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3年経過して。

六甲山という森林と、仕事を通じて関わるようになって3年が経過しようとしている。
思い起こせば、神戸で木材の仕事をしているにも関わらず、また国産材の活用なんてことをやりたいと思っていたにも関わらず、地元の山を資源として目を向けたこともなければ、そこ(六甲山)にどんな樹木がどれだけあってどんな人が関わりどんな課題があるのかなんていうことを考えたこともなかった3年前。
一つのきっかけで「とりあえずそこ(再度山 二本松林道)に伐採された丸太があって、それを持ち帰って何ができるかを考えて欲しい。」という仕事を頂戴したところからスタートした取組み。
あれから3年が経過して、いくつかの成果物が公の場所でそれ(六甲山の木材)を見ることができる。神戸市役所の本館1F市民ロビーのベンチ(設計:中村竜治建築設計事務所)やメリケンパークにできたスターバックスコーヒーのカウンターテーブルの腰板等。
こうやって見るとなんてことないただの意匠や什器に過ぎないのだが、木を山から出すこと、それを製材所に持ち込み製材すること、さらにそれを持ち帰り置いておく場所が必要なこと、場合によっては人工乾燥をかけなければならないこと、さらに製品に加工するためのデザインや製作そのもの…、それらを林業の仕組みを持たない六甲山周辺の小さな経済圏でマルっと6次化していくことの労力について、都度、泣き言を言ったり、何かに噛み付いたり、喜んだり、涙したり、愚痴を言ったりしてきたけど、垂れ流しのタイムラインで吐き捨てるだけではなくて、少しカッチリとアーカイブとして残しておく必要があるんだろうなと今日感じた。
今日は、製材した材の納品だった。
今回一つ劇的に進歩したことがある。元々、市には製材した材を在庫・乾燥させておく土場のような場所はなく、これまでは駐車場のような場所を市が借りてそこに木材を置いていた。もちろん手おろしだ。
それはそれは大変な作業で、これまでもこの残酷な作業に付き合わされた僕の友人ならわかるだろうけど、人力でやるような作業ではない。
六甲山の山から発生した木材を搬出して、製材して、それが何かに使えるようになって、それを使いたいという人がだんだん出てくるようになってくると、それを循環させるためにはストックが必要になる。
山で伐採した木材を、その都度、山から下ろし製材してという労力とそれをまたどこで置いておくのかという課題が出てきた。
山で伐採した丸太を一時的に避難させる中継地点としての土場と製材した板を自然乾燥させる屋根付きの大きな倉庫が必要になった。
それが3年という月日が経過してかなった。
これで作業が楽になる。と思ったのもつかの間、倉庫の中までユニックが入らず結局のところ、倉庫の外で一度荷下ろしをして、その後はやはり手下ろしで桟積みしていくことになる。材はクスやケヤキなどの広葉樹が中心で特にカシはべらぼうに重い。60ミリを超える4mの製材は、4人がかりでやっと持てる(いやそれでも結構きつい)ぐらいの代物だ。
木とはそれぐらい扱うのが大変な素材で、わずか10立米程度の丸太を下ろすのに大人4人で2時間以上かかる。
そして次の課題を話す。
「フォークリフトを買う予算はないけど油圧式の手動リフターぐらいは必要かな。」
そんな3歩進んで2歩下がるプロジェクトを記録していこうと思う。
今3年後。そして3年前スタートした頃からの流れを少しづつ紹介していきます。何かのお役に立てるような気がするので。

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