぶっちゃけ「フォロー・リカバリが効く」気がしました。

好きな色、綺麗だと思うのは圧倒的にペールブルー。
バッグは綺麗な色、自分が一番好きな色を持てるアイテム。それなら、とわたしはペールブルーを選びました。

ところで話は変わりますがわたしのサブバッグは今これです。Dior展のトートバッグ。
(これとは別にシルバーのサブバッグもいずれ欲しい)

で、今回買ったのがこちら。

バッグとは顔映りを気にせず持てる綺麗な色を持てるアイテム、というのはあきやさんの講演アーカイブで聞いた話だったでしょうか。ともあれ、そのことをわたしはDior展のトートバッグから知りました。わたしがDior展に行ったのは黒のダウンコートを着なければ外出できない頃だったのですが、全身黒づくめの格好でもピンクの大きなトートバッグを持つだけで圧倒的に視界が華やかになったのにはびっくりしました。それまで冬に持つバッグはエコバッグ含め、黒、茶、カーキ、灰色など、彩度、明度の低い色ばかりだったので、その差は劇的だったのです。
服としては着れないけどバッグとしてなら持てるピンク。そして今回のペールブルー。
ピンクと水色。自分でも言うのもなんですが色だけ見たら圧倒的「ゆめかわ」、そして圧倒的「ブルーベース」の澄んだ色です。

自分がいわゆるブルべであろうということは以前デパートでやってもらったカラー診断でも一応認識していました。
そもそもバッグ選びでも金の金具はことごとくうるさく感じる(白いバッグならありだけどそれでも金の色味は選びたい。余談ですがその意味で、ネットで見たシャネルのバッグのゴールドは綺麗だなと思いました。白っぽいのかな?)、濃い焦げ茶色以外の茶色はnot for me、しかし「黒禁止令」を出しており黒のバッグには実際ほとんど食指が動かない、ついでに言えばブランドロゴもうるさく感じる……という状況だったので、好きな色、快い色は圧倒的にブルべと言えます。
(なので好きと思えるバッグは前提条件からしてかなり限定されていたのでした)

しかし、ではそんなわたしの持ち物がすべてブルべベースなのかというと、現状そんなことは「全くない」。
だってつい最近、というか今も、ラッキーカラーは緑と紫だし。

もちろん緑と紫にもいろいろあります。
けれどバッグを買ったときに着ていたmediumaquamarine、おそらくあれは黄味が強かったから違和感が生じたのです。あの時、わたしが鮮やかな青のトップスや、同じ緑でもdarkgreen(#006400)など深みのある色を着ていたら、バッグを持っても不協和は生じなかったでしょう。

つまり。

ペールブルーのバッグを買ったことでわたしのワードローブ、いえそれだけではありません、メイク、アクセサリーもまたブルーベースに統一する必要が出てきたのです。今までだったら綺麗で好きな色だなーと選んでいたmediumaquamarineのトップスは着れな……くはないけれど、それこそ白のカーディガンを着るとか、「寄せて」調整する必要がある。服を絞り込み、制服化するならほぼ確実に排除されるでしょう。
その上で。
色味が合うことは当然の、前提として。わたしが探すべきは着ていて快適で、お手入れが苦にならず、わがままボディなわたしをスタイルよく見せてくれて、しかもコンセプトにも合致している服(と、メイクとアクセサリーとヘアスタイリング)なのです。えっ、そんなもの、あるの……? 

これは、とんでもない大仕事です。
おまけにわたしは頭皮から表情筋をほぐして写真撮影の時には自然な笑顔ができるようになりたいし、姿勢や歩き方も治したいし、体重はもう少し落としたいとも思っているのです。もちろん日々の生活はあるし仕事もあるし趣味もある。低気圧の日でぐったりして動けない日だってある。そういえばインテリアもどうにかしたい。
というか、実は一番寄せるべきはわたしの肌色では? 夕方の黄ぐすみと日焼けを滅さなければならないのでは?

……。
………………。

やることが、やることがあまりに多い……! 

タイムラインでよく見かける「金田一少年の事件簿」の一コマが脳裏をよぎります。
というかわたし、自分が水色と白と銀色が好きだって気づいたの先週でしたよね? 気付くきっかけになったネイルだって、やるようになって二か月ちょっとしか経ってないですよね? 展開早すぎません?

もしかして、コンセプトがゴールではなくスタートってこういうこと!?
コンセプトというよりは色だけど!

これは確かに、年単位になる。ならざるを得ない。そう思いつつ、わくわくしている自分がいます。そう本当に忙しくなる、これではくだらない少人数グループ内のパワーゲームやら村社会意識やら自意識の拗れやらにかかずらってる暇なんてどこにも、1ミリもない!
「ここ」に戻って来たら、わたしはちゃんとひとりで「わたし」に戻れる。「べき」でなく他ならぬ自分だけのために動けること、このnoteを見守ってくれている人がいると知っていることはこんなにも自分の足元を確かにしてくれる。
後はどうでもいい。
れりごー、Let it goです。

ともあれ防水スプレーをかけ、伊勢丹のサロン・ド・パルファンでもらった香水のムエットを入れた5ACのデビューはもう少し先になりそうなので、ずだ袋こと白い袋のなかでお休みいただいています。
このずた袋の白も好きな白だなーと思ってるあたり、やっぱり何かしらのポエムは発動しているのかもしれません。

◎余談

ところで自問自答してバッグを選んだ結果、気づいたこと。
もしかしてキーケースって、鍵もだけど、バッグを大切にするために使うものなんですか……?

普段はバッグのポケットに家の鍵をむき出しのまま放り込んでいるのですが、5ACにちょっとそれはできないなーと思った瞬間、キーケースの存在意義を理解したのでした。
ということはキーケース買うべき……?と思った瞬間「はっはっはっ、この家に使っていないポーチ類がどれだけあると思っているのかね!」と脳内ムスカが高笑いしたので、もう少し考えようとは思いますが。
(まずはバッグの中を整頓しようね!)

そうそう、金曜日仕事帰りに買ったユニクロのマメクロゴウチコラボの黒ワンピースと青スカート&靴下は、手持ちのワードローブのなかでも5ACにトップクラスに似合いそうです。
ニットワンピースとスカート、普段使いとしても、調子が悪いときの何も考えず着られる楽な服としてもがんがん着ようと思います。調子が悪いときの服が綺麗だとちょっとほっとしそうです。


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