競争、協調

スポーツにおいて、プロ選手たちは「優勝」という明確な目標に向かって突き進む。

スポーツはゼロサムゲームであり、勝者がいれば必ず敗者も存在する。

結局、競争相手を打ち負かさなければ勝利を手にすることはできず、競争相手がいなければ試合は成立しない。

したがって、勝つ方法は大きく分けて二つである。

一つは、自分の実力を他者よりも高める方法、
もう一つは、他者の実力を削ぐ方法である。

勝負は相対的であるため、絶対的な数値が上がったからといって必ずしも勝利できるとは限らない。

それにもかかわらず、メダルやMVPなどの賞を獲得する選手たちは、通常似たような言葉を言う。

「目の前の目標だけを見て集中した」
「毎日が自分との戦いだった」

結局、勝利を手にする人は、共に戦う競争相手を意識するよりも、本当にすべきトレーニングと目標に集中し、「夢中」状態を作ることが重要だと言う。

つまり、競争は他者を打ち負かすことであるが、勝つためには他者を意識しないことが重要だという複雑なメカニズムを持っている。

これは会社での戦いにも似ている。

毎週、毎月、毎四半期に与えられる賞は、結局他の社員を超えなければ得られず、一人が勝者となれば他の社員は敗者となる。

その中で持つべき最善の態度は、もちろん他者を意識せず、目の前の業務で高い実績と成果を上げることにのみ集中することであろう。

しかし、人間である以上、賞を受けられないことに不安を感じたり、他の同僚が高く評価されると気にしたり、まだないかもしれないが同僚の幸福に嫉妬することもあると思う。

こうした感情を持つことは、人間として自然なものであると思う。

そのような感情を持つ自分自身も自分の一部として認め、さらにどのような態度を取れば成長できるのかを考えた。

私が出した結論は「個人ではなく組織の視点で考えること」である。

私個人の立場では、自分よりも優れた社員や同僚、先輩がいると結局競争に勝つのが難しくなる。しかし、会社という組織の立場から見ると、社員が組織内で競争し、パフォーマンスや実力を高めていくことは喜ばしい状況である。

つまり、もし私に与えられたミッションが個人の成果で組織に貢献することに限らず、組織全体の成果を高めることに関わるのであれば、私よりも優れた人が多くいて競争に勝てないことが逆にポジティブな状況である。

結局、成果や実績とは何かを考えると、会社の収益を上げることが成果であるならば、私が直接成果を出さなくても周囲の人たちが成果を出すように励まし、導くことでそれもまた組織への強い貢献と考えられる。

単純な例で言えば、70のパフォーマンスを出していた同僚を応援することで、90の成果を上げることに成功すれば、私も20の成果に貢献したことになる。

ゲームに例えれば、サポーターの役割を果たすことになる。

このような場合、貢献度や実績を具体的に追跡することが難しいため、多くの人が自分の実績を上げることに集中しがちである。

しかし、最終的には会社という組織の本質を考えたとき、組織の成果を最大化することを本質として捉えるならば、

賞を受けたい、
褒められたい、
認められたいということを中心に考えるのではなく、

組織の成長を最も重要な基準とすべきではないか。

私が賞を受けられず、認められず、周囲の同僚が次々と称賛されている状況は、承認欲求が強い私にはかなり辛い状況である。

しかし、それでも組織のために同僚たちがどうすればさらに成長し、より高い成果を出せるようにするかを考え、後押しなければならない。

本当に複雑で矛盾であるが、長期的に考えると、組織全体を活性化する能力がマネジメントやいつか経営をする時につながると考える。

それは、物事は個人の能力だけではすべてを解決できないからである。

したがって、これからは競争に負けるために同僚たちを全力で応援するつもりである。

戦闘では敗れても、戦争では勝つために。

勝とうとすれば負け、負けようとすれば勝つのである。

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