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【Words to re:member】 : 『連続共創力』 ペライチの創業者は今、何を考えているのか?(2022.01.24)

渋谷クロスFM 88.5MHz
毎月第4月曜日 14:00 〜 オンエア

<2022.1.24 MC>
言海祥太:https://twitter.com/ryokaishota
応援ヤスシ:https://www.facebook.com/yohei.takada.77https://twitter.com/yasushi_kikaku
かのなつこ:https://www.facebook.com/morino.komorebi

<本日のゲスト>
山下翔一:https://www.facebook.com/shoichi.yamashita.1218

言海:
とても寒く風の強い渋谷ですが、その寒さを吹き飛ばすような熱いゲストを今日はお呼びしております。
肩書きがたくさんあるので、なんてご紹介すれば良いか分からないのですが……ペライチの創業者であり、おうえんフェス会長の山下翔一さんです!

山下:
よろしくお願いします!

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▪︎本質を見極めて【連続】で「いろんな仕事」を「いろんなパートナー」と組んでいく!

言海:
山下さんとは、共通の知り合いが「是非、紹介したい」と、この渋谷でランチをしたんですよね。同世代でもあり、名前が同じ「翔」ということで、意気投合して、80年代だけの経営者の飲み会で、2ヶ月に1回くらい集まって……飲み友達ですね。一緒に仕事をしたことがない。

山下:
付き合いは深いけど、ビジネス上は全く絡みがない。何をやってるのかお互い知らない。

ヤスシ:
逆に、山下さんってどんなイメージなんですか?

言海:
連続起業家って言葉があるじゃないですか。もう本当に、連続でいろんな仕事をいろんなパートナーと組んでやっている超マルチな人
それから、とにかく酒が強いんですよ。佐賀人なんで、九州人って強いじゃないですか。佐賀にも一緒に旅行に行かせて貰ったり、本当に遊び友達って感じですね。

ヤスシ:
今日はどんなことを聞きたいとか、あるんですか?

言海:
ペライチは結構ご存知の方が多いと思うんですよね。
応援ヤスシさんと一緒にされている『おうえんフェス』の会長でもあるけれど、知らない人も多いと思うんです。どういう活動で、どういう経緯で出来たんですか?

ヤスシ:
もともと『マネバナ』っていう「お金の話をしよう!」という活動をしていて、山下さんのコンサルを受ける機会がありまして、自分のビジョンや経験の棚卸しをさせて頂いたら『マネバナ』を広げることが目的じゃなくて、その先のビジョンがあるよねってことで、「心踊り狂う社会」という言葉を山下先生から、頂いたんですよ。

そこから「心踊り狂う社会」を実現するためのプロジェクトを一緒にやろうって立ち上がったのが『おうえんフェス』というイベントだった。

山下:
もう最初は、全く右も左もわからない子猫みたいな、その辺にいた「ペットを拾ってきて飼い始めました」くらいの感じだったんです。

ヤスシ:
「心踊り狂う社会」ってどういうものか、体感してみないと分からないじゃないですか。それを体感するために、企画から本番まで45日間っていう……ものすごいカオスの中で生み出したのが『おうえんフェス』

山下:
1,000人入る文京区のシビックセンターを2デイズで貸し切って、2日目の集客を忘れてたっていう問題があって……

言海:
集客忘れるって、すごいっすね!

山下:
もうその時は1日目しか頭になくて(笑)
アメリカ・オーストラリア・パリ・バルセロナ……全世界60拠点で同時多発的に立ち上がって、キングコング西野さんや著名な方に来て頂いたイベントなのだけど、とりあえず集まったけど「何やるんですか?」って質問が毎日途切れなくて。

ヤスシ:
応援だーーーーー!!!とは言ってたんですけどね。

言海:
応援だーーーーー!!!って言って、人が集まるもんなんですね。

山下:
述べでいうと5万人くらい(笑)
もうカオス中のカオスでした。本番始まる前にみんな泣き出すんですよ。
始まってもないのに「本番を迎えて、終わるということが悲しい」って、おうえんフェスロスが生まれるっていう……

ヤスシ:
おうえんフェスベイビーも生まれましたし、何組か結婚していて。

言海:
マッチングも成功しているわけですね。もちろんビジネス的マッチングもあるでしょうしね。実際に終わって、踊り狂ったんですか?

ヤスシ:
終わった2日目の懇親会で大号泣。

山下:
踊り狂うっていうか、泣きじゃくる。

言海:
心泣きじゃくる!最上級ですね。踊り狂うの向こう側に行ったんですね。
それも、ヤスシさんの人生をヒアリングして「きっと彼はこうだ」っていう彼の本質を見極めたってことですよね。

山下:
なんか、不思議な人だなって思ってたんですよ。
6年前の当時は僕より年下だとは分からなくて、50近いおっさんが毎日「マネバナ!マネバナ!」って投稿しているけどブレブレで……ヒアリングしたら「全然マネバナじゃねーじゃん」って(笑)
原動力はピュア。人としてはめっちゃピュアだけど、当時はプロジェクトをやっても子供のままのような感じで、いろいろ誤解もされてた。
彼が上手くいくような組織を作ってあげれば、いろいろ回っていくんじゃなのかなっていうことで『おうえんフェス』を作ったんですよね。

言海:
相手の本質を見極めて「その人がどうすればより輝くか」「のびのび、本質に立ち返れるか」そこが好きなんでしょうね

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▪︎「自由」と「ワクワク」を起点に動くことが大切!

言海:
今、100以上の法人や自治体、プロジェクトのファウンダーや代表、役員、顧問……山下さんのもとにたくさんの人が来る環境だと思うんです。
その中でヤスシさんのように「この人のここをこうしてあげたい」って、山下さんがメスを入れたくなるようは判断基準ってあるんですか?

山下:
自分の中で大切にしているのは、自由とワクワクなんですよね。
「人にワクワクするか」「その環境にワクワクするか」っていうのが大事。かつ自分の時間をそれなりにコミットするのであれば、関わらなかった時の未来と、関わってその人が成長した後に「世の中がどうなるか」というインパクトを考えて、ポテンシャルはみますかね。

ペライチを立ち上げた時の「お金がなくても、想いがある人たちを救いたい」という気持ちは今でも持っているので、呼んでもらったら日本中どこにでも行くことは続けているんです。

もし、コミットするのであれば、自分の時間を投資することで「社会がどれくらい良くなるのか」というバランス、そういう投資対効果は見ています

言海:
100以上のものに携わるって、そもそもそのチャンスや話が来ることも珍しいですよね。どういう生き方をしていると、そういう案件が来るんですか?

山下:
いろいろ要素があると思うんですよね。
もちろん、社会的信用や地名度も重要。10年近く前は、バイラルで広まって行くところがあまりなくて、プロダクトで広がって行く方が速かった。
そういう意味でペライチというプロダクトを持っていたことは、まず一つとして大きい。そういうところは、割と自分からアプローチをしていますね。

例えば、2020東京オリンピック・パラリンピックを活用して、市区町村長さんの地方活性化する連合の企業代表になった時、僕はそのきっかけになる人と会うために「このサービスを作った経産省の人に会わせてください」ってFBに投稿している。

そこから、いろんな人が調べてくれて、アポを取ってくださって、オリンピックに関われて、その後に万博も関われて……そういう大きいものをうまく活用出来ると、社会にインパクトを与えられる。自分からキーマンに会いに行って「一緒にやりましょう!」っていうポイントポイントで能動的に動くことは結構やってきましたね。

そうすることで、いろんな人たちを巻き込めるようになるし、信用力も上がる。でも根本は、どちらかというと、一人一人を大切にしてきたっていうのが一番だと思うんですけどね。

常に意識してるのは、自分が「応援してください」ということより、まず「相手の求めてるもの」「相手が気づいてないけれども、こういう風にすれば良いんじゃないか」とか「人を繋げる」とか、全ての出会いで何かプラスになるものを提供したいっていう想いがある。

出会いの10割バッターになりたい!

時間は有限だし、限られている。
全て常に全力っていうのはもちろん難しいけれど、極力それは意識的にしてる感じですかね。

言海:
能動的に自分から出会いに行くタイミングも、全部、自分のワクワクや楽しいことを起点に動いてるってことですよね?

山下:
例えば、僕の子供の頃から夢が「世界平和」なので、世の中を平和にするために必要なピース「こういうのあると良いな」「こういうことをやりたい」「こういう技術を持ってる人いないかな」って思ったら、探したり、会いに行ったり、常にアンテナを張って、人に発信しているんです。

僕もいろんな繋がりがあるけど、いろんな業界のスーパーコネクターに対して「こういう人いない?」「今、こういうことに興味があるんだよね」って伝えると、繋げてくれるわけですよ。2〜3人返したら世界中の人と知り合いになれるって話があるけれど、そこがスーパーコネクターに限っていうと、自分の周りで本当に繋がりたい人に繋がって行ける

そういう世の中を良くするためのピースは世界中にあって、それをどう料理して、どういう基準で変えて行くかっていうところが結構大事。僕は、そこの設計が割と得意ですね。

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▪︎佐賀の恩師「古賀武夫先生」からの教え

言海:
『連続共創力』っていうのを、山下さんから感じたんですよね。肩書きの一つに、共創パートナーというのがあって、字面も含めて響きがすごく素敵だなぁって……まさに山下さんの生き方にぴったりだと感じて、僕が勝手にこの言葉を作ったんですけど……

お金がなかったとしても良いことをやっていたり、想いを持って活動してる人を応援したい。自分の中の基準も大切に、一緒に創りあげて、広げて、インフォメーションして行く。そういう働き方や生き方の人ってそんなに多くいないんじゃないかな。

これからの時代は、インターネットやVR・AIもあるので、よりやりやすくなって来ている分、そういう働き方に憧れている人もいると思うので、その辺りを紐解けたら面白そうですね!

山下:
ありがとうございます。
肩書きとしては、大阪関西万博で共創パートナーというのをもらってますね。もともと、共創(コクリエーション)っていうのは、物心ついた頃からの恩師がずっと言っていた言葉なんです。

「自立」「協力」「共生」「共創」


「共に」という言葉が、いろんなところで言われるようになったけど、本来、我々人類っていうのは、もともとそうだったんですよ。もう一度、そこに回顧して行くってすごい大切。

社会課題、地域課題とか、いろんな問題や課題にトライして行く時、一部の人が課題と認識して解決して行くという中途半端なことをやっていても、これからは難しい。みんなで協力してムーブメントを作らなければ、解決できない問題の方が多いんです。「共に」っていうのは、すごく重要なこれからのキーワードじゃないですかね。

言海:
全てのプロジェクトにおいて「巻き込み力」があるというか、自治体やビッグネーム、インフルエンサーの人も巻き込んで、何か一つの物を動かして行くという視点や発想を山下さんから感じますよね。

その原体験となる考えの元は、佐賀の恩師「古賀武夫先生」ですか?

山下:
そうですね。
僕の両親の先生でもあったので、生まれた時から可愛がって貰っていて、彼の長男と僕が同い年で、そのお子さん三人とはずっと仲良く過ごしてたんです。空手と英語の先生でもあったので、高校くらいまでは、本当ずっと一緒に生活してるみたいな形でした。

言海:
僕も佐賀に一緒に行かせてもらった時に地元の人たちを紹介して貰ったんですけど、もう亡くなられて10年以上経っているのに、皆さん、武夫先生のこと話すんですよ。

山下:
僕が大学院2年の時に亡くなられているので、もう直ぐ15年ですね。

ヤスシ:
山下さんだけじゃなくて、他の人にも影響を与えてたんですね。

言海:
おへそ保育園の吉村直記さんだったり、それぞれ各分野で活躍してる方々を輩出しているんですよね。松下村塾から出た幕末の武士、吉田松陰や高杉晋作みたいなイメージがあって……

山下:
僕は彼を「現代に降り立ったグローバルな坂本龍馬」って言語化していて、まさに、武士道を唱えていたし、哲学や宗教にも造詣が深くて、国連と連携して途上国の支援をしていましたね。その支援の仕方も、ちゃんとその地域に行ってそこに住む人の声を聞いて、その人たちがやりたいことを一緒にやる。

コクリエーションして、自立を促して行くわけですよ。片道何時間もかけて水を取ってくる人たちの「水道が欲しい」という声には、一緒にトンカンして水道を作ったり、学校が全くなくて「子供たちに教育を受けさせたい」っていう場合には、一緒に学校を作る。

今、僕がやってることのベース「寄り添う」って、彼がやって来たことから教えて貰ってますね。

今でこそ認定NPOになっている「地球市民の会」ですが、その前から「地球市民」という言葉をずっと使っていて、国境や人種のボーダーがない。NOボーダーの意識っていうのは、本当に生まれた時から、僕は当たり前のように言われていたし【物質的な豊かさよりも精神的な豊かさ】をきちんと大切にすることを教わって来たんですよね。当たり前なんですよ、僕からすると

彼の思想を共有する仲間たちと共通目標「地球平和」「世界平和」というのがあって、我々教え子たちは自分たちの色を出しながら、彼が出来なかったことをどう受け継いで、次の世代にバトンタッチして行くか

我々それぞれの役割があるので、佐賀にいて頑張ってくれている人もいるし、逆に海外に行って頑張ってる人たちもたくさんいる。その中で僕の動き方は「こういう動き」っていう感じですね。

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▪︎明治を切り開いた七賢人「佐賀のDNA」

言海:
素晴らしい先生の教えを元に思想を継承して行く。自分たちの役割を持ってそれぞれのステージで活躍して行くって、なかなか、そういう体験って出来ないですよね。

山下:
佐賀っていう街じたいが、独特かも知れないですね。
生まれた時から、いろんなところで話を聞く七賢人っていうのがいるんですよ。有名なところでいくと2回総理大臣になられた大隈重信さん、日本赤十字社を立ち上げられた佐野常民さん、実は佐賀って、明治維新が起きたタイミングで日本最先端の本当、先端だったんです。

当時の明治新政府の要人を一番輩出しているのが佐賀で、北海道開拓も佐賀藩。明治維新のスーパースターたちが写っているフルベッキ群像っていう写真があるのだけど、このフルベッキって誰のことか知ってますか?フルベッキ博士と言うのだけど、彼は、佐賀藩校の先生なんですよ。海外から、招聘して来て、教えて貰ったり、いろんな人たちが集って共に学びあうっていうのが、あの写真なんですよね。

藩校の名前は「致遠館」って言うんですけど、僕が卒業したのが佐賀県立致遠館高等学校なので……明治を切り開いた世界の中でも稀有な体験をした人たちの「末裔なんだ」っていう意識は、やっぱりどこかであると思いますね。

言海:
DNAが眠ってるわけだし、そこに対して自信や誇りを持ってる方が、佐賀県人は多いということですよね。

山下:
縄文時代に一番人口が多かったのが長野県の八ヶ岳だって言われてますけど、縄文から彌生になった瞬間、西側に来るんです。

邪馬台国は、大陸から新しい文化が入って来てオリエンタルな文化になって融合してるんですよね。新しいものを取り入れるっていう血がDNAとしてある。豊臣秀吉さんの朝鮮出兵時に佐賀から出て、帰って来た人が、日本で初めて磁器を作ってるんですよ。磁器文化発祥になって、それが有田から始まり、薩摩になったり、天草の方に行って、日本の磁器文化が生まれている。アームストロング砲や蒸気船を日本で初めて作ったのも佐賀藩なんですよ。

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▪︎自分の弱みを知っているから現場に行く!好きになる!

言海:
こう話していても、山下さんは歴史にもすごく造詣が深くて、いろいろな話に発展して行くのですが、それも、武夫先生の教えですか?

山下:
僕、印刷会社の息子なんですけど、本を読まないんですよ。本、全く読めないんですよね。

言海:
紙媒体の息子ですよね(笑)

山下:
本は苦手なんですけど、でも逆に、自分の弱みを知っているので現場に行くのが好きなんです。日本についてもその地域の人から話を聞いて、覚えていますね。

記憶って、人それぞれ自分にあった方法があって、僕は耳から聞いたものをあまり忘れないんです。だから、直接行って、目で見て、話を聞く。
どこに行っても地域の人より、そこの魅力を話せるのは、実際に暮らしている人から話を聞いて、それを自分なりに解釈して話してるからなんです。

ヤスシ:
地域の人よりも、地域の魅力を語る。東かがわでも、動物園を語ってたり!

山下:
それがすごい大事!
みんな口を揃えて「よそ者が地域を変えるのは難しい」って言うんですよ。もしくは「変えた気になってるけど、住民がついて来てない」「一部は巻き込めてるけど限定的」とか。

本当はそこってすごくシンプルで、ロジックの前に感情的に好きになって貰うしかないんですよ。自分のことを好きだって言ってくれる人を嫌うことってほとんどないじゃないですか。

その地域の人たちより「好きです」って言うことが大事だと思ってるし、僕は、その地域に行ったら、その地域の人より地域の魅力を語れる人になる。そのために、その地域を好きになるというところは意識してますね。

言海:
地域の人たちも、それがあれば安心しますね。

山下:
そうそうそう!
だから、市民の人にも市長にも言ってます。「いや、僕の方が好きですよ!東かがわのこと!」って、まじで誰に対しても言ってるので「じゃぁ、勝負しよう!」って(笑)

みんな勝てないって分かってるんですよ。何故ならば、僕は色がついてない。でも、地域の住民は色がついてるんですよね。色がついてるってことは、反対する人や合わない人がいるってこと。

僕は、特定の色がない

最初は、部外者として扱われるんですけど、そこをひっくり返して行くといろんな情報や人が偏りなく集まってくるんです。それが自分の特徴です。いろいろやっているのは、色をつけないためにでも何でも、全部なんです。

国とも仲良くする。自治体も仲良くする。議員さんとも仲良くする。住民とも仲良くする。大学関係者とも仲良くする。エンタメ、飲食……全部の業界と仲良くなったら、色がなくなって来るんですよ。

言海:
逆にそうですよね、何にも染まれる。

山下:
紹介しづらいんだけど、敵もいなくなる

言海:
面白いですね、何者にでもなれる。アメーバ状にいろんなところに、シームレスに……まさに共創の考え。

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▪︎みんなのwinwinを優先的にやると、みんなハッピーになる!

山下:
僕自身がある種、人の触媒なんですよ。

例えば、東かがわでは、最初はアドバイザーとして自分が旗を振ってましけど、今はもう完全に市民が主役で、彼らがやりたいことをみんなで応援しているっていう構図になってる。主体的に動いているのは僕じゃなくて市民。

その先の景色を見たことがないと、怖い

だから「大丈夫だよ」って、最初にリーダーシップを取ることも大事なんです。「やれる」「やりたくて仕方ない」ってなったら、自分たちでやるんですよ。常にリーダーシップを取るわけではなく、常に放置してるわけでもない。そっと見守る時もあれば、自分がリーダーシップを取る時もある。

もう生き物みたいなもので、人も生き物であれば、コミュニティ一つ一つ、生き物なんです。

言海:
おうえんフェスの立ち上げとお話が似てますよね。
【最初に景色を見させる】まず自分がリーダーシップを取った後に、自然にその人が動ける環境を作る。そうやって、どんどん繋げて行くのが得意技なのだと思いました。

山下:
今までの教育って、夢を見れなくなっちゃってるし、あらゆる固定観念に縛られまくる人を生み出している。だけど、自分がゲームの中の主人公のように、しかも、ゲームの環境すらも変えられるっていう意識で生活していると、あらゆるものが生まれて行くわけですよ。

田舎の人たちって制約の中で生きて来てるんですよね。僕らはそこでコミュニティを作って、地域の人たちがやりたいことをまず全部叶える。それも市民からだけ、集めるんじゃない。

街が動くために重要なのは【住民】【行政】【議会】このあらゆるところ、みんなのwinwinを優先的にやって行くと、みんなハッピーになるんです。

そうすると、みんなが同じ方向に向いて行く

東かがわでわくわく課を立ち上げて、アドバイザー就任してから1年なんですけど、市民みんなが夢を語り出したり、何かやりたいことを話すっていう変化が起きたんですよ。飲み会のトークが、愚痴からワクワクすることに変わったんです。

言海:
最高ですね。

山下:
本当にポジティブなことを発信するし、市長も住民もみんな「どうやったら実現するか」っていう具体的な話しかしないです。全てのことが、東京のITスタートアップの10倍くらいのスピード感で全部速攻で動いて行く

オーディオブックみたいなヴォイスドラマを作り出して、アニメも作ろうとしてるんですけど、1〜2ヶ月で、ほぼほぼ、出来上がって来てるんですよ。

地域の創業116年目の印刷会社さんが協賛という形で、無償でポスターを400部刷ってくれて、それも2日で貼り終えたんです。市の施設全部、、観光地、人気のうどん屋さんとか、もういろんなところに貼りまくってくれて、みんなで手分けして一瞬で貼るスピード感がやばいですよ。

言海:
協力体制を作るってところがすごいですね!

山下:
JRの駅も「これは、JRの許可を取った方が良いよね」って話して、2時間以内にはもう「許可、取りました!って、すぐ動く。一瞬です。

【 東かがわ市わくわく課 】

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▪︎気づかせてあげられるのが、よそ者の強み!

言海:
市民の方達がみなさん自分ごとになって取り組んでるから、そこまで速いと思うんですけど、その自分ごとになるまでって、結構、時間かかりましたか?

山下:
1回話しただけで、一瞬で変わる人もいますね。
人を動かすだけのパッションはすごい必要で、やっぱり【直接、話をする】こと。それは、時間をかけてでもやった方が良い。自分の実家に行く回数の5倍くらい、会いに行ってましたね。

言海:
それだけの熱量を傾けて、その街を愛している姿勢を見せるからこそ「この人だったら信用できる」と思えて、協力してくれる体制を作れたんだと思います。

山下:
よそ者が頑張ってるからまた良いんですよ。だって、よそ者がその地域の人よりも行動してるって、ある種、恥ずかしいじゃないですか。「外の人がここまでやってくれてるんだから」ってなって、協力してくれるんですよね。

「街を変える」「住民を変える」ってすごいシンプルで、本当に街のことを当事者視点を持って「めっちゃ愛せるかどうか」「ちゃんと好きなことを伝える」「それに対する努力をする」「行動で示す」とか、そういうのはすごい重要。

テクニックの前にスタンスがあって、それがあった上で「じゃぁ、具体的にどういうプランにするのか」は、もちろんテクニックや戦略の部分もあるよね。

だけど、自分たちの商品やサービスを売りたくて、地方に行く人たちが多すぎる。「もう、本当にこの街が好き」っていうところから、スタートすることが街づくりでは大事ですよね。

何を言っても、信じられない人は信じられない
何を言っても、信じられる人は信じられる

言海:
人間関係の構築ができていると何でも出来ますもんね。

山下:
そうです。やりたいことをやる前に、やるべきことがあるんですよ!

言海:
良い名言ですね。
今のお話を聞いていると「やるべきこと」のベースがあって、信頼という土台があるからこその行動で、結果出てくるってことだと思うんですね。

山下:
このやるべきことを「楽しい」と思える人が、どんどん上手くいく。僕がもしも人が嫌いだったり、そもそも付き合いたくなかったら、多分向いてないと思う。好きだから行けるし、もっと言うとその中に自分の好きなものを見つけるから、継続できるんですよ。

人それぞれの良いところ、その地域の良いところ、いろんなものを「これ磨けば、めっちゃ良いじゃん!」って、見つける癖がある。そうすると、なんか楽しくなるじゃないですか。

僕はただ「これめっちゃ良いじゃん!」って自慢してるだけなんです。そしたら地域の人も「え?そうですか?当たり前にずっとそこにあったんですけど??」みたいな感じになるわけですよ。

1,000人近いコミュニティわくわく課の8割が、よそ者なんですけど、その人たちに「これ、すごくない?」って見せるとまた「めっちゃいい〜」ってなる。そうすると「あ、それ良かったんだ」っていう気づきになって、自分たちの自信にもなるんですよね。

言海:
灯台下暗しで自分たちのことって、見えないですもんね。

山下:
うん、当たり前だから。
自分のことが自分で分からないのと一緒で、相対性が分からない。それを気づかせてあげられるのが、よそ者の強みですね。

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▪︎東かがわ市との出会いとその魅力

言海:
東かがわ市は、どういうキッカケで白羽の矢が立ったんですか?

ヤスシ:
僕が「全国応援の旅」という旅をしていて、そこで東かがわに突撃して市長にインタビューをしたんですよ。山下さんの話をして「今度、セミナーを一緒にやりませんか?」って企画をさせてもらったのが、一番最初ですかね。

山下:
そう、だから僕ははじめ「ご迷惑をかけまして……」っていう贖罪の旅として東かがわに行って(笑)

市長も市長になりたての頃だったので、住民も「どういうことを発言するのか」っていう興味もあって、市議会議員から、若手の地域を盛り上げようとしている人たちまで、40人くらい集まったんですよね。

その時の対談後の飲み会で「僕が来るかどうかは、市長が二次会に行くかどうかです」って言ったら、市民の人たちが市長をぎゅっと睨みつけて「二次会行けよ」って感じになって(笑)

それを利用して二次会で3時まで東かがわ市の未来を熱く語ったら、みんなが好きになってくれたっていう……

言海:
飲みニュケーションで生きてるわけですよね!
酒が強くて、やっぱりそれも向いてますよね。

山下:
肝臓にレバリッジかけてるんで(笑)

言海:
最後に、東かがわ市の魅力を簡単にご紹介いただきたいです。

山下:
いやぁ、もうね……
和三盆ハマチの養殖を世界で初めてやったり、国内の手袋の9割以上を東かがわで作っていて「手袋の街」だったり、人形劇の専門ミュージアムが全国1741自治体の中で初めて作っているとか、いろいろ魅力があるんですけど、今は【人】です!

めちゃめちゃ人柄。
面白い人たちがいっぱい、いるんですよ!

言海:
行ってみたくなります!めちゃめちゃ楽しみですね。

山下:
めっちゃ面白い!
それを生み出してるのも【人】だし、スピードもめっちゃ速い!

言海:
まさに共に創る【共創】クリエイションですね。

山下:
新しいものが「常に生まれ続けてる」っていうのが面白いです。

言海:
本当に色々聞き足りないのですが、お時間となりましたので、これで終了とさせていただきたいと思います。


本日のゲストは、
山下翔一さんでした!

ありがとうございました!

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